らぷんつぇる**

日々のささいな出来事をつづったり
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ひとりごとを言ってみたり。など。

『フロム・ヘル』

2006年10月20日 21時53分01秒 | Movies
これ、母親にネタバレされた映画。
でもネタ聞かなかったら見なかったと思う。
だって一応ホラーの部類だし。
R15だけど、この映画の場合は暴力とかラブシーンがあるからじゃなくて、スプラッターシーンがあるから…だよね。
ほんとのカテゴリはサスペンス寄りだと思う。

*あらすじ*
1888年のロンドン。
メアリー・ケリー(ヘザー・グラハム)と仲間の5人は娼婦として身を売ることで何とか生きのびていた。
しかし仲間の一人アン・クルックは運の良いことにお金持ちの男性アルバートに見初められ、彼と結婚し子供ももうけていた。
ところがそんなアンとアルバートがアパートから男たちに連れさらわれてしまう。
そのころ、仲間のマーサが残忍な殺され方をしているのが見つかる。
これがロンドン中を恐怖におとしいれた「切り裂きジャック」事件の始まりだった…。
若いが才能のあるアバーライン警部(ジョニー・デップ)が捜査にのりだすが、捜査は遅々として進まず、メアリーの仲間から第2、第3の被害者が出てしまう…。


オチを知っていても意外と面白く見られました。
メアリーの仲間はほんとに落ちぶれた雰囲気がむんむんで、『ムーラン・ルージュ』みたいな高級娼婦じゃない。
色気…あるのか?っていう風貌。
ジョニー・デップはかっこよかった。
はじめて『ショコラ』でジョニーを見た時は何とも思わなかったけど、『パイレーツ・オブ・カリビアン』を見て好きになったよ。

それにしても…ネタバレになるからあんまり言っちゃいけないけど、
それでもあえて言わせてもらうなら

アルバート…あんたは…アホ!
後先考えて行動しなさいってば。
結婚式って、しかもカトリックの教会って、こいつバカだーとしか言いようがない。
まあ見ればわかります。

にしても好きな人を守るために、会いたいのに会いに行けないって、せつないやね。
ラストはせつない映画です。
サスペンスとしては面白いけど、血しぶきとか絶対無理って人は見ないでね。
なんだか最近多少のスプラッターなら平気になってきたのかも、自分。
ところで、よくこんな映画作れたな、って思う。
これの日本バージョンなんか作ったら某団体が切れるよ。

*データ*
監督:アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ
出演:ジョニー・デップ、ヘザー・グラハム、イアン・ホルム
上映時間:124分
制作国:アメリカ
初公開年月:2002年1月

『クリクリのいた夏』

2006年10月20日 21時19分21秒 | Movies
*あらすじ*
1930年代初頭のフランス。沼地(マレ)に住む人々は自然に囲まれた豊かな地で貧しいながらも楽しく暮らしていた。スズランをブーケにして街で売ったり、家の前で五月の歌を歌ってお金を稼いだり、大雨の次の日は汽車に乗ってエスカルゴを捕りに行ったり。クリクリの父リトンはぬけたことばかりをやっているが、友人ガリスはそんな彼と彼の家族が気がかりでなかなか沼地から旅立てない。彼らの友人アメデやリシャールは街で暮らしているものの、心は沼地にあった。そんな彼らの平穏な生活はリトンのへまで危機に晒されるが…。


のどか~でまった~りな映画でした。
リトンやガリスはお金がなくても楽しくやってるし、街の人々も温かい。
彼らが歌を歌いに行った時、「どうせうるさいって追い返されるんじゃ…」と思ったけど、お金持ちっぽい夫婦の「あら素敵」って反応に心が和んだ。
貧しいからってさげすむ人があんまり出てこない。
今の世の中に生きている人間としては、リシャールの家族みたいな反応に慣れすぎてしまっているのかも…。
しかもラスト、ラストはこの平穏な生活にお別れするのか??と思ったら最後までなごやか~だった。
こんな世界で生きられたら幸せだろうなあー。

ところで、このタイトルおかしいと思う。
クリクリはあまり重要人物ではない。
ぷにぷにしてて可愛いけど。
しかも語り手は大人になったクリクリなのに『クリクリがいた夏』って…。
むしろ『ガリスがいた夏』にするべきだろー。
その上季節は一巡し、もはや夏ではなかったりする。

一番好きなのはリシャールさんかな。
もとは沼地に住んでいたのに、金属加工の工場を建ててお金持ちになり、街に移り住んでしまった人。
沼地を捨てたことを心から悔やみ、帰りたいのに帰れずにいる老人。
しかも娘をはじめ家族は自分たちのルーツが沼地であることを恥じていて、彼に沼地に近づかないように言う。
彼の味方は孫のピエロだけ。
ちなみにピエロはクリクリの初恋の相手だったりする。

もう一人の街の友人アメデさんはいつもちょっとずれてて、見てて「またこのひとはぁ~!」と思うけど、よいお友達なんですよー。
なんでスーツでカタツムリ狩りに行くかなー?
ある意味母性本能をくすぐる人なのかもしれない。

*データ*
監督:ジャン・ベッケル
出演:ジャック・ガンブラン、ジャック・ヴィルレ、マルティーヌ・バフィエ
上映時間:115分
制作国:フランス
初公開年月:2000年6月