教室の前に自転車が停まる音がする。
あぁAちゃんが来たんだな
とすぐに分かる。
レッスンの合間合間に換気のために
窓を開けているから、
やって来る雰囲気が聞こえるのだ。
…が、いつもと違うことにすぐ気づく。
何故か。
だって外から声が聞こえない。
いつもならパパとお話をする声が聞こえるけれど
今日は無言。
…?
インターフォンが鳴り、
玄関が開くけれど、
Aちゃんはドアの向こうに隠れて姿を見せない。
おやおや?
パパに促されて
渋々入ってきたけれど、
表情が不満でいっぱい。
グッと押し黙ったままのAちゃんが
「一人がいい」
とボソっと言う。
この日はパパの付き添いを断り、
一人レッスン室に入ることに。
「パパと揉めてた?」
と聞くと、
「うるさいんだよ。大人たちは!」
なるほど。
叱られていたのか。
私も大人の部類に入ると思うけれど…
と思いつつ、Aちゃんの表情は渋いままなので、
それは口にせず、
他のことを色々話して、
そのうちにいつものAちゃんに戻る。
落ち着いてきたのでホッとする。
その後何人かあとに、
Rちゃんがやって来る。
何故かRちゃんもやや不満顔。
「もううるさくてさー」
とRちゃん。
思わずさっきのAちゃんの言葉が気になり
「大人が?」
と聞くと
「そう!!」
と勢いこんで答える。
Rちゃんは、割と落ち着いていたので
念のため尋ねる、
「私も大人だと思うのですが…」
と言うと
「こういう時の大人は、
家族のことだよ!」とRちゃん。
なるほど…。
お話したりピアノを弾いたりしているうちに、
二人ともすっかり元通り。
よかったよかった。
気分転換になったかな?
おうちの人と揉めたまま、
教室に送られて来る子、
意外と多くて面白い🤣
そして。
小さな胸の中に
自分の想いや考えが
ぎゅっと詰まっていることに出会うと
ガンバレガンバレ
と応援したくなる。
…もちろん、
理不尽なことを耳にすると
大人の意見言ってしまうけれど(^◇^;)