パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

下北半島の朝鮮人強制連行の歴史も抹殺されるのか

2022年06月22日 | 平和憲法
 ◆ 強制連行の記録 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 本州最北端。北海道と向かいあう下北半島を久しぶりにまわった。
 原発ばかりか、再処理工場、ウラン濃縮工場、MOX燃料加工工場、使用済み核燃料の中間貯蔵所まで備えた「原子力開発のメッカ」。
 わたしは「下北核半島」と呼んでいるのだが、そのすべてがストップしたままコトリとも音をたてず、このまま解体に向かうかどうか。
 「むつ市」の旧名大湊は日本海軍の要港として知られ、いち早く挫折した原子力船「むつ」の母港でもあった。
 そこから一挙に西へ向かう半島の先端に、大間原発があるが、これも建屋があっても原子炉が収納されることなく、頓挫したまま。
 その途中まで延びているのが、戦時中に建設された鉄道の残骸である。

 山に沿って、コンクリートの土台が雑草の茂みのあいだにみえる。
 津軽海峡防衛のため、兵員と軍需物資運搬用の工事だったが、敗色濃厚どなって中断され、線路を敷設するまでに至らなかった。
 こんど行ってみると観光用に駅舎が建てられ、数十層だけ線路も張られてあった。
 まるで北海道の炭鉱地帯、高倉健の「幸福の黄色いハンカチ」のような明るさなのだ。
 そのどこにも、強制連行されてきた大勢の朝鮮人が使役され、敗戦後の帰国途上、乗船していた浮島丸が舞鶴湾で沈没、故郷に帰れなかった記述はない。
 長崎の軍艦島、佐渡金山とおなじ歴史の抹殺

『東京新聞』(2022年6月21日【本音のコラム】)


コメント    この記事についてブログを書く
« 日本赤軍元最高幹部の重信房... | トップ | 2020オリンピック災害おこと... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

平和憲法」カテゴリの最新記事