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ひまわりの舞台・・ゼレンスキーとバイデンの戦争責任 – 異端の少数意見ながら 世に倦む日日

2022年02月25日 | 四要素論

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ゼレンスキーとバイデンの戦争責任 – 異端の少数意見ながら

ゼレンスキーとバイデンの戦争責任 – 異端の少数意見ながら_c0315619_15043325.pngイラク戦争のときのことを思い出す。国連憲章違反の一方的な侵略戦争だった。侵攻する側が時間をかけ大量に兵力を集め、無茶苦茶な大義名分(口実)を言い立て、最後通牒を突きつけて空爆に踏み切った。巡航ミサイルで地上の防空システムを破壊し、制空権を握り、地上軍を首都に侵攻させた。あのときと絵は一緒だが、今回は侵略される側に世界の同情と支持の全てが集まっている。国連事務総長がロシアを非難糾弾しまくっている。あのときは、正義の戦争だとして美化し、侵略者のアメリカを支持する声がずいぶん多かった。

あのとき、19年前、戦争の原因を作った張本人として指弾され、責任を押しつけられたのは、侵略を受けた側のサダム・フセインだった。今回、ゼレンスキーに責任があると批判する声を聞かない。今度の戦争にバイデンに責任があると断罪する者はいない。けれども、本当にそうだろうか。私は少数派として異論を唱えたい。ゼレンスキーの責任は小さくないと思う。大統領にはその国の国民の命と安全を守る責任がある。自国を戦争に導かない義務があり、戦争に巻き込ませない政治をする使命がある。



ゼレンスキーとバイデンの戦争責任 – 異端の少数意見ながら_c0315619_15215824.pngゼレンスキーが、ウクライナも署名したミンスク合意を履行していれば、今回の戦争には至らなかった。メルケルが汗をかき骨を折り、徹夜の協議を重ねて成立させたミンスク和平。その合意事項を守っていれば、ウクライナ共和国を戦争の危機に導くことはなかった。そもそも、2019年の大統領選でゼレンスキーが勝ったとき、ゼレンスキーは対ロ協調派の候補だったのだ。争ったポロシェンコの方が対ロ強硬派であり、東部親ロ勢力との対話を訴え、穏健派のイメージで票を集めて当選したのが新人のゼレンスキーだった。

大統領選の結果とゼレンスキーの政見を見て、プーチンは、ミンスク合意の履行、すなわち東部2州の自治権の法制化に期待を持ったはずで、それゆえ、その後のゼレンスキーの豹変には裏切りを感じたに違いない。ウクライナという国の置かれた客観的な立場と状況を鑑みて、国際環境を冷静に判断して、もっとリアルで賢明な外交行動に出ることはできなかったのか。何より平和を第一に考えるクレバーな政策の舵取りができなかったのか。隣国の大国の指導者であるプーチンと、最低限の信頼関係を保つ努力はできなかったのか。

ゼレンスキーとバイデンの戦争責任 – 異端の少数意見ながら_c0315619_14134239.png指導者として無能だったゼレンスキーの責任は小さくない。これと同じ認識と感想は、24日のNHKニュース7で下斗米伸夫も述べていた。大きな戦争になってしまったが、元々はウクライナの国内問題であり、親欧米派と親ロ派の対立紛争がベースにある。双方がマイルドに混在共存し、穏和に一体性を保持していたはずのウクライナに、分断と混乱をもたらしたのは、2004年のオレンジ革命からの動きとそれに続く2014年のマイダン革命であり、親ロ派を追い落としたクーデターである。背後にNED(CIA)の画策と謀略があったとされている。

旧ソ連圏諸国でのカラー革命はこれまで幾度起こったことか。2000年のユーゴスラヴィアでのブルドーザー革命、2003年のグルジアでのバラ革命、2004年のウクライナでのオレンジ革命、2005年のキルギスでのチューリップ革命。どれもCIAが裏で糸を引いており、ソロス財団やシンクタンクが関与していて、フランスのテレビ局が真相をよくジャーナリズムしていた。結局、総括的に本質論を言えば、アメリカはソ連崩壊では満足しておらず、さらに欲深く、ロシア連邦そのもののを標的にし、旧ソ連・旧共産圏の悉くを自らの意のままになる親米国家群に塗り替える野望を戦略化している。


