=「JAL青空チャンネル」第一号=
◆ 「悲しくて情けなくて泣いて帰った」宝地戸さん証言 (レイバーネット日本)
*第一号放送終了後の記念撮影
→ 放送サイト(ゼロ号・一号)
JAL被解雇者労働組合(JHU)がつくった「JAL青空チャンネル」が、4月4日正式にスタートした。
2010年12月31日に強行された「JAL整理解雇」では、165人(乗員81人、客室乗務員85人)が解雇されたが、11年目に入っても解決していない。世間も忘れているかのようだ。そこで、組合はYouTubeを使って、真実を広く訴えようと始めたのが、このチャンネルである。
第一回放送では、山口宏弥委員長が「JAL経営破綻の本当の理由」を語り、客室乗務員の宝地戸(ほうちど)百合子さん(写真下)が当時の実態を証言した。ゲストは福島みずほ参院議員だった。
ママさんCA(キャビンクルー)の先駆けだった宝地戸さんは、きのうのことのように話し始めた。
「JALは子どもを持つ人に本当に冷たかった。育児休業あけに入れられたフライトが、なんとヨーロッパ10日間の便だった。1歳の子どもを置いてどうしようかと本当に悩んだ。子持ちそして女性ということで昇格・賃金を差別された。同期でも昇格は一番遅かった。整理解雇では年齢差別・組合差別があった。それでも一生懸命やってきた」。
2010年9月が宝地戸さんのラストフライトになってしまった。
「ロンドン便でビジネスクラスを担当したが6人のうち3人が新人だったので、私が一人で仕事を回した。ロンドン便は夜中に飛ぶ。体も頭も疲れて成田に着いたときは、ドロドロの状態だった。そのあと管理職に呼ばれた。管理職は、“あなたは希望退職に応じていない。後輩に道を譲ったらどうか。もう貢献度はないからやめてくれ”と言われた。ショックだった。ロンドン便は私がいなかったらビジネス対応はできなかった。それでも貢献度はないのか。悲しくて情けなくて、帰りのリムジンバスの中で、泣いて帰ったのを覚えている」。
宝地戸さんが、10年を超えてもたたかい続ける原点がそこにあった。
放送の目玉のひとつが、山口宏弥さんによる「JAL経営破綻・整理解雇」の解説シリーズだった。
整理解雇の根拠とされたのが「JALの経営破綻」だが、山口さんは、放漫経営による杜撰な支出と腐敗した経営幹部の実態を暴露した。
番組で、初めて明らかにされた会社のマル秘文書(1987年2月付監査役報告書)は、10年後に「破綻の危機」に陥ることを警告していたのだ。
経営内部では「破綻の危機」を認識していたはずであった。
しかし、経営は根本問題にメスを入れることはなかった。
そして、労働者サイドに犠牲を押しつけたのが「JAL整理解雇」だった。
福島みずほ議員(写真上)は多忙の合間を縫って、第一回ゲストとして「特設スタジオ」にやってきた。
開口一番「ステキなところですね」と福島さん。
長年、JAL問題に取り組んできた福島議員は、「国鉄闘争も政治解決してきた経験がある。JAL問題も政府・国交省が関与している、政治解決は可能だ。がんばろう」とエールを送った。
◆ チャンネル停止問題発生「誤解を招くコンテンツ」!?
東京・麹町の組合事務所に「特設スタジオ」をつくって始めた「JAL青空チャンネル」。順調なスタートにみえたが、たった一日で暗雲が立ちこめた。
4日放送の翌日5日になって、突然、YouTubeの措置で「チャンネル停止」になり削除されてしまったのだ。
その理由として停止ページに掲示してあったのが、「スパム、詐欺、誤解を招くコンテンツに関する YouTube ポリシーやその他の利用規約に対する度重なる違反または重大な違反のため、このアカウントを停止しました」の一文だった。
いったい何が問題なのだろうか。「スパム」でも「詐欺」でもないとすると「誤解を招くコンテンツ」ということか?
