不起立者の思い（２／３）

　◎ 累積加重処分を復活させた東京都教育委員会

都立Ｉ特別支援学校　Ｂ

　２０１３年３月のＩ特別支援学校での卒業式における私の「君が代」斉唱時の不起立に対し、東京都教育委員会は、「減給十分の一、１ヶ月」の懲戒処分を、４月の入学式での不起立に対しても、再び「減給十分の一、１ヶ月」の懲戒処分を発令した。
　昨年１月１６日の最高裁判決は、「過去の処分歴に係る非違行為がその内容頻度等において規律秩序を害する程度の相応に大きいものであるなど過去の処分歴等が停職処分による不利益の内容との権衡を勘案してもなお規律秩序の保持等の必要性の高さを十分に基礎付けるものであることを要するというべきである。」という理由で、根津公子さんに対する停職処分を是認した。
　今年３月の処分発令時に、都教委は朝日新聞に対して、「最高裁判決を踏まえて判断した。戒告では秩序の維持が困難」と説明したそうだから、今回、昨年１月１６日の判例にならって、私の不起立が「処分による不利益の内容との権衡を勘案してもなお規律秩序の保持等の必要性の高さを十分に基礎付ける」と判断したということだろう。
　判決から１年３ヶ月足らずの後に、都教委が再び累積処分として減給処分を出さざるを得なかった状況からは、彼らの強硬な姿勢とともに、焦りのようなものを感じた。
　彼らを焦らせたのは、３月の卒業式での不起立被処分者が６名となり、予想以上に多かったという事態だと思う。不当処分撤回にむけて、共に闘おう。
『被処分者の会通信 第87号』（2013/5/21）