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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都庁で働く皆さま 都民の皆さま 2014年11月13日号

2014年11月17日 | 日の丸・君が代関連ニュース
  《河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 都庁前通信》
 ● 道徳の教科化 心を評価する危うさ (東京新聞社説)


 社説の指摘はまったく、その通りではないでしょうか。
 今年1月、文科省は「政府見解や最高裁の判例に基づいた記述とする」よう、教科書検定基準を改定した。この流れの中での道徳の教科化である。道徳の教科化は安倍首相の宿願だった。第一次安倍内閣で教育基本法を改正し「愛国心」を盛り込んだ。今回の道徳の教科化は子どもたちに「愛国心」を植え付けるための土台作りを狙っているのではないか。
 道徳を声高に叫びながら、「朝鮮人はガス室へ」と叫ぶヘイトスピーチも規制せず、「汚染水は完全にコントロールされている」と平気でうそを言う安倍首相の道徳観なのだ。
 昨年度から都教委は都教委作成の副読本を全児童・生徒に配布。今年度からは文科省も配布し、教員にその使用を半ば義務付けている。都教委版は、差別発言を繰り返した石原元都知事医療法人から資金の提供を受けて失脚した猪瀬元都知事が任命した教育長らによる教育行政の施策だ。乗せられてはならない。
 【東京新聞社説】 道徳の教科化 心を評価する危うさ (TOKYO Web)
 2014年10月23日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014102302000149.html
 小中学校の「道徳の時間」検定教科書を使う正式な教科に格上げし、子どもの人格の成長ぶりを評価する。中央教育審議会が文部科学相に出した答申である。大人はそんなに立派な存在なのか。
 現行の道徳は教科外活動とされ、検定教科書はなく、成績評価もなされてこなかった。これが二〇一八年度から「特別の教科」に位置づけられる見通しとなった。
 国定教科書を用いた戦前の「修身」は愛国心といった徳目を国民に植えつけ、軍国主義教育の中核を担った。戦後の道徳教育はその反省に立って行われてきた。答申が時計の針を巻き戻す結果を招かないか気がかりだ。
 国語や算数・数学、理科、社会などの既存の教科は、先生が自らの知識や技能、経験も踏まえ、子どもに伝授するのにふさわしい分野といえる。テストという物差しをあてがい、習得具合を客観的に評価することができるからだ。
 道徳は対照的だ。物事の善悪や正邪にとどまらず、人間の生き方や価値観をも正面から取り上げる分野である。子どもの心奥に働きかけ、人格形成に大きな影響を与えるだろう。無論、テストでその発達ぶりを測ることはできない。
 そこで、答申は、点数式を排除して記述式の評価を求めたが、子どもの内面の在りように成績をつけさせることに変わりはないのだ。先生個人の主義主張や好き嫌い、えこひいきが入り込む。
 最大の問題は、何をどう評価するかだ。国が一律の物差しを作れば、自由かつ多様であるべき価値観や思想信条を統制することになりかねない。成績評価がついて回るから、子どもや親が無批判に受け入れてしまう懸念がある。
 国の検定基準に見合う教科書が導入されるのも心配だ。愛国心を定めた教育基本法に照らし、重大な欠陥があると失格になる。合格を意識するあまり画一的な偉人伝や格言、素材に偏らないか。やはり戦前をほうふつさせる
 そもそも世の中の大人に、子どもの道徳性を評価する資格があるのだろうか。

 小渕優子前経済産業相はお金を正しく管理できず、松島みどり前法相はうちわを配り、そろって法律違反を疑われて閣僚を辞めた。国の責任者に選ばれる大人でさえ、人格完成へまだ道半ばではないか。
 貧困、紛争、温暖化…。社会の難題の解決には、人間の道徳心が肝要である。大人も子どもと一緒に悩み、考え、学び合う。その姿勢を欠いては、未来は危うい。

