パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

◆ 明けない夜はない(208)

2023年07月25日 | 「日の丸・君が代」強制反対

 ◆ <たとえ少なくとも全国学習交流集会と銀座デモ>

<転送歓迎>(重複ご容赦)・「新芽ML」・「ひのきみ全国ネット」・「戦争をさせない杉並1000人委員会」・「杉並コモンズ」の渡部です。

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 7月23日(日)東京で、<第13回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会>が開かれ86人(内13名はオンライン)が参加しました。

 午前中、児美川孝一郎・法政大学教授が、『公教育の転覆をはかる教育DX ~市場化、デジタル監視、新たな戦前~』という講演を行ってくれました。

 この講演はテーマに述べられていることが極めて具体的かつ詳細に展開されたものでした。

 現在進行中の教育DX(デジタル技術を用いて教育を根本的に変革すること)について、概略次のように述べられました。

 それは「新自由主義」と「国家主義」が結びつきながら、先ず、これまで「文科省」が担ってきた教育分野に「経産省」が<Society5.0に向けた改変>として乗り出し、「GIGAスクール」構想(全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組み)が出てきた(2019年)。
 そこでは「個別最適化」教育や「STEAM」(Science,Technology,Engineerring,Art,Mathematics)教育が登場するようになってきた。

 その後、「内閣」が乗り出し「Society5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」(案)を発表(2022年4月)、
 「デジタル庁」も関わり子どもの情報を集約・利活用の推進へ(2021年度「未来の教室」事業)、
 さらに「子ども家庭庁」が「子どもの視点に立った司令塔機能の発揮」などとも述べるようになった。

 つまり教育はもはや文科省の枠を越え、否むしろ転覆をはかり、明らかに国家主義的な人材育成の場へと大転換しつつあるのである。
 この大転換は防衛三文書による防衛政策の大転換とも結びつく。
 そうして、この過程全体を通して、いたるところで民営化が進行していることも明らかにされた。

 結局は、テーマの『公教育の転覆をはかる教育DX ~市場化、デジタル監視、新たな戦前~』ということになるのだと思いました。

 こうした流れに対し、私たちの「対抗軸」として、児美川教授は以下のような項目を上げてくれました。

 <学校は何をするところか>として

・共同での豊かな学び

・集団の中での人間的諸能力の獲得

・市民と主権者の育成

・働く場の主人公の育成

<そのための実践>として

・自分たちが実現したい学びのために、必要であればICT(情報通信技術の略)を使う(使わない)

・AIドリル、STEAM教育では代替できない豊かな学びを創造する。

・今こそ特別活動の意義と価値を

・教育のサービス消費意識を変える(参加と共同の学校づくり)

 これは参考になると思います。

 午后、ジョニーHの替え歌アトラクション(力がこもっていました)の後、以下の19人の方々の発言がありました。

<音楽教諭採用での裁判闘争>
<世田谷子どもいのちネットワーク活動報告>
<東京、「君が代」裁判五次訴訟>
<東京、再任用打ち切り裁判>
<大阪、「君が代」裁判闘争・3名>
<大阪と全国の学力テスト体制についての批判と闘い>
<特別報告 国際人権に関して・4名>
<千葉の学校現場から>
<千葉、学習サポーター不採用裁判>
<神奈、個人情報保護と学校教育について>
<愛知から>
<東京、英語スピーキングテスト>
<東京、板橋の小中学校にも浸透している自衛隊>
<教科書採択音声データ公開請求裁判>

 その後、集会は「集会決議案」(添付)を採択、
 (表)「日の丸・君が代」強制反対、(裏)「軍拡反対」のプラカードを掲げ整然と銀座デモを行いました。
 44人という小集団でしたが、単なるシュプレヒコールの連呼ではなく、私たちは何のためにデモをしているのかをわかりやすく繰り返し訴えました。
 数寄屋橋の交差点などでは、それなりに聞いている方々がおられたように思いました。

最後に一言、

「良将は弱をもって強を制す。・・
 怯将は強をもって弱を畏(おそ)れる。
 これにおいて、強弱は名を失す・・・
 人は有意をもってこれを運し、天は無意をもってこれを運す」

 (三浦梅園『玄語』より)

みなさん、ともに屈することなく闘いましょう。

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「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
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千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
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第13回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会決議
「新たな戦前」への動きを学校現場から止めよう!

 安倍政権での2015年戦争法「成立」を突破口に岸田政権は昨年12月には安保関連3文書及び敵基地攻撃能力の保有を閣議決定のみで「成立」させました。これに応じて、5年間で43兆円もの軍事費を投入し、憲法9条「戦争放棄」を実質反故にする政治を行なっています。今、まさに「新たな戦前」です。
 戦争は軍備だけでは成立しません。成立させるためには、若い人たちに「お国のために」役立ちたいと思わせることが必要となります。そのために歴代自民党政権は、「日の丸・君が代・愛国心」の刷り込みを学校教育で行なってきました。ここに来て、「日の丸・君が代」の完全実施が、「お国のために」戦場に赴きたい「人材」を育成するためであったことが、明白になってきました。東京の2003年10・23通達による、大阪の2012年「君が代」条例による「君が代」不起立処分、もっとさかのぼれば、1985年からの北九州市の「君が代」不起立処分は、その前哨戦でした。
学校教育が、教育の主権者である子どもたちに、人格形成の場ではなく、戦場に赴きたい「人材」育成の場となっていることを、私たちは外に向かって訴えていきましょう。「あなたはお子さんを戦死させてもいいのですか。ともに声をあげましょう」と。

 コロナ禍の2021年、オンライン授業を強要する大阪市の教育行政について、松井市長に宛てた久保敬校長(ともに当時)の「提言」は、子どもたちに「生まれてきてよかった」と思わせ、教員たちには働く喜びをかみしめることのできる学校の在り方を示します。「(競争で)『生き抜く』世の中ではなく、『生き合う』世の中」を学校教育の場で実現しようというもので、上からの指示命令にしたがわせる教育に加担してはならないと考え行動してきた私たちの教育観と相通じます。教員が国家のエージェント・訓導になってはならないことを日々の仕事の中で確認していきたいものです。

 一人一台の端末を支給して(高校では購入させて)GIGAスクール構想の下、文科省はICT教育を推進しています。文科省が謳う「個別最適化され、創造性を育むICT教育」とは、個々別々の課題を学習させる差別選別教育であり、教材の外注化・市場化です。と同時に、政権に都合の悪い自主教材を教員に使わせないことにもなります。教員の働きを監視するものでもあり、安易にこれに乗ってはなりません。
 「教育DX(デジタル・トランスフォーメーション)」は、今後ますます学校教育を支配していくことになります。児美川さんの講演を契機に、考え合っていきましょう。
 
 今日、ここに集まった私たちは、「子どもたちを再び戦場に送らない」ために現職教員や保護者・市民にはたらきかけ、ともに行動していきましょう。
 以上、決議します。

2023年7月23日  参加者一同

 

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