21歳の夏に、思い立ってブルガリアに行きました。
あんまり日本人が行かないようなところに行きたくて、
しかも3日とか1週間の滞在じゃなくて「ひと夏」くらいゆっくりしたくて、
「あ、それじゃ、夏だけやってる語学学校みたいなところに行けばいいのか」
と気づき、
井の頭線のどこだかの駅にある「留学情報センター」に行って、
何ヶ国かの大学の連絡先を調べて、
「貴校では、外国人に語学を教えるサマースクールをやってますか?」
という手紙を送り、
いちばん早く案内が来たブルガリアのソフィア大学に行くことに決めて、
ブルガリア大使館に行って「ここに夏の間留学したいからビザ出して下さい」と頼んだら、
ブルガリア人のおねいさんが驚いて出てきて
「あなた、このパンフレットをどうやって入手したの?」と聞かれたりして。
今思うと、インターネットがなかった時代に、我ながらものすごい行動力だったと思います。
それで、無謀にもひとりでブルガリアに行きました。
(ただ、空港から電車とかバスとか乗り継いでたどり着ける自信がなかったから、空港のある首都にある大学しか無理…っていう制約が私にはあった笑)
英語ができればとりあえず何とかなるべ、とか思ってたのに、ブルガリアでは英語はあんまり通じなくて「フランス語できる?」とか聞かれて、愕然。
まぁ、そんなところで1ヶ月過ごしたわけです。
1ヶ月、ゆるーく勉強して、レストランに行って注文したりとか、青空市場でおじちゃんたちとおしゃべりしてアプリコットをカゴいっぱい買えるくらいブルガリア語ができるようになりました。
キリル文字がなんとか読めるようになって嬉しかった!
(卒論書くのにキリル文字の文献を解読することが必要だった。)
あとは、ブルガリア人が“YES”と言いながら首を横に振り、“NO”と言いながら頷くのが面白かった!
授業中に、私が教科書の練習問題を読んで答えていくと、先生が首を横に振ってるから
「え?どうして?どこがまちがってるの?!」
と一瞬混乱して、「あ、そっか。合ってるんだ。」とほっとするのを、先生も生徒も楽しんでいました。
あとはー、日本の友達が面白がってブルガリアに手紙を送ってくれて、それで「酒鬼薔薇聖斗が逮捕されたよー、中学生だったんだよー」とおしえてくれて、片言の英語とブルガリア語を駆使してこの事件をクラスメートに説明したりとかしました。
なんか、高校卒業してから28歳で結婚するまで10年間、暗黒時代だったんだけど、この1ヶ月間だけがいやに輝いています。
すごく、精神的に安定してました。
外国人だけでかたまっているのもあれだし、年齢の近い同性のお友達がいたらいいんじゃない?と、現地の大学生の女の子を紹介してもらって、彼女と会うのも楽しかったです。
エリナという名前の、たぶん私よりも1つか2つくらい年上の子で、毎日のように会って、ひたすら一緒に甘いもの買いまくって食べてました(笑)
ブルガリアでの最後の日、彼女が「美味しいもの作ってあげる」とおうちに呼んでくれて、
「ティクバ」 と 「ティクビチュカ」
という言葉を教えてくれました。
ティクバ(TIKVA)はかぼちゃ。ティクビチュカ(TIKVICHKA)は小さいかぼちゃという意味で、ズッキーニのこと。
イタリア語でかぼちゃのことをズッカ(ZUCCA)と言うんだけど、ズッキーニ(ZUCCINI)が小さいかぼちゃなんだよ。同じなんだよ。
と教えてくれて、妙に感動しました。
エリナの作ってくれたのが、ズッキーニのパンケーキ。というか、ハンバーグ。
(もうブルガリア語で何て言うのかも覚えていない…)
ずっと忘れてたんだけど、たまたま1本大きいのを母がくれて、何つくろうかな?と思ってたら、エリナを思い出しました。
おろしたズッキーニをひき肉に見立てて、卵と小麦粉と水(か牛乳)でこねて焼いたものです。
味つけとか、ほんと何も覚えてない。しょうゆもソースもないわけだから、…塩だな。
ダシ的なものを入れたのか?ほんだし入れてみるか??
みたいに独自路線を走り…
できました!
(水を入れすぎてジャブジャブになってしまって、ハンバーグ的に作れなかった!)
食べてみたけど、全くの別物。
こんなんじゃなかった!!
あまったズッキーニは、ステーキにしました。(サラダ油で焼いてしょうゆをかけただけ)
やっぱズッキーニはしょうゆがよく合います。わたし的にこれがいちばん美味しい食べ方かな。