◆ 「米国政府動かす男」R・カジワラさん、大阪入管に屈辱の拘束
―辺野古基地問題で来日、超党派議員と面談 - Yahoo!ニュース
ロブ・カジワラさん 提供:増山麗奈
沖縄県名護市辺野古で建設中の米軍の新基地について、その建設中止を米国政府に求める請願署名の発起人となった日系米国人のロブ・カジワラさんが、昨晩の来日の際に大阪入国管理局関西空港支局によって不当に一時拘束されていたことが、本人及び関係者の話でわかった。
カジワラさんは「何度も日本に来ているけども、こんなことは初めて。とてもショックを受けている」と話しているという。
◆ 超党派議連との面会等のため来日
カジワラさんは、今年1月、辺野古新基地建設の中止を米国政府に求める請願署名を呼びかけ、多くの人々がこれに賛同。
ロックバンド「Queen」のギタリストのブライアン・メイさん、
モデル/女優のローラさん、
お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん
など著名人も署名を呼びかけた。
現在21万筆以上の署名が集まり、米国政府としても正式に対応を検討することが決まっている(関連記事)。
昨日、カジワラさんは、超党派の国会議員との面談や記者会見等のため、在住するハワイから来日。関西空港を経由して羽田空港に向かう予定だった。
◆ 執拗に繰り返される詰問
ところが、昨晩18時50分頃、関西空港での入国審査での際に、カジワラさんは、入国管理局の係官らによって別室に連れて行かれ、執拗に詰問を受けた。
映画監督の増山麗奈さんにカジワラさんが語ったところによれば、カジワラさんは、国会議員との面談など、その来日目的を説明したものの、入管係官は「どういうイベントに参加するのか」と執拗に、何度答えても、同じ質問を繰り返し聞き続けたのだという。
また、カジワラさん自身もツイッターに昨晩の状況を投稿。「辺野古(に関する活動)について問いただされた」と書いている(関連情報)。
羽田への乗り継ぎ便に遅れることや、強制送還されることを危惧したカジワラさんは、沖縄県の知人に連絡。その知人が照屋寛徳衆議院議員に事情を伝え、同議員が大阪入管に電話したことで、カジワラさんは解放された。
拘束時間は2時間弱に及び、羽田空港に到着したカジワラさんは「憔悴しきっていた」と増山さんは語る。
明白に法に反することでなければ、来日した外国人の行動を制限する権限など入管当局は持たない。
カジワラさんが、辺野古新基地に反対するイベントに参加しようとしまいと、それは個人の自由であり、それは何の問題もないことは、大阪入管関西空港支局も、筆者の取材に対し認めている。
それならば、なぜ、同支局は執拗にカジワラさんに問いただしたのか。
◆ 「上からの指示」とは?
奇妙なのは、照屋議員からの連絡後、入管係官達は「私達も好きでこのような対応をしているわけではなく、上からの指示でやっているだけ」とカジワラさんに釈明したということだ。
カジワラさんを招いての都内のイベントでスピーカーを務める、ジャーナリストの浅野健一さんは「安倍政権による嫌がらせではないか」と疑う。
「当時のバラク・オバマ米国大統領が広島を訪問した2016年5月、韓国の被爆者の方々が広島を訪問しようとした際に、やはり大阪入管関西空港支局により、不当に長時間に拘束されたということがありました。今回のカジワラさんの件も、沖縄・辺野古新基地への反対運動をくじけさせるべく、安倍政権の指示が下っていたのではないでしょうか」(浅野さん)。
浅野さんが疑うような指示はあったのか。筆者の取材に対し、同支局は「現在、事実関係を確認中」とだけ答えた。
◆ 坂本龍一さんが沖縄応援メッセージ
※坂本龍一さんのメッセージ 本人提供
https://youtu.be/RlCrGxkdoEQ
来日早々にトラブルに見舞われたカジワラさんだが、議員面談や記者会見、院内集会などの東京でのイベントは予定通り行われる見込みだ。
カジワラさん来日に際し、音楽家の坂本龍一さんも
「基地負担が沖縄に過剰に集中していることは、沖縄の人々の問題ではなく、100%本土の人々の問題」
「温暖化などの環境問題が深刻さを増す現在、人間には戦争に時間やお金を費やす余力はありません」として、
「(カジワラさんや沖縄の人々を)応援しています」
とエールを送っている。
(了)
* ロブ・カジワラさん講演
2019年2月20日(水)17:30~19:30
衆議院第一議員会館 多目的ホール
* ロブ・カジワラさんライブ演奏
2019年2月21日(木)13:30~
東京倶楽部・水道橋店(千代田区神田駿河台2-11-16)
パレスチナやイラクなどの紛争地での現地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、米軍基地問題や貧困・格差etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。著書に『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』(扶桑社新書)、『イラク戦争を検証するための20の論点』(合同ブックレット)など。イラク戦争の検証を求めるネットワークの事務局長
『Yahoo!ニュース 個人』(2019/2/20)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20190220-00115487/
―辺野古基地問題で来日、超党派議員と面談 - Yahoo!ニュース
志葉玲 | フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
ロブ・カジワラさん 提供:増山麗奈
沖縄県名護市辺野古で建設中の米軍の新基地について、その建設中止を米国政府に求める請願署名の発起人となった日系米国人のロブ・カジワラさんが、昨晩の来日の際に大阪入国管理局関西空港支局によって不当に一時拘束されていたことが、本人及び関係者の話でわかった。
カジワラさんは「何度も日本に来ているけども、こんなことは初めて。とてもショックを受けている」と話しているという。
◆ 超党派議連との面会等のため来日
