詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

懐かしい飴細工テキヤの思いで

2020年07月03日 | 日記
懐かしい飴細工テキヤの思いで
《白糠がアイヌ人の多い町だとは複数の見世物屋やテキヤから聞いていた。・・

私の店にも、澄んだ、目の大きな小学生の姉と三、四歳の弟が三日間、一日に幾度もやって来た。そんな時もいつの間にか二人は楽しそうに飴細工を見ている。
私は三日目の日中、とうとう一本ずつの飴細工をやってしまった。以前に室蘭の高市で苦い思いをしていたからだ。

室蘭は大都会・・
「なんだい、今日はお祭りだよ。せっかくの一年一回、今日は暇人と貧乏人しかいないのか、お兄さんだって焼酎代くらい稼がなくっちゃ今夜はどうすればいいんだ、頼む教えてちょうだい」などと啖呵をかませていた。

ところがこの時、ひとりの少女が目に涙を一杯ためている。そしてこのように言った。
「おじさん貧乏人って馬鹿にしているっしょ、あたいは買いたくても買えないの馬鹿にしてるっしょ」

白糠の二人に飴細工をやったのは、この時の苦い思い出が残っていたからだった。》(「間道ー見世物とテキヤ」より)
「間道ー見世物とテキヤ」(坂入尚文)は、今年読んだ本の中でも、故郷北海道に関しての本の中でも、ベスト3に入れたい。

特に後半の、テキヤ(飴細工)になっての・・テキヤ仲間や各地の親分衆や極道との付き合いは、誰か映画にでもしてくれんもんだべか。
僕が転々とした北海道の故郷も観られるし。

泣いて、笑って、歯軋りして、頷いて・・一気に読了。
北見だかの「プリズンホテル」(浅田次郎の抱腹絶倒の傑作!)の廃墟や、釧路や小樽や夕張やらのかっての廃墟に帰りたくなったなー


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