ゼレンスキーとバイデンの戦争責任 – 異端の少数意見ながら_c0315619_15222970.png主権国家であるウクライナが、どのような方向性を目指そうが、それはウクライナの自由であり、他国が口を差し挟むことではない。だが、傍から見て、ウクライナの地政学的条件や民族歴史的所与を考えれば、ロシアとEUの間に立ち、双方と友好的な外交通商関係を組み、その独自の立ち位置を生かして、双方から利益を享受し平和裡に自国を発展させるのが最もベストな選択だと思われる。琉球王国の「万国津梁」的な理想を掲げて国家運営することが、ウクライナの平和と繁栄に繋がる道なのではないかと私は思う。森安達也が生きていたらそう言うだろう。

ウクライナとバルト3国・ポーランドとは違う。事情と背景が異なる。ロシアに屈服したり抵抗したりの歴史でアイデンティティが形成されている国ではない。敢えて言えば、ウクライナには、ロシアに対して無理に歴史的な憎悪や怨恨の感情を抱くべき必然性はない。2国は同じ東スラブ人の東方正教会の国であり、キエフ・ルーシを祖先とする兄弟国である。最近、ホロムドールの過去が強調され、そこに拒絶と反発の根源があるのだという歴史認識を聞くけれど、それは、欧米がウクライナを唆(そそのか)してロシアと離間させるための政治言説ではないかという作為性を私は嗅ぎ取る。


ゼレンスキーとバイデンの戦争責任 – 異端の少数意見ながら_c0315619_15034926.pngなぜなら、ホロムドールの悲劇への遺恨をネーション形成の精神的基礎に据えるのなら、その憎悪対象はボリシェヴィキ・ソ連共産主義に向けられるべきで、ロシアとロシア人に直接被せるのは筋違いだからである。ロシアとボリシェヴィキはイコールの思想的存在ではない。フルシチョフはウクライナ人だった。ウクライナはソ連邦を構成する15の共和国の2番手であり、その序列は常に不動で、いわばソ連邦の建設と運営において陽の当たる位置で参画してきた国だ。スターリンに強制併合された気の毒な冷や飯組のバルト3国とは境遇が違う。まして西スラブ系のポーランドとは根本的に違う。

ウクライナ人は素朴で純粋な人々に私には見える。第一印象で好感の持てる人々だ。現在の西側のウクライナに対する思想工作は、ウクライナ人の純朴さを逆手にとった陰湿で佞悪なもののように見え、嘗てナチスがウクライナ人を慰撫し洗脳して、反ソ連の協力者に扇動・利用した邪悪な歴史を想起させる。同じことが繰り返されている。それが2004年から2014年の事実だった。隣の芝が青く見えるのは誰も同じで、ウクライナの人々の目にはEUやNATOが過剰に美田に見え、その心理を操縦され、自らの本来のアイデンティティを忘れさせられているのではないか。


ゼレンスキーとバイデンの戦争責任 – 異端の少数意見ながら_c0315619_14273875.pngアメリカとバイデンの責任について言わなくてはいけない。なぜ、ロシア軍の侵攻を阻止できなかったのか。プーチンとの外交バトルに負けたのか。現在の結果はアメリカの敗北と失態としか言いようがないではないか。米軍を派遣投入すればよかったと言いたいのではない。NATOに入れてやる、NATOに入れと口では言いながら、結局、ウクライナはアメリカに騙されたのと同じだ。その気もないのに、責任がとれないことをウクライナに言い、ウクライナをその気にさせて誑(たぶら)かした。アメリカはウクライナを道具にして玩びながら、ウクライナを戦争と破滅の淵に追いやったのと同じだ。

アメリカは、CIAの諜報能力で全てを分析し予測できていると自惚れ、ロシアを打ち負かす戦略の遂行をしていると思い込みながら、実際にはプーチンに裏をかかれ、プーチンの胆力に圧倒された。自慢のインテリジェンス作戦は何の役にも立たず、松原耕二に「アメリカの諜報戦略は単に実況中継やってただけ」と揶揄される始末に終わっている。ブリンケンやサリバンではプーチンと は格が違いすぎて喧嘩にならない。白帯と黒帯の差だ。小僧臭が鼻につくサリバンは、単なる謀略オタクで、ゲームアプリの趣味者のようにCIAに謀略させることだけが生きがいの小物に見える。アメリカが唯一の超大国になってからの世界しか知らない。


アメリカが、「ウクライナはNATOに入れない」と一言言えば、この戦争は起きなかった。たった一言コミットすればよかった。東アジア人の一人として率直に言わせてもらえれば、ロシアにすら勝てないアメリカが中国と「競争」して勝てるなどど、その自信過剰はどこから来るのか。ヨーロッパですら仕切れないアメリカが、どうやってアジア太平洋を制して指導することができるのか。


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