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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

国際社会に約束した「村山談話」「河野談話」を守っていないのは安倍自身

2019年09月03日 | 平和憲法
  《日刊ゲンダイ【三枝成彰の中高年革命】》
 ◆ 「村山談話」見直し表明の首相が韓国に「約束守れ」の滑稽


 韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めたことに、日本政府が反発している。もちろん、せっかく築き上げてきた関係をご破算にするような行動は慎むべきだ。対立の範囲を拡大することはお互いの利益にならない。
 とはいえ安倍政権の対応も疑問だ。文政権を批判するだけで、解決の糸口を探っているようには見えない。日本経済は先行きが見えず、株価も下落している。そんな現状を韓国批判で覆い隠そうとしている感じだ。
 安倍さんは「日韓請求権協定に違反するなど国と国との信頼関係を損なう対応が続いている」「約束をまずは守ってもらいたい」と話している。確かに日本は明治維新で体制が変わっても、徳川幕府が諸外国と結んだ不平等条約を勝手に反故にはしなかった。国家間の約束は政権が代わっても守ってきた歴史がある。
 だが、安倍さんはどうだろう? 1995年に戦後50年の節目として出された村山談話で認めた「侵略」「おわび」を口にすることはない。それどころか、自民党総裁選では、村山談話の見直しを表明、「村山談話をそのまま継承しているわけではない」との答弁もやっている。
 慰安婦の強制性を認めた河野談話について、菅官房長官が検証の必要性を訴えたこともあった。
 歴代政権が積み上げてきた歴史認識を堅持しようという姿勢は希薄だ。むしろ、スキあらば修正しようというスタンスに見える。
 ネット上では、韓国に歩み寄る姿勢を見せない安倍さんを支持し、日韓の関係悪化を歓迎するような論調も目立つ。弱い人間は、別の弱い人間を叩くことで、「自分は強い」と思うもの。昨今の韓国批判には、そんな心理も働いているのではないか。
 重度の障害を抱えながら当選したれいわの参院議員を攻撃するのも同じ心理だろう。国会をバリアフリー化したり介助人の費用を税金で負担したりすることに「自己責任でやれ」などと反対する人たちは、社会的な弱者を血祭りに上げることで鬱憤を晴らしているように見える。
 権力には決して逆らわず、やりやすい相手を見つけては、寄ってたかって徹底的に潰すわけだ。いったい日本人は、いつからこんなふうになったのか。強きになびき弱きをくじく。その先にあるのはファッショだ。危機感を抱かずにはいられない。
 ※三枝成彰 作曲家
1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACION」など。2017年、旭日小綬章受章。
『日刊ゲンダイ』(2019/08/31)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/261108
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