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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

自称愛国者の厚顔無恥、私利私欲、不道徳のお手本

2017年02月21日 | 平和憲法
 ◆ 愛国心という隠れみの (東京新聞【本音のコラム】)
山口二郎(法政大教授)

 十八世紀イギリスの文学者、サミュエル・ジョンソンは「愛国主義は無頼漢の最後の避難所である」という金言を残している。
 当代の日本にもそのまま当てはまると痛感させられる。

 新しい学習指導要領が公表され、国家意識の涵養はさらに強められている。
 厚生労働省は保育園でも子供たちに君が代を歌わせうと言い出した。「保育園落ちた、日本死ね」という悲痛な叫びへの答えは、愛国心の注入ということだろう。
 しかし、子供たちに愛国を説く権力者やその周辺の人々は、法を無視してまで私利私欲を追求している。
 文部科学官僚の大学への天下りは広範囲であり、OBへのポストあっせんには組織的関与が存在している。
 安倍首相の夫人が名誉校長を務め、忠君愛国教育で有名な大阪の私立小学校に対して、国有地が随意契約によって類似事例の十分の一の価格で売却されたことが明らかになった。
 今や、愛国心は要路の人間が私利私欲を追求する際の、あるいは気に入らない他者を排斥するための隠れみのとなった。
 自称愛国者は、残すべき伝統を恣意的に選別する。
 李下に冠を正さずという美徳は、愛国者の辞書から消去されている

 日本の社会に愛着を持っている人々は、節義を知らない自称愛国者の厚顔無恥に憤っているはずである。
 声高な愛国心はすべて偽物と知るべし。

『東京新聞』(2017年2月19日【本音のコラム】)

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