たんぽぽ舎です。【TMM:No5075】(2024年8月31日)「メディア改革」連載第159回
☆ 新党首交代で統一協会・裏金組織犯罪は消えない
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)
◎メディアはまたしても自民党の延命のための表紙替えに全面協力している。しかし、今回は事情がまったく違う。統一協会=国際勝共連合との半世紀に及ぶ癒着と20数年前からの裏金疑獄が未解明だ。
自民党は自分たちが決めた党の綱領、運動方針に反して反社会的な不安産業の統一協会と政治活動・選挙運動を続け、派閥パーティー券裏金の組織犯罪を繰り返してきた。党総裁を変えることで、犯罪が消えるわけではない。
また、次期総裁が次の首相ではない。第一党だから、次期衆院選まで首相を務めるが、「ポスト岸田」政権は、選挙管理内閣に過ぎない。報道各社の世論調査では、「自民党以外の政党による政権」を望むという回答が、「自民党中心の政権」を数ポイント上回っている。
「野党もだらしない」というメディアの宣伝の中で、政権交代を望む声が増えているのだ。
◎8月28日朝のフジテレビ「イット」では、「次の総理選ぶ自民総裁選」というタイトルで、候補者の動きを詳しく伝えた。特に、小泉進次郎元環境相の動きを詳しく報じている。FNN世論調査で、次期総裁(首相)の人気ナンバーワンだと強調している。
小泉氏が地元の神社の祭りで、市民から写真を頼まれる映像を流し、「若いリーダーが日本を変えてくれる」「新しい風を」などという街頭インタビューを流した。露骨に、若手の小泉氏が総裁・首相になることを望んで取材報道している。
小泉氏は、統一協会・裏金でも、岸田首相を批判していない。他の総裁選候補者も同じだが、岸田氏が退陣表明した後、裏金疑獄に関してあれこれ言及しているが、なぜ、いままで黙っていたのか。
☆ 世襲4代目「進次郎氏」を推挙するマスゴミ
◎22日の日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査で、次の自民党総裁にふさわしい人は小泉氏が23%で首位、2位は石破氏18%で、7月の世論調査から1位と2位が入れ替わった。衆院選の投票先の政党は、自民39%、立憲11%、維新10%だった。
各社の世論調査で、「統一協会・裏金事件の自民党は党として存続していいと思うか」を聞くべきだと思う。普通の団体がこれだけの組織犯罪を続けながら、「検察の捜査」以外の調査をやらないなど考えられない。裏金議員のほとんどが記者会見も開かず、国会の政倫審にも出ないで、議員を続けている。
◎報道界が熱望する小泉氏は、世襲4代目の衆院議員で、「自民党をぶっ壊す」という触れ込みで首相に就任した純一郎氏の次男で、兄が俳優。世襲政治を批判してきた菅氏が小泉氏を推している。
何の実績もない政治家が行政のトップに立って何ができるというのか。小泉氏が総裁・暫定首相になれば、いよいよ日本の完全崩壊だと思う。自民党はますます空洞化し、腐敗していくだろう。
☆ 「自民は党として解散すべきと思うか」の調査を
◎メディアが若手としてもう一人持ち上げているのが立候補一番乗りの小林鷹之氏だ。日刊ゲンダイは22日、小林氏の父親の泰芳氏は大倉商事(1998年に倒産)の幹部でジャカルタに駐在、グループ会社「カナダ大倉」の社長などを歴任したと報じた。
同社の倒産後も、2000年に老舗建材メーカー「ノダ」に再就職し、いきなり貿易事業部長を任され、02年には取締役に出世。08年には常任監査役に就いた。決して「普通のサラリーマン」ではない。小林氏は、小学校は千葉県浦安市の公立だが、中高は開成で、一浪して東京大学法学部に入学している。
千葉県の熊谷俊人知事は22日の定例記者会見で、小林氏について「幅広い分野の的確な政策の知識を持つ。人間性や人格を含め、会ってきた国会議員の中でトップレベルだ」と持ち上げた。小林氏と政策面で日ごろから意見交換しているとした上で「(政策を)どう実現するかの体的な道筋を、総裁選を通じて示すことを期待する」とも述べた。
私は千葉県民だが、熊谷知事をリコールしたい。党員でもない自治体首長が自民党内部の争いに言及することが間違っている。知事を辞め、小林氏の秘書になってほしい。
小林氏は同日配信のラジオNIKKEIのポッドキャスト番組で、新増設の検討を含め、原発の活用を推進すべきだとの考えを示した。
◎東電福島原発事件で出た原子力緊急事態宣言は今も発令中で、8月22日に始まる予定だったデブリの試験採取も延期された状況で、「原発新増2区」の有権者は、裏金議員に推され、夫婦別姓・同性婚に反対する小林氏の衆院選での落選運動を始めるべきだ。
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