YouTubeに詳しい人によると、「普通は1発で停止になることはない、ただ苦情が複数届くとそういうことがある」という。とすると、4日の放送直後に、YouTubeに多数の苦情が寄せられたのだろうか。
JAL被解雇者労働組合(JHU)のTVチームは、ただちにYouTubeに問合せて調査を始めた。
いっぽう急きょ、別アカウントを立ち上げ6日に、ゼロ号(3/24)と一号(4/4)の2回分をアップロードした。その後、2日間経つがまだ見られる状態である。JHUスタッフは「削除されないうちに広げよう」と逆に意欲を燃やしている。
こうして荒波の中で始まった「JAL青空チャンネル」は、今後、月2回のペースで放送される。次回は4月19日午後4時ー5時で、ゲストはジャーナリストの東海林智さん。
「見て争議応援」の輪を拡げたいものだ。(M)
★ 視聴サイト : JAL被解雇者労働組合(JHU)「特設サイト」 ↓
https://jhu-wing.main.jp/jhu-tv/jhu-tv.html
今後の予定。第二号(4/19)16時ー17時 ゲスト=東海林智さん
『レイバーネット日本』(2022-04-08)
http://www.labornetjp.org/news/2022/0404hokoku
◆ 「悲しくて情けなくて泣いて帰った」宝地戸さん証言 (レイバーネット日本)
*第一号放送終了後の記念撮影
→ 放送サイト(ゼロ号・一号)
JAL被解雇者労働組合(JHU)がつくった「JAL青空チャンネル」が、4月4日正式にスタートした。
2010年12月31日に強行された「JAL整理解雇」では、165人(乗員81人、客室乗務員85人)が解雇されたが、11年目に入っても解決していない。世間も忘れているかのようだ。そこで、組合はYouTubeを使って、真実を広く訴えようと始めたのが、このチャンネルである。
第一回放送では、山口宏弥委員長が「JAL経営破綻の本当の理由」を語り、客室乗務員の宝地戸(ほうちど)百合子さん(写真下)が当時の実態を証言した。ゲストは福島みずほ参院議員だった。
ママさんCA(キャビンクルー)の先駆けだった宝地戸さんは、きのうのことのように話し始めた。
「JALは子どもを持つ人に本当に冷たかった。育児休業あけに入れられたフライトが、なんとヨーロッパ10日間の便だった。1歳の子どもを置いてどうしようかと本当に悩んだ。子持ちそして女性ということで昇格・賃金を差別された。同期でも昇格は一番遅かった。整理解雇では年齢差別・組合差別があった。それでも一生懸命やってきた」。
2010年9月が宝地戸さんのラストフライトになってしまった。
「ロンドン便でビジネスクラスを担当したが6人のうち3人が新人だったので、私が一人で仕事を回した。ロンドン便は夜中に飛ぶ。体も頭も疲れて成田に着いたときは、ドロドロの状態だった。そのあと管理職に呼ばれた。管理職は、“あなたは希望退職に応じていない。後輩に道を譲ったらどうか。もう貢献度はないからやめてくれ”と言われた。ショックだった。ロンドン便は私がいなかったらビジネス対応はできなかった。それでも貢献度はないのか。悲しくて情けなくて、帰りのリムジンバスの中で、泣いて帰ったのを覚えている」。
宝地戸さんが、10年を超えてもたたかい続ける原点がそこにあった。
放送の目玉のひとつが、山口宏弥さんによる「JAL経営破綻・整理解雇」の解説シリーズだった。
整理解雇の根拠とされたのが「JALの経営破綻」だが、山口さんは、放漫経営による杜撰な支出と腐敗した経営幹部の実態を暴露した。
番組で、初めて明らかにされた会社のマル秘文書(1987年2月付監査役報告書)は、10年後に「破綻の危機」に陥ることを警告していたのだ。
経営内部では「破綻の危機」を認識していたはずであった。
しかし、経営は根本問題にメスを入れることはなかった。
そして、労働者サイドに犠牲を押しつけたのが「JAL整理解雇」だった。
福島みずほ議員(写真上)は多忙の合間を縫って、第一回ゲストとして「特設スタジオ」にやってきた。
開口一番「ステキなところですね」と福島さん。
長年、JAL問題に取り組んできた福島議員は、「国鉄闘争も政治解決してきた経験がある。JAL問題も政府・国交省が関与している、政治解決は可能だ。がんばろう」とエールを送った。
◆ チャンネル停止問題発生「誤解を招くコンテンツ」!?
東京・麹町の組合事務所に「特設スタジオ」をつくって始めた「JAL青空チャンネル」。順調なスタートにみえたが、たった一日で暗雲が立ちこめた。
4日放送の翌日5日になって、突然、YouTubeの措置で「チャンネル停止」になり削除されてしまったのだ。
その理由として停止ページに掲示してあったのが、「スパム、詐欺、誤解を招くコンテンツに関する YouTube ポリシーやその他の利用規約に対する度重なる違反または重大な違反のため、このアカウントを停止しました」の一文だった。
いったい何が問題なのだろうか。「スパム」でも「詐欺」でもないとすると「誤解を招くコンテンツ」ということか?
YouTubeに詳しい人によると、「普通は1発で停止になることはない、ただ苦情が複数届くとそういうことがある」という。とすると、4日の放送直後に、YouTubeに多数の苦情が寄せられたのだろうか。
JAL被解雇者労働組合(JHU)のTVチームは、ただちにYouTubeに問合せて調査を始めた。
いっぽう急きょ、別アカウントを立ち上げ6日に、ゼロ号(3/24)と一号(4/4)の2回分をアップロードした。その後、2日間経つがまだ見られる状態である。JHUスタッフは「削除されないうちに広げよう」と逆に意欲を燃やしている。
こうして荒波の中で始まった「JAL青空チャンネル」は、今後、月2回のペースで放送される。次回は4月19日午後4時ー5時で、ゲストはジャーナリストの東海林智さん。
「見て争議応援」の輪を拡げたいものだ。(M)
★ 視聴サイト : JAL被解雇者労働組合(JHU)「特設サイト」 ↓
https://jhu-wing.main.jp/jhu-tv/jhu-tv.html
今後の予定。第二号(4/19)16時ー17時 ゲスト=東海林智さん
『レイバーネット日本』(2022-04-08)
http://www.labornetjp.org/news/2022/0404hokoku
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