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 ● 10月23日都教委定例会傍聴報告

 ■ 都教委にとって不都合なことには無視を決め込む?! ■
 議題のうち、報告事項2議題 ①「平成26年度東京都公立学校における『いじめの実態及び対応状況把握のための調査』」 ②「都民の声(教育・文化)について[平成26年度上半期(4~9月)]」について報告します。
 ①:調査結果は、
 ア)認知件数:4,086件、1校あたり1ヶ月の平均認知件数は0.61件(昨年度は0.73件)
 イ)認知したきっかけ被害を受けた子どもがアンケート調査に記載したのが34.5%、教職員が発見したのが18.7%、周囲の子どもがアンケートに記載、あるいは、直接訴えたのが9.8%。
 ウ)いじめの主な態様:最も多いのが冷やかしやからかい。ネット等の機器によるものが、校種が上がるごとに増加する。
 課題として3点を挙げる。
 ・子どもが声をあげることができるようにするための効果的な取り組みの開発
 ・「学校いじめ対策委員会」が実効的に機能できるようにするための方策の検討、周知
 ・インターネットを通じてのいじめなど、大人からは見えにくいいじめを確実に把握するための方策の検討。
 この報告からは、認知されなかった件数やその理由は見えてこない。そう思いながら傍聴していると、乙武教育委員が「この数(認知件数)は少ない感じ。若手の教員はいじめを発表しづらい。指導力不足とみられるのではないかと(恐れ)、いじめではないとしてしまう傾向があるのでは」と発言した。
 前回の定例会の最後で、乙武教育委員は、「いじめが教員評価の際の減点になるのか気になっている。今後、教員評価について議題に取り上げてほしい」旨の発言をした。しかし、「それをやったら時間がかかる」とのつぶやき発言が他の委員からあって、それっきりだった。今回も議論にはならなかった。議論すべきことを議論しないで、避けている。いじめ問題を含め、教員評価が教員の教育活動を大きくゆがめ、破壊している現実を、教育委員はしっかり見るべきではないだろうか。
 日常の学校生活の中で、子どもたちが自己肯定感を持つことができ、互いの意見表明などの基本的人権を認め合う環境を保障することこそが、根本的ないじめ撲滅対策であり、教育行政の仕事である。
 まずは、都教委が教員いじめをやめ、自由な雰囲気のもとで教員が子どもたちと人格的接触ができるようにすべきなのだ。
 ②:寄せられた「都民の声」件数のうちの最多は「苦情」で1,186件。そのうち、「教職員の服務(体罰を除く)」が186件、「体罰・不適切な指導」が147件。請願は14件、うち12件は「日本史教科書採択について」。団体要請は69件、うち、「国旗掲揚と国歌斉唱と教員の処分について」が24件で最多
 都民からの批判要望に対し、教育委員は議論し再考すべきにもかかわらず、やはり今回も教育委員からは一言の発言もなかった
 請願・要請は文書で提出されたはずだし、また、「都民の声」に寄せられた「苦情」もその多くは、文書によってであろう。市民がこれらの文書を提出すると、教育情報課はそれを担当所管課に届けており、教育委員長や教育長に届けることは、してはくれない。したがって、それらの文書を教育委員らが見ることはない
 しかし、最高責任の座にある教育委員長や教育長はこれらのすべてに目を通し、熟慮し、討議に付してもらいたい。なぜ、教育委員たちは誰一人、これらの文書を見たいと言わないのか。都教委にとって不都合なものは無視する態度は許されない。
 ■ 教育実習生にセクハラして停職6月、君が代」不起立で停職6月
 教職員の処分案件は非公開なので私たちには知ることができないが、都教委のHPに、次のようにある。
1 教職員に関する事項 (1) 校種 小学校(多摩地域) (2) 職名 副校長 (3) 年齢 57歳 (4) 性別 男
2 処分の程度 停職6月
3 発令年月日 平成26年10月16日
4 処分理由:平成25年10月7日午後7時30分頃から午後9時30分頃までの間に、居酒屋等において勤務校の教育実習生であった女子学生と飲食した際、同学生に対して履いていたストッキングを脱いでくるように言い、同ストッキングを購入した。/また、同月10日午後7時頃から午後8時30分頃までの間に、カラオケ店において同学生と飲食した際、同学生から断られたにもかかわらず右手で同学生の左肩及び首を1分間程度もむとともに、同学生の左腕を触った。
         ―――:―――:―――
 「停職6月」とはなんと軽いことか!セクハラ・体罰についてはいつも軽い処分だ。比して、「君が代」不起立で根津さんの受けた処分は、停職6月。5回の不起立で停職22月「君が代」処分はプライバシーを無視し、学校名を公表するのに、セクハラは公表なしだ。性教育や歴史教育で免職にされた教員もいる。
 都教委に抵抗しない教員については、刑法に触れる行為でも軽い処分。“思想”を裁くのだ。それが都教委であり、各教育委員の認識だ。これだから、子どもたちに憲法が保障する「思想・信条の自由」や「基本的人権」を教えることを妨害するのだ。
 この現実をみれば、道徳教科化もまた、子どもたちへの国による思想統制とならざるを得ないのではないか。
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