《百万人署名運動全国通信から》
★ 2.12都教委包囲ネット総決起集会に参加して
集会は他の発言者たちの内容も良かったが、大内裕和(武蔵大学教授)講演と宮澤弘道(多摩教組委員長)現場報告の2つに絞って報告する。大内裕和さんは「21世紀ファシズムと戦争にどう立ち向かうのか」というテーマで、現下の社会情勢について質疑応答含めて約1時間半、熱く語った。
沖縄・南西諸島の軍事要塞化の推進を見れば、もはや戦争“準備”から“実行”体制に移りつつあることは明らか。
戦後第1の転換点は40年前。1984年の中曽根「戦後政治の総決算」、国労解体・連合結成、臨教審の設置。ここから「つくる会教科書」登場、非正規労働者の急増など、新自由主義と国家主義が結合する流れが始まった。
第2の転換点は20年前。21世紀ファシズムのスタートとしての石原極右政権の「10.23通達」(2003年)と安倍極右政権の教基法改悪(2006年)。通算9年にわたり猛威を振るった安部を引き継いだ岸田政権は「戦争できる国作り」に邁進し、文教予算と防衛関係費がこの10年で逆転する今日に至ったと指摘した。
1980年代以降、世界的にも急速な新自由主義の台頭で「格差と貧困」不平等社会が蔓延。新自由主義グローバリズムの矛盾はマイナーチェンジ・小規模な手直しでは乗り越え不可能で資本主義を変えるという大胆な転換が必要であると訴えた。
現職の小学校教員の宮澤弘道さんは「憲法と教育・教育現場」について30分報告した。教員不足の原因はブラック労働だけではない。
まず「管理強化」。常に管理職の評価にさらされる緊張感と不公平感で、やらされる仕事はこなすだけ。官製研修では学ぶ意欲は減退する。
次に「組合の弱体化」。改善の機会・相談する場所の喪失。不満は諦めにつながると学校・職場の現実を報告。
今の学校は「心も体も国家の管理下にあるヤバさ」。道徳の教科化で、科学ではない教科が復活。憲法25条「健康で文化的な生活」の「権利」が、「健康増進法」(2002年)で国民の「義務」にすり替えられた。
「働き方改革」は上からのお仕着せ。本来「改革」は下からやるもの。教員不足解消は、教育・労働運動で、現場から待遇改善を要求し、魅力の向上を通して勝ち取るしかないと提起した。
会場から大先輩の北村小夜さんが、国家に支配されない学校の大切さをコメントした。(元都立学校教員・花輪)
『百万人署名運動全国通信 第316号』(2024年3月1日)
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