０７年人事委員会審理「意見陳述」

　★０７年君が代処分人事委第２回審理★　４つのグループで１０人の校長尋問
　◇１１月１７日（火）卒１９グループ　北養護（中原）、村山養護（松山）、南大沢養護（木田）、
　　　　時間・場所（急遽変更）　１３時１５分傍聴券配布　１３時４５分開始
　◇１１月２７日（金）卒１６グループ　三鷹（土肥）、農業（佐野）、
　◇１１月３０日（月）卒１８グループ　江北（村岡）、江戸川（松井）、
　◇１２月　２日（水）卒１７グループ　豊多摩（間瀬）、農芸（千谷）、羽村（和田）、
　　時間・場所（共通）　１３時３０分傍聴券配布　都庁第１庁舎北棟３８Ｆ
　　　　　　　　　　　　　　１４時開始　人事委審理室・都庁第１庁舎北棟３９Ｆ
　◎ ０７年人事委員会第１回審理　「意見陳述」から

　私の手許に、２冊の「意見陳述・全文」がある。７月６日～２４日に４回にわたって行われた人事委員会審理のうち傍聴できた２回（卒１７・卒１８グループ）計１８人の意見陳述である。０７卒業式は「９・２１難波判決」の直後に行われた。裁判所に提出される「準備書面」などとはちょっと違う、荒削りだけれど飾らない請求人の思いや現場の実態などが生々しく述べられている。ほんの一部だけ紹介させていただく。

○「理由もわからずに押しつけられたものをおとなしく受け取って、理由もわからずに生きていくのが、我々生き物の定めだ」は、中島敦が名作「山月記」の中で、自分が虎となったことに気づいた主人公李徴に言わせた言葉です。
　人生の不条理を前に主人公李徴は「すぐに死を思」います。職務命令による「日の丸・君が代」強制には、私も、教師としての「死」を思わされました。（Ｔさん国語）
○６月、校長による授業観察がありました。感想をお尋ねすると、手帳を見ながら、「あなたの授業は生徒に考えさせすぎる。もっとテンポよくやりなさい」と応えました。
　「現代文の授業だということはわかっていますよね」と念を押すと、黙ってしまいそれ以上はロを閉ざされました。（略）生徒に考えさせるための発問としては工夫が足りない、という指摘なら甘んじて受けます。生徒に考えさせることを否定するような授業評価は受け付けられません。国語科の目的は生徒の考える力を引き出すことです。それを否定するなら評価者としての能力が疑われます。（同上）
○まず卒業式当日の現実からして、３３条違反（信用失墜行為）とされることは承服しかねます。私はこの卒業式において、信用失墜どころか、卒業生は勿論、在校生、又出席された来賓・多くの保護者から「本当にいい式だった、感動しました。」と感謝の言葉をいただきました。（そのことは直後に発行されたＰＴＡ新聞にも紹介されました。）（略）
　ＰＴＡ新聞は「７名の答辞はいずれも当事者でなければ語れない真実と力に満ちていて、在校生も保護者も来賓も一言一言に聞き入り、会場は水を打ったような静かさと感動に覆われました。」と、その様子を伝えました。（略）このような卒業式での私の行為の何をもって「信用失墜行為」などと言うのでしょうか。私には到底承服しかねる処分としか言いようがありません。（Ｔさん社会）
○私は１０年前と変わっていないのです。変わったのは強引な教育行政です。皆が皆、起立して大声で国歌を斉唱したからといって、それで教育が良くなるのでしょうか？教員が皆、無批判に上司の言うなりの組織人になったら、それで学校が良くなるのでしょうか？なりません。むしろ壊されている現状です。もはや"学校は生徒の為にあるのではない"”と平気で言う校長が現れています。（略）
　何度処分されようと、自分の何がいけないのかが解らないのです。私の出会った被処分者は皆、懸命に子ども達のことを考え、子ども達の為に尽くしている教員ばかりです。（略）日本橋高校の副校長…、船場吉兆の社員…、赤福…、丸明…、魚秀…、ミートホープ…、三笠フーズ…、そして時津風部屋…？上司にものが言えない状況は、終に将来あるひとりの若い力士の命までも奪ってしまいました。
　私達教員は何百人何干人、物凄く多くの子ども達の命を預かっています。彼等の未来を守る為こも、人事委員会の方々の勇気ある裁定をお願いして、意見陳述を終わります。（Ｉさん数学）

　審理室で聞いていて何度も魂を揺すぶられるような感動にとらわれた。ぜひより多くの人、出来れば全国の人々に読んでもらいたい貴重な記録である。（０７請求人Ｈ）
『藤田先生を応援する会 通信』（第３７号 2009/10/28）