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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

1.16東京「君が代」3次訴訟(判決言い渡し)事前記者レクから(1)

2015年01月15日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ☆ 東京「君が代」3次訴訟判決 1月16日(金)13:10 東京地裁103号法廷
 ◎ 最高裁判例踏襲なら、過去最大の処分取消数に
 1月9日、司法記者クラブで東京「君が代」3次訴訟の事前記者レクが行われ、原告団・弁護団から、最高裁判決が出た後の3次訴訟の意義と、先例に倣った場合の処分取消数が過去最大数になる(原告50人中、26人31件)見通しが語られた。
  《東京「君が代」第3次訴訟 事前記者レク用 原告(H)メモ》
 ◎ 個人の処分取消以上に、都立高に自由闊達な教育を蘇らせることを目標に

 1,裁判で問われていることは、教育の本質 (巻(まき)美矢紀(みさき)教授『意見書』・『尋問調書』から)
 公教育は、社会全体の利益に資する公共財としての性格を持っている。
 その目的は、人格の完成と共に、民主主義に必要な資質を涵養すること。
【教育基本法】 第1条(教育の目的)
 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
【世界人権宣言】 26条(教育への権利)2項
 2 教育は、人格の完全な発展並びに人権及び基本的自由の尊重(respect)の強化を目的としなければならない。教育は、すべての国又は人種的若しくは宗教的集団の相互間の理解、寛容及び友好関係を増進し、かつ、平和の維持のため、国際連合の活動を促進するものでなければならない。
 ○「(国家に対する)同意は真の同意でなければならず、十分な判断能力を前提に、言論などによる説得を通じて獲得されたものでなければならない。」
 ○「本件職務命令は、教員の一律の『身体の動作』により、同調圧力をいっそう高め、国旗及び国歌によって象徴される国家それ自体に対する敬意を、本来強制しえない生徒に、理性的思考を遮断して『自然な』ものとして刷り込むという目的にとって、まさに合理的な手段といえます。」
 ○「教育公務員だからこそ職責として、職務命令に対する不服従により、公教育における公権力の内在的限界を問うている。」
 2,国際社会で尊敬され信頼されるために
  国連自由権規約委員会第6回日本審査『総括所見』(2014年7月24日)
 <パラグラフ22> 「公共の福祉」を理由とした基本的自由の制約
 「22 本委員会は、「公共の福祉」の概念は、曖昧で、制限がなく、規約の下で許容されている制約を超える制約を許容するかもしれないという懸念を改めて表明する。(2条、18条、19条)
   委員会は、以前の最終所見を想起し、規約18条・19条のそれぞれ第3項に規定された厳しい条件を満たさない限り、締約国が、思想・良心・宗教の自由や表現の自由の権利に対していかなる制約を課すことをも差し控えるように強く要請する。」
※参考【自由権規約】第18条(思想・良心・宗教の自由)3項
 3 宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。
 <この勧告の意義>○ 「思想・良心・宗教の自由」に対する人権制約条件の国際基準は、規約18条3項であり、その「厳しい条件」を満たさないいかなる制約も差し控えるべきとされた。
         ○ 本件へ当てはめるなら、「秩序を確保して式典の円滑な進行を図ること」が、規約18条3項に示された国際標準の「厳しい条件」を満たしているとは到底言えない。「10・23通達」・「職務命令」・「懲戒処分」・「再発防止研修」は、国際規約違反の人権制約である。
 <国際社会で尊敬され信頼されるために大切なこと>
【高等学校学習指導要領解説「入学式や卒業式などにおける国旗及び国歌の取扱い」から】
 「生徒が将来,国際社会において尊敬され,信頼される日本人として成長していくためには,国旗及び国歌に対して一層正しい認識をもたせ,それらを尊重する態度を育てることは重要なことである。」
