《過労死白書》
● 過労死なくそう…遺族らのコラム12本も
~「統計では表せない思いを書いて」と厚労省が依頼
2014年11月施行の過労死防止法に基づき、厚生労働省が初の「過労死白書」(16年版)をまとめ、7日、閣議決定された。
過労死白書には遺族や支援する学者、弁護士らのコラム12本も掲載された。「統計では表せない遺族の思いを書いて」と厚生労働省が依頼した。
<世界で例がない初の報告書>
「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子(えみこ)さん(67)は、会の四半世紀の活動を記した2本のコラムを書いた。
夫の彰さん(当時49歳)は、京都市内の和食店店長として過重なノルマを達成するため長時間労働を続け、意に沿わない異動を発令された96年に自死に追い込まれた。「なぜ」と自問する日々から立ち上がり、08年に会の代表になった。
夫の死から20年。「『お父さんの死を無駄にしないよ』と仏壇に報告したい。社会も企業も意識を変えないと、過労死はなくならない」。そんな思いをコラムにつづった。
6日に国会内で開かれた超党派の「過労死等防止について考える議員連盟」(代表世話人・馳浩前文部科学相)総会で、寺西さんは「私たちが長年願ってきたことが白書になり、感無量。過労死ゼロに向けて今後も励む決意だ」とあいさつした。
総会後、報道陣に「大切な家族を亡くすという悲しい思いを、もう誰にもしてほしくない」と語った。【早川健人】
『毎日新聞』(2016年10月7日)
http://mainichi.jp/articles/20161007/k00/00e/040/166000c
《過労死白書》
● 過労死ゼロに向け…世界で例がない初の報告書 (毎日新聞)
2014年11月施行の過労死防止法に基づき、厚生労働省が初の「過労死白書」(16年版)をまとめ、政府が7日、閣議決定した。
厚労省によると、過労死をテーマにした同様の報告書は世界でも例がない。厚労省は長時間労働の実態や対策を紹介することで、過労死防止に向けた取り組みを加速させたい考えだ。
14年6月に議員立法で成立した過労死防止法は、過労死を巡る状況と政府の対策について国会への年次報告を義務付けている。
白書によると、15年度に脳・心臓疾患で死亡し、労災保険が支給決定された人は96人で、ピーク時の02年度(160人)の6割に減少。一方、精神疾患による自殺者(未遂を含む)で支給決定された人は93人で、過去最多だった前年度(99人)より6人少ないものの高水準だった。
白書は280ページ。1980年代後半から過労死が社会問題化し、91年に発足した「全国過労死を考える家族の会」による活動が実を結んで過労死防止法が立法化された経緯を、1章分を割いて説明している。
10年1月?15年3月の過労死を含む労災事例をデータベース化して分析し、予防策につなげることや、労働者2万人の健康状態を10年間追跡調査する疫学研究の計画についても記載した。【早川健人】
『毎日新聞』(2016年10月7日)
http://mainichi.jp/articles/20161007/k00/00e/040/164000c
● 過労死なくそう…遺族らのコラム12本も
~「統計では表せない思いを書いて」と厚労省が依頼
2014年11月施行の過労死防止法に基づき、厚生労働省が初の「過労死白書」(16年版)をまとめ、7日、閣議決定された。
過労死白書には遺族や支援する学者、弁護士らのコラム12本も掲載された。「統計では表せない遺族の思いを書いて」と厚生労働省が依頼した。
<世界で例がない初の報告書>
「全国過労死を考える家族の会」代表の寺西笑子(えみこ)さん(67)は、会の四半世紀の活動を記した2本のコラムを書いた。
夫の彰さん(当時49歳)は、京都市内の和食店店長として過重なノルマを達成するため長時間労働を続け、意に沿わない異動を発令された96年に自死に追い込まれた。「なぜ」と自問する日々から立ち上がり、08年に会の代表になった。
夫の死から20年。「『お父さんの死を無駄にしないよ』と仏壇に報告したい。社会も企業も意識を変えないと、過労死はなくならない」。そんな思いをコラムにつづった。
6日に国会内で開かれた超党派の「過労死等防止について考える議員連盟」(代表世話人・馳浩前文部科学相)総会で、寺西さんは「私たちが長年願ってきたことが白書になり、感無量。過労死ゼロに向けて今後も励む決意だ」とあいさつした。
総会後、報道陣に「大切な家族を亡くすという悲しい思いを、もう誰にもしてほしくない」と語った。【早川健人】
『毎日新聞』(2016年10月7日)
http://mainichi.jp/articles/20161007/k00/00e/040/166000c
《過労死白書》
● 過労死ゼロに向け…世界で例がない初の報告書 (毎日新聞)
2014年11月施行の過労死防止法に基づき、厚生労働省が初の「過労死白書」(16年版)をまとめ、政府が7日、閣議決定した。
厚労省によると、過労死をテーマにした同様の報告書は世界でも例がない。厚労省は長時間労働の実態や対策を紹介することで、過労死防止に向けた取り組みを加速させたい考えだ。
14年6月に議員立法で成立した過労死防止法は、過労死を巡る状況と政府の対策について国会への年次報告を義務付けている。
白書によると、15年度に脳・心臓疾患で死亡し、労災保険が支給決定された人は96人で、ピーク時の02年度(160人)の6割に減少。一方、精神疾患による自殺者(未遂を含む)で支給決定された人は93人で、過去最多だった前年度(99人)より6人少ないものの高水準だった。
白書は280ページ。1980年代後半から過労死が社会問題化し、91年に発足した「全国過労死を考える家族の会」による活動が実を結んで過労死防止法が立法化された経緯を、1章分を割いて説明している。
10年1月?15年3月の過労死を含む労災事例をデータベース化して分析し、予防策につなげることや、労働者2万人の健康状態を10年間追跡調査する疫学研究の計画についても記載した。【早川健人】
『毎日新聞』(2016年10月7日)
http://mainichi.jp/articles/20161007/k00/00e/040/164000c
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