詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

詩  可憐な花梨 (推敲形)

2011年09月17日 | 
まん丸い梨より
でこぼこでざらざらで
ひとつとして同じものがない
西洋梨の方がずっと大好き

中学校からの帰りには
道にはみ出した梨をもいで
皮ごと齧りつくのが毎日の日課

ある日の午後
「こら!」と追いかけられて
もう大丈夫だろと後ろを振り向いたら
目を吊り上げたおっさんの顔がすぐ後ろに
それに懲りて盗み食いは止めてしまった

「お前もなまら垢抜けてしまったな・・」と
店先の洒落たラ・フランスを見つめては
ふっと呟いているのに気づく

昨日の森の奥から採ってきて
部屋中に置いた花梨は
馥郁とふるさとの夕べの香り
色も不ぞろいで
虫に食われて泣きはらしたような奴さえいる

天国のきみにも
この香りが届くようにと
きみが微笑んでる写真の前にも可憐な花梨をひとつ

そろそろ
落ち葉に埋もれた原野の片隅の
きみのお墓の天辺にも
まっさらな雪が ふわふわ
舞いはじめる季節がやってくる

 注:香りがよく消臭剤代わりになると聞いて山から採ってきた後、ネット検索したら・・風邪や喉にも良いと言うので、花梨の焼酎漬け酒を一度作ったことがある。◆『カリン酒の作り方』はー「ここ」

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