劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスでライター、編集者をしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

街と音楽をつなげるMusicityの試み

2012-03-26 23:11:37 | その他
音楽と都市を繋ぐ新プロジェクト「Musicity Tokyo」が、
先週3月24日、東京・六本木でスタートした。



「Musicity」はイギリス・ロンドン発の音楽プラットフォーム。
スマートフォンの地図上に表示されたリスニングポイントへ実際に移動することで、
日英のアーティストがその場所のために作ったオリジナル音楽を聴くことが可能になるというもの。
いわば都市探索型の企画であり、今回、その東京版が誕生したかたちだ。

企画者のニック・ラスコムはこう語ってくれた。
「これまで、街の景色と音楽の記憶がつながるというのは個人的な体験で、一瞬の事柄だったけれど、
それをアーティストの思いとつなげ、さらには大勢で共有できるものを作りたかったんだ」と。

面白いのは、消費され消えて行く音楽が多い中、この「Musicity」では、
リスニングポイントでずっとその曲を聴くことができ、思い出とともに残る点。
実際、この企画はロンドンで最初7カ所7アーティストでスタートし、現在は14カ所あるそうだが、
当初から一人も(1曲も)減ったり変更したりということなく残っているのだそう。
ラスコムはその場所にその曲が、何十年も存在し続けるというイメージを持っていると言う。
あっという間に消費され忘れら去られる音楽マーケットとは一線を画す発想だろう。

彼は46歳。ラジオで曲を知ってレコードやCDを買う世代として育った一方、
DJや音楽プロデューサーとして活躍しており、
最近では i tunes storeの一部ヨーロッパの選曲を担当した経験を持っている。
いわばこの企画は、旧世代と次世代の両方を知っている彼だからこそのもの。
旧世代と新世代の両方の感覚を併せ持ったプラットフォームといえそうだ。

Musicity についてはコチラ

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