<もんじゅ西村成生謀殺事件に未亡人・トシ子さん必死の東京高裁控訴>

 昨日、市民運動家・Nさんの郵便が届いた。原子力ムラが関与したとみられる東電渡辺泰子さん謀殺事件と、続くもんじゅ西村成生謀殺事件。後者は未亡人の法廷闘争が今も続いている。東京地裁での当局による引き延ばし戦術と、長期間にわたる旧動燃の蓋掛け戦術に対抗して20年。法廷は典型的ともいえるヒラメ判事の結論は、棄却(2021・9・30)という非情なものだった。

 担当した判事を明記すべきだろう。被害者は遺品の返還を求めている、ただそれだけのことに20年かける人生に声も出ない。謀殺当局は、時間をかけて世間から事件を忘却させ、その後に棄却。しかし、夫の無念を晴らそうと命がけの闘いは続く。原子力ムラの岩盤に言葉も出ない。涙があふれ出るような決死の未亡人・トシ子さんの闘いは、これからも東京高裁で続くことになる。  

 

<日程決まらず!2月某日に支援団イライラ=判事は犬か畜生か>

 もう一審を終えて5か月近くなる。それでいて、高裁は日程すら決めない。ときあたかも、日本原子力開発機構は、米エネルギー省とMicrosoft創業者のビルゲイツの会社に対して、もんじゅナトリウム大事故のデータを提供するという、野蛮すぎる新たな挑戦に突っ込む。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=471431834425003&id=100046745703009&sfnsn=mo 

 コロナのワクチン開発で、法外な暴利を得ている、野心家のビルゲイツにぶら下がる旧動燃の現在である。しかし、夫を奪われた西村トシ子さんの怒りの闘いは止まらない。支援を惜しまない反原発派の人たちの存在に、繰り返し敬意を表したい。

 本来、刑事事件として正義の検察が、原子力ムラに一撃を加える場面ではないか。なぜ刑事告訴しないのか。この点が理解できない。

 

<20余年かけた東京地裁でも遺品返還を認めない国策法廷!>

 まことにふざけ切った法廷である。遺族が殺害された夫の遺品を請求している民事裁判である。さっさと旧動燃に遺品を返還の判決を出せば、1日でケリのつく法廷のはずだ。それが20年!

 なぜ抵抗するのか。分かりきっている。返還すれば謀殺判明の証拠だからだ。即刑事告訴される。菅内閣の経産相だった梶山は、内情を知っている。法廷で真実を明かせ、といいたい。

 原子力ムラの犯罪は国家犯罪である。経産省や文科省にも事情は知れ渡っている。彼らを法廷に呼ぼう、議会は証人喚問しよう。なにか不都合があるか。

 

<「8階から転落自殺」(警視庁)は旧動燃・日本原子力開発機構の陰謀>

 原子力ムラ陰謀の最たる点は、被害者がホテルの8階から飛び降り自殺を図ったものと認定した警視庁に非がある。正義の鑑識が為されれば、それが飛び下り自殺か、別の場所での殺害かを特定できる。しかし、一方的に「自殺」と決めつけて、新聞発表した。

 原子力ムラの陰謀の原点は、ここにあるだろう。遺族は法医学者の鑑定書を提出している。飛び降り自殺ではない、のだ。第一、本人に自殺の動機が全くない。ナトリウム漏れの情報を集めている担当者に過ぎなかった。

 

<遺書作成の万年筆を隠ぺいしたままの原子力ムラ>

 したがって、本人が書いたという遺書も筆跡鑑定と内容の中身にも、不可解な点が少なくない。其の点も法廷に証拠を提出してきたのだが、裁判所も「自殺ありき」を前提で、訴えを棄却した。第一審の判事を弾劾裁判にかける場面であろう。自民党、ないしは自公政権に阻まれているため、それが出来ないのが悔しい限りだ。

 遺族は遺書を書いた本人の万年筆を返還せよ、と請求しているが、それも突っぱねる旧動燃・原子力ムラの横暴さに屈するヒラメ判事の顔が見たい。

 

<生きる権利を奪われた成生さん、知る権利のトシ子さん=日本の人権の正体に他国を非難する資格なし>

 もんじゅナトリウム漏れの大事故は、奇しくも戦後50年の1995年12月8日、当時の筆者は日中友好活動に汗をかいていた。翌年の1月13日、警視庁と動燃は、西村さんが「8階から飛び降り自殺」と記者発表。西村裁判の弁護団は「警察・科技庁・動燃による偽装工作事件」と判断して対抗。

 この前後、科技庁長官をした田中真紀子証言を求めたい。報告を受けているだろう。官房長官の梶山静六と、菅内閣で経産大臣をした倅も、である。西村さんは、梶山の選挙運動にもカネと票で奔走していた。

 動燃は直ちに故人の机など封印、証拠の隠滅に狂奔する。2015年11月29日、警視庁中央署捜査担当の荒井泰雄急逝、2016年10月12日捜査員証言で「ホテル内実況見分せず、遺体の深部体温測定せず」など判明。

http://www.labornetjp.org/news/2015/1209shasin 

 トシ子さんは「故人は生きる権利・遺族は知る権利」を奪われたと法廷証言、波紋を広げている。日本の人権は、他国を非難する資格などない。

2022年2月8日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)