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リカコの、これは「ゴミのようなブログ」か「ブログのようなゴミ」か

今までの人生は挫折つづきでサボテンのぴょん太さんもベランダで干からびているけど、最近ようやく自分を肯定できてきてるかも…

エライ人の考えとイッパンシミンの考え

2007-02-17 19:05:27 | 日記
ふたを開けてみたら参加者は頭の白いおじいちゃんおばあちゃんばっかだった…という市民健康講座に行ってきた。

5人くらい講師がいて、最初の2人くらいはなんだかもごもごしゃべっててつまらなくて寝そうだったけれど、最後に壇上に立った整形外科の先生が夜中に救急でやってくる「困ったちゃん」の話をところどころに織り交ぜながら面白い講演をしてくれた。で、この先生はちょっとおしゃべりが過ぎるというか、こんな軽言が飛び出した。

「足の人工関節というのは、手術してしまえば20年もちます。この手術をね、あと2~3年しか生きられないような人にやってしまうのは、そりゃ本人にとってはいいかもしれないけれど、行政側から見てみれば医療費のムダづかいだと思いますね。」

一瞬耳を疑いましたね。よくもまあこの先生は、150人の老人を前にこういうことを言うもんだ。とは言っても先生自身もかなりの高齢だったから、これは老人的皮肉みたいなものなんだろうか。

たしかに、たとえば私が風邪をひいて医者にかかって治療費1000円払ったとすれば、私の1000円は総治療費のほんの3割であり、残りの7割(2333円)は税金(健康保険料)から出されるのだ。もちろん私も毎月健康保険料を払っているのだから「国が負担してくれるのはトーゼン」と会計窓口の前のベンチに座ってアクビしながら女性セブンでも眺めていればいい。だけどなぜか心のどこかに引っかかるものがあり、よくよく考えてみたら、この医者はたったの5分私と話しただけで3333円稼いだという事実があるんですね。これって時給換算すると4万円だ。ずーっとパソコン(電子カルテ)にカチャカチャ書き込んでるだけで、ろくすっぽ私の顔すら見ないくせに4万だよ4万。

なんか自分のことを書いて本題からずれてしまったのを強引に戻すけれど、老人の医療費自己負担は1割だ。人工関節の手術にうちの祖母が10万円払ったとしたら、国は90万負担してくれるわけだ。あと2~3年で死ぬ人にそんなに税金使うのはもったいない、というわけなんだ。この先生がこんなところでポロッとこういう発言をするということは、日本ナントカカントカ外科学会とか医師会とか医療保険審議会みたいな場ではこういう意見がごく普通にまかり通っているということであり、将来医療費がパンクしたらこういう意見の方が圧倒的多数になって、「80歳以上は高額医療を受けられませんョ」みたいな世の中になるのかしら。

これって、老人を殴り殺した少年が「老人は先が短いから殺してもいいと思った」と言うのと大して変わらないよなーと考えていたら、なんだか何にも得るものがないまま講演会が終わってしまった。他の参加者はどう思ったんだろう。


最後につけ加えておくけど、うちの祖母は80歳で両ひざを人工関節にしてものすごく元気になった。手術前は明日死ぬんじゃないかと思うほど痛がって悲観的になって死ぬ死ぬ言ってたけれど、今はあと30年くらいかるーく生きるんじゃないかと思われる。痛みの原因をなくすことで、寿命が延びるんだったらそれは全然税金のムダづかいじゃないジャン、と主観的に思うんだけど、やっぱ行政側からみたら寿命が延びれば高齢化社会が進行してることになるから問題なのかな(笑)