 ○ 法的拘束力のある自由権規約を遵守すると同時に、国際機関からの勧告を誠実に履行してこそ、国際社会からrespectされるのではないか。文科省・都教委は率先して模範を示すべき。
 3,最高裁判決後も改まらない都教委の強硬姿勢
 裁量権の濫用を反省し、「慎重な衡量的な配慮」に基づく「謙抑的な対応」(2013年9月6日第二小法廷鬼丸裁判官補足意見)を取るどころか、判決を曲解・悪用し、一段と強硬姿勢を強めている。
  ○再処分  2次訴訟最高裁判決後、減給処分を取り消された現職教員7名に、戒告処分を出し直した。
        (条例が改悪されており、戒告処分でも取り消された減給より経済的不利益が大きくなった。)
  ○累積加重処分 2次訴訟最高裁判決後も不起立を重ねる教員に、4回目以降は減給に処分を加重した。
   →いずれも「累積加重」が取り消された判例及びその意味をねじ曲げるか無視している。
  ○再発防止研修の質的量的大幅強化 1次訴訟最高裁判決で「累積加重処分」が否定されたので、「研修」を質量共に強化することによって、真摯な動機に基づく不服従者に思想改造を迫り、排除を図っている。
    今年度の受講者は、18回繰り返し同一内容の研修を課され、自己の非を認めるよう追い詰められている。
  ○高校日本史の教科書採択への介入 (『2013年6月27日都教委見解』、『2012年1月24日都教委議決』)
    実教日本史教科書の「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」という記述が「都教委の考え方と異なる」(“事実”が異なるのではない)から適切でないと採択に介入してきた。最高裁判決で「職務命令が合憲である」とされたから、起立斉唱は教員の責務だというのが「都教委の考え方」とするが、最高裁判決にはそんなことは書いていない。都教委独自の特異な解釈に過ぎない。
4,東京の教育崩壊の実態 (2010年Hが退職時にその頃のことをまとめたもの)
 1,東京から人材が逃げていく
  (1)東京の教員になり手がいなくなった
  (2)管理職になり手がいなくなった 【◆下表参照】
  (3)主幹になり手がいない
  (4)降格、途中退職を望む人が多くなった
  (5)精神疾患がどんどん増えている
 2,役立たずのお仕着せ「改革」
  (1)授業時数は増やせばよいものか。
  (2)「新しいタイプの高校」と「入試方法の改善」は、実は「改悪」だった
  (3)進学実績は一部に片寄っただけ
  (4)東京都学校設定必修科目「奉仕」と新たな日本史必修(「江戸から東京へ」)
  (5)役立たずの一人1台パソコン
 3.前近代的専制型経営システム
  (1)職員会議採決禁止 ~民主主義の否定
  (2)業績評価 ~ものを言わせない仕組み
  (3)主任教諭制度 ~職能に無関係の身分制
  (4)6年必異動 ~伝統や校風よりも校長権限強化
  (5)日の丸・君が代 ~自由や権利は禁句

 ◆東京都教育管理職選考 倍率の推移

 管理職任用制度が大幅に改正されたのが2000年選考から。制度設計の誤りは、10年経っていよいよ明白。
 「階層制の細分化」「人事考課制度」「挙手採決禁止」「10・23通達」など2000年前後から一方的に導入してきた、現場への不信感に根ざす上意下達の権力行政や個人間の競争を煽るような政策が停滞の根源。
 現場のニーズは、「上意下達」(受験者を上司が推薦ないし任命する)や「利益誘導」(上に厚く下に薄い賃金体系)にはないのに、今以上にその方向を強化しようとしている。(2011年11月『これからの人事制度の基本的方向』)
 現場のモチベーションは、「上意下達」や「利益誘導」ではなく、「信頼」と「自由」と「協働」とからしか生まれない。
 教員のインセンティブは、「賃金」や「昇進」ではなく、子どもの成長・人格形成に寄与できた時の喜びにあることに教育行政担当者が気付かない限り、悲惨な人事政策の失敗は果てしなく続き、その弊害は公立学校に学ぶ子どもたちに及んでいくだろう。
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