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第10回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会2020大阪の報告

2020年09月19日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ コロナ危機で明らかになった教育の大分岐
   今こそ子どもと向き合う学校を!!

石井 泉(天羽高校分会)


「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会(7.24エルおおさか)

 毎年夏休みに東京と大阪交互に開催される標記全国集会が、7月24日(金)、エルおおさか南館5Fホール(10:00~16;30)で開催された。
 新型コロナウイルス感染第2波の拡大で、講演はズーム(リモート)・座席は一つおき・マイクの頻繁な消毒などに配慮しての開催だったが、全国各地から94名の参加者が集った。
 4連休やGoToトラベル開始だったが、「不要不急」「県をまたぐ」遠出の自粛傾向が強まり、新幹線やホテルは異常なほど空いていた。千葉からは渡部秀清さんと高木正さんとの3人が参加し、大阪市内の帝国ホテルに安く宿泊できたのも思い出となった。
 前日(7/23)午後の「ひのきみ全国ネット」全国会議から参加したが、同時刻にエルおおさかで行われた別の反天皇制関連の集会への右翼街宣車の大音量に出迎えられ、驚いた(翌日も街宣車数台が動員されていた)。
 各地から参集した約25名の参加者から、
   ・高校生ビラ配り不当逮捕事件(東京)
   ・不起立処分はないが氏名収集(神奈川)
   ・今春ほとんどの高校卒業式で国歌斉唱なし(千葉)
   ・「改憲・戦争阻止!教え子を戦場に送るな!広島教職員100人声明」(広島)
   ・自衛隊への生徒名簿提供問題(福岡)
   ・あいちトリエンナーレ表現の不自由展攻撃(愛知)
   ・20入学式で国歌斉唱実施は約半分(大阪)
   ・20秋文科省交渉の検討事項などの報告があった。

 翌日の全国集会は、「日の丸・君が代」強制反対大阪ネットの間苧谷さんが司会を務め、同代表の黒田伊彦さんの開会挨拶で開始した。
 午前中は、高橋哲さん(埼玉大学)の講演「新型コロナウイルス臨時休業措置をめぐる教育法的検討~『不当な支配禁止』原則の意義と学校自治・地方自治の重要性~」があった。
 高橋さんは、「安倍首相の休業要請は法的科学的根拠もなく、政治的パフォーマンス=教育の政治利用で、子どもの学びの機会喪失・教師の多忙化をもたらした」と指摘した。
 また、変形労働時間制導入の動きに対して、罰則や割増賃金支払い義務のない「ザル状態」の上限指針、「閑散期」不在や管理者の多忙化、改正給特法の導入要件等の読み替え問題について説明した。
 その上で、導入の「歯止め」として、上限指針遵守や職員団体・学校レベルでの交渉などを導入条件とすることを提案した。
 さらに、「上限を守れないから導入するというのは本末転倒で、条件が守られていないなら導入できないとすべき」「導入を誰も求めていない。多くの人が変形労働時間はナンセンスと考えている」と話し、主戦場として各地方自治体(地域の闘い)・各学校(職場の闘い)での交渉が重要だと強調した。
 昼食休憩後、恒例の大阪の増田さん福山さんの“不起立バンド”による4曲の替え歌(イマジン・サクラ等)が披露された。
 その後、大阪の寺本さんを司会に、
   東京の近藤さん(オリパラ教育と天皇奉迎児童動員)、
   大阪の井前さん(教育の国家統制とテスト主義・ICTシステム化)、
   神奈川の外山さん(子どもと教員の個人情報管理)、
   大阪の山口さん(国連人権委員会への提起とセアート勧告)、
   東京の渡部さん(今春の卒・入学式と、ビラまき高校生の不当逮捕)による報告
 と、パネル討論が行われた。

 神奈川からは、2006年から不起立者の氏名収集(処分なし)が続き、今春も1名いたことが報告された。
 さらに、全国から計13人が登壇し、各地の闘いを報告した。
 前半は、
 ①福岡の木田さんは福岡市長の自衛隊への若者の名簿提供表明に対する反対運動について、
 ②広島の倉澤さんは8・6記念式典をめぐる松井市長の入場規制や拡声器規制条例画策の動きについて、
 ③愛知の小野さんはひのきみ全国ネットの闘いについて、
 ④千葉から私がこの間の臨時休校時こそ職場の組合の力量が問われ様々な卒業式になった経過にっいて、
 ⑤東京の青木さんは東京における裁判闘争状況について、
 ⑥根津さんは今年3/25東京高裁で不起立停職処分取消の逆転勝訴の控訴審判決を勝ち取った闘いについて、
 それぞれが熱い思いを訴えた。

 後半は大阪から、
 ⑦平井さんが日本軍「慰安婦」授業への不当な攻撃や不起立処分撤回の裁判闘争を闘い続けるグループZAZAの連続講座について、
 ⑧ONさんは養護教諭だった立場から自由や主体性を否定する学校教育にっいて、
 ⑨志水さんはチャレンジテストの問題点と反対運動について、
 ⑩伊賀さんは維新系首長による育鵬社や日本教科書・教育出版の教科書採択攻撃を許さない闘いについて、
 ⑪梅原さんは「今後起立しますか?」(意向確認)の違法性を争う再任用拒否国賠訴訟について、
 ⑫増田さんは高校の休校及び再開時のオンライン授業準備や消毒作業による教員の超多忙化やその状況下の府教委「(入学式も)国歌斉唱せよ」通知の突出さについて、
 ⑬松田さんは啓染防止の在宅勤務が欠勤扱いとなり人事評価も最低とされ撤回を求める欠勤減給裁判について、などを問題提起した。
 討論の後の最後のまとめで大阪ネット事務局長の山田光一さんが挨拶し、新型コロナウイルス感染拡大状況下の集会開催には多くの困難が存在したが、それを乗り越えて全国の仲間と交流し励まし合うことができたことを喜び、集会の成功を参加者一同で確認した。
 集会後のデモ(17:00~梅田まで)には参加できなかったが、帰りの新幹線では多くのことを学び充実した2日間を過ごせた満足感で一杯だった。来年は東京開催である。あなたも一緒に参加しませんか?
『ひのきみ通信 第224号』(2020年8月29日発行)
発行:「日の丸・君が代」対策委員会
連絡先:千葉市中央区中央4-13-10
千葉県高等学校教職員組合内

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