カジワラさんは、今年1月、辺野古新基地建設の中止を米国政府に求める請願署名を呼びかけ、多くの人々がこれに賛同。
ロックバンド「Queen」のギタリストのブライアン・メイさん、
モデル/女優のローラさん、
お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん
など著名人も署名を呼びかけた。
現在21万筆以上の署名が集まり、米国政府としても正式に対応を検討することが決まっている(関連記事)。
昨日、カジワラさんは、超党派の国会議員との面談や記者会見等のため、在住するハワイから来日。関西空港を経由して羽田空港に向かう予定だった。
◆ 執拗に繰り返される詰問
ところが、昨晩18時50分頃、関西空港での入国審査での際に、カジワラさんは、入国管理局の係官らによって別室に連れて行かれ、執拗に詰問を受けた。
映画監督の増山麗奈さんにカジワラさんが語ったところによれば、カジワラさんは、国会議員との面談など、その来日目的を説明したものの、入管係官は「どういうイベントに参加するのか」と執拗に、何度答えても、同じ質問を繰り返し聞き続けたのだという。
また、カジワラさん自身もツイッターに昨晩の状況を投稿。「辺野古(に関する活動)について問いただされた」と書いている(関連情報)。
羽田への乗り継ぎ便に遅れることや、強制送還されることを危惧したカジワラさんは、沖縄県の知人に連絡。その知人が照屋寛徳衆議院議員に事情を伝え、同議員が大阪入管に電話したことで、カジワラさんは解放された。
拘束時間は2時間弱に及び、羽田空港に到着したカジワラさんは「憔悴しきっていた」と増山さんは語る。
明白に法に反することでなければ、来日した外国人の行動を制限する権限など入管当局は持たない。
カジワラさんが、辺野古新基地に反対するイベントに参加しようとしまいと、それは個人の自由であり、それは何の問題もないことは、大阪入管関西空港支局も、筆者の取材に対し認めている。
それならば、なぜ、同支局は執拗にカジワラさんに問いただしたのか。
◆ 「上からの指示」とは?
奇妙なのは、照屋議員からの連絡後、入管係官達は「私達も好きでこのような対応をしているわけではなく、上からの指示でやっているだけ」とカジワラさんに釈明したということだ。
カジワラさんを招いての都内のイベントでスピーカーを務める、ジャーナリストの浅野健一さんは「安倍政権による嫌がらせではないか」と疑う。
「当時のバラク・オバマ米国大統領が広島を訪問した2016年5月、韓国の被爆者の方々が広島を訪問しようとした際に、やはり大阪入管関西空港支局により、不当に長時間に拘束されたということがありました。今回のカジワラさんの件も、沖縄・辺野古新基地への反対運動をくじけさせるべく、安倍政権の指示が下っていたのではないでしょうか」(浅野さん)。
浅野さんが疑うような指示はあったのか。筆者の取材に対し、同支局は「現在、事実関係を確認中」とだけ答えた。
◆ 坂本龍一さんが沖縄応援メッセージ
※坂本龍一さんのメッセージ 本人提供
https://youtu.be/RlCrGxkdoEQ
来日早々にトラブルに見舞われたカジワラさんだが、議員面談や記者会見、院内集会などの東京でのイベントは予定通り行われる見込みだ。
カジワラさん来日に際し、音楽家の坂本龍一さんも
「基地負担が沖縄に過剰に集中していることは、沖縄の人々の問題ではなく、100%本土の人々の問題」
「温暖化などの環境問題が深刻さを増す現在、人間には戦争に時間やお金を費やす余力はありません」として、
「(カジワラさんや沖縄の人々を)応援しています」
とエールを送っている。
(了)
* ロブ・カジワラさん講演
2019年2月20日(水)17:30~19:30
衆議院第一議員会館 多目的ホール
* ロブ・カジワラさんライブ演奏
2019年2月21日(木)13:30~
東京倶楽部・水道橋店(千代田区神田駿河台2-11-16)
【追記 2019.2.22】※ 志葉玲 フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
本記事を配信後、大阪入管関空支局の広報担当者から筆者に連絡があり、
・短期間に複数回、日本に来ている外国人に対しては、就労ビザを取得せず日本で働くことを目的に来日することもあるので、来日目的について詳しく聞くこともある。
・カジワラ氏に日本での予定を何度も質問したのは、本人の言うことに齟齬がないか確認するため。
・通訳を介すので、確認には時間がかかる。2時間という足止め時間は特に長いものではない。
とのことだった。
だが、
・カジワラさんの来日目的の確認については、日本で講演を企画している主催者に連絡すれば、すぐに確認できたのに、それをしなかった。
・2時間程度の拘束で済んだのは、照屋寛徳衆院議員ら国会議員が大阪入管に連絡したため。それがなければ、さらに長引くことは間違いなかった。
などのことから、大阪入管側の説明には疑問を持たざるを得ない。
またカジワラさんに入管職員が「上からの指示」と釈明したことについて、「上」が何を示すのかについては具体的な回答はなかった。
パレスチナやイラクなどの紛争地での現地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、米軍基地問題や貧困・格差etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに寄稿、テレビ局に映像を提供。著書に『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』(扶桑社新書)、『イラク戦争を検証するための20の論点』(合同ブックレット)など。イラク戦争の検証を求めるネットワークの事務局長
『Yahoo!ニュース 個人』(2019/2/20)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20190220-00115487/
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます