《interschool journal》
◆ 抗議殺到 神奈川県立高での菅前首相講演会中止に
菅義偉前首相(首相官邸HP)
神奈川県立瀬谷西高校が高3を対象に6月13日に開催を予定していた菅義偉前首相の政治参加講演会について、同校と神奈川県教育委員会は、6月8日、中止を決めた。県教委によると、6月8日午前、急遽スケジュールの都合がつかなくなったと県教委に連絡があったという。
講演会をめぐっては、市民団体などから「政治的中立性を侵すもの」として中止や延期を求める抗議が同校や県教委に約130件以上殺到していた。
◆ 発端は県議からの提案
講演会は、再編統合に向け同校で2年間にわたって展開されている「シチズンシップ教育」の一環として、田村雄介県議(横浜瀬谷区の会)=瀬谷区選出=の提案を受け、同校が企画した。
同校の井上正美副校長は「2年間にわたる生徒のこれまでの活動・取り組みについて(菅氏から)お話をいただくということで企画した」と話し、「政治的中立性については問題ない」と強調した。
県教委も「選挙と(時期が)かぶってはいるが、菅前総理もご配慮いただけるということを思っているので、政治的中立性は担保できる」(高校教育課・松澤直子指導主事)と強調。講演後に政治的中立性の大事さを「責任をもって教員がきちんと指導する」(同)と主張した。
◆ 講演会提案の県議「非常に残念」
講演会を提案した田村雄介県議は「子どもたちから菅先生に海軍道路の名前をフラワーロードにしたいと質問させることで、子どもたちの夢が叶えばいいなと思った。」と話す。
田村県議は「子どもたちのことを思ってやってるから、僕からしたら参議院選挙なんてどうでもいい」と述べ、あくまで生徒たちの活動の支援が目的だと強調した。
そのうえで田村県議は「(講演の中止は)非常に残念。本当にくだらない神奈川新聞が(記事を)書いたせいで子どもたちの夢が壊された。市民団体が校門前でビラを配り、生徒たちの写真を撮影している。僕としてはかなり遺憾だ。」と神奈川新聞と学校に抗議した市民団体を非難した。
◆ 参院選直前の与党議員の単独講演 疑念招く
18歳選挙権が実現し、高校生の一部も有権者となっている中、参院選直前に与党議員を学校に招いて講演会をするというのは「自民党の参院選に向けた宣伝」との疑念を抱かざるを得ない。
県教委は講演会後の教員からの指導の中で政治的中立性の大事さを指導するとのことだが、知名度抜群の前首相本人が来て話したことと、教員の事後指導では生徒に与える影響度が違いすぎる。
参院選の投票行動への影響も否めない。
主権者教育の一環で政治家を招く学校行事をすることまでは否定しないが、最低限他党の議員も呼び、与野党双方の視点から政治に触れられるように配慮すべきではなかったか。
『interschool journal』(2022年06月09日)
http://interschooljournal.officeblog.jp/29412379archives/20220608html
◆ 抗議殺到 神奈川県立高での菅前首相講演会中止に
平松けんじ
菅義偉前首相(首相官邸HP)
神奈川県立瀬谷西高校が高3を対象に6月13日に開催を予定していた菅義偉前首相の政治参加講演会について、同校と神奈川県教育委員会は、6月8日、中止を決めた。県教委によると、6月8日午前、急遽スケジュールの都合がつかなくなったと県教委に連絡があったという。
講演会をめぐっては、市民団体などから「政治的中立性を侵すもの」として中止や延期を求める抗議が同校や県教委に約130件以上殺到していた。
◆ 発端は県議からの提案
講演会は、再編統合に向け同校で2年間にわたって展開されている「シチズンシップ教育」の一環として、田村雄介県議(横浜瀬谷区の会)=瀬谷区選出=の提案を受け、同校が企画した。
同校の井上正美副校長は「2年間にわたる生徒のこれまでの活動・取り組みについて(菅氏から)お話をいただくということで企画した」と話し、「政治的中立性については問題ない」と強調した。
県教委も「選挙と(時期が)かぶってはいるが、菅前総理もご配慮いただけるということを思っているので、政治的中立性は担保できる」(高校教育課・松澤直子指導主事)と強調。講演後に政治的中立性の大事さを「責任をもって教員がきちんと指導する」(同)と主張した。
◆ 講演会提案の県議「非常に残念」
講演会を提案した田村雄介県議は「子どもたちから菅先生に海軍道路の名前をフラワーロードにしたいと質問させることで、子どもたちの夢が叶えばいいなと思った。」と話す。
田村県議は「子どもたちのことを思ってやってるから、僕からしたら参議院選挙なんてどうでもいい」と述べ、あくまで生徒たちの活動の支援が目的だと強調した。
そのうえで田村県議は「(講演の中止は)非常に残念。本当にくだらない神奈川新聞が(記事を)書いたせいで子どもたちの夢が壊された。市民団体が校門前でビラを配り、生徒たちの写真を撮影している。僕としてはかなり遺憾だ。」と神奈川新聞と学校に抗議した市民団体を非難した。
◆ 参院選直前の与党議員の単独講演 疑念招く
18歳選挙権が実現し、高校生の一部も有権者となっている中、参院選直前に与党議員を学校に招いて講演会をするというのは「自民党の参院選に向けた宣伝」との疑念を抱かざるを得ない。
県教委は講演会後の教員からの指導の中で政治的中立性の大事さを指導するとのことだが、知名度抜群の前首相本人が来て話したことと、教員の事後指導では生徒に与える影響度が違いすぎる。
参院選の投票行動への影響も否めない。
主権者教育の一環で政治家を招く学校行事をすることまでは否定しないが、最低限他党の議員も呼び、与野党双方の視点から政治に触れられるように配慮すべきではなかったか。
『interschool journal』(2022年06月09日)
http://interschooljournal.officeblog.jp/29412379archives/20220608html
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