《尾形修一の教員免許更新制反対日記から》
◆ 安保法案、国会議員の投票行動
20日付東京新聞の朝刊に「安保関連法の本会議投票行動」という全議員を網羅した一覧が出ている。忘れないように、それを紹介しておきたいと思う。もっとも、大政党の場合は、改めて書くまでもないとも言えるので、小党や無所属議員の確認ということになってしまう。ちょっと面倒だけど。
まず、衆議院(7.16)。もう忘れている人が多いと思うが、野党側は「審議打ち切り」に反対して採決に応じなかった。そのため、「賛成327、反対2」で衆議院を通過したのである。
「賛成」は、自民党(287人)、公明党(35人)に加え、次世代の党(2人=平沼赳夫、園田博之)、および小選挙区で当選した保守系無所属議員3人(小泉龍司、長崎幸太郎)が賛成した。(次世代の党というのは、衆議院ではもうすぐ消滅してしまいそうだが。)自民党の中で、2人、村上誠一郎、若狭勝は本会議を欠席している。
どちらも「体調不良」とされているが、村上議員などはかねてより法案を批判していた。また、保守系無所属の中村喜四郎も欠席した。(追記参照)
民主党(70人)と維新(40人)、共産党(21人)、社民党(2人)および無所属3人(浅尾慶一郎、野間健、上西小百合)は採決時に退席した。
退席ではなく、そもそも欠席したのは、先の自民2人に加え、民主党2人(松本剛明、鈴木克昌)、生活2人(小沢一郎、玉城デニー)と無所属1人(亀井静香)である。
本会議に出席して反対したのは、民主から出ている副議長・川端達夫と沖縄4区の「オール沖縄」仲里利信の2人。まあ、副議長では欠席も退席もできない。
続いて参議院だが、記憶に新しいように9月18日の深夜、日付も変わって19日に採決があった。特別委の採決そのものが「違法」であるという主張もあるだろうが、そうすると反対討論もなくあっという間に成立してしまう。やはり反対であるという討論は歴史に残すべきだと思うし、反対討論はいずれも賛成討論を圧倒していたとテレビを見ていて思った。だから、採決に応じた意味はあったと思う。
前に書いたように、参議院の採決では3野党(会派)は最終盤で賛成に回った。(参議院のホームページを見て、先の記事では「日本を元気にする会」の中に「行田邦子議員」を加えたが、行田議員は反対に投票している。参議院会派名は「日本を元気にする会・無所属会」で、投票行動一覧では田中茂議員と行田議員が無所属のところに出ている。田中議員は賛成したが、行田議員は反対したというわけである。先の記事に追加して訂正しておきたい。)
読売新聞は、この3党の行動を「ミニ政党が存在感」などと評価する記事を載せているが、僕は全く理解できない。確かに内閣提出の原案を修正するとするなら、これは重大な変更と言える。だから、修正できたとしたら、それは「ないよりまし」だから、賛成するという考えも一概に否定しない。でも、「付帯決議」と「閣議決定」だけだとしたら、「強行採決ではない」という「ヘリクツ」を与党に与えたことと釣り合わないと僕は思うのである。というか、法案作成技術の問題で、少しは譲れる「のりしろ」部分を作っておいて、最後に付帯決議かなんかで野党を引っ張り込んで、採決を正当化するという作戦が最初から出来ていたとしか僕には思えない。
賛成は148人。自民(114人)に、公明(20人)。それに次世代(5人、和田政宗、浜田和幸、江口克彦、中山恭子、中野正志)、日本を元気にする会(5人、松田公太、山田太郎、アントニオ猪木、井上義行、山口和之)、改革(1人、荒井広之)に加え、無所属3人(平野達男、松沢成文、田中茂)となっている。
一方、反対は、90人。民主(59人)、維新(11人)、共産(10人)、社民(3人)、生活(3人)および無所属(4人、行田邦子、水野賢一、糸数慶子、渡辺美知太郎)が反対した。(輿石東副議長は民主に含む。なお、議長は裁決に加わらないが、副議長は裁決に加わる。)
さらに、採決に退席が2人いて、いずれも「みんなの党」で当選して、解党後に「無所属クラブ」に所属していた、中西健治、薬師寺道代である。欠席は1人で、共産党の吉良佳子だけど、産休だということである。
ちょっと面倒だけど、記録という意味で。なお、「維新」は今回まとまって行動したが、それは恐らくは「解党」または「分党」を見越した行動で、円満に別れて「政党助成金」を受け取りたいということだろう。
もうすぐ大阪系の議員が離党して、「おおさか維新の会」なる国政政党を作る予定とされている。この新党は恐らく「安倍与党」となるのではないかと思う。
とりあえず、2016年の参議院選挙までは、大きな国政選挙はないだろう。覚えておけるだろうか、わが国民は…。
(追記)9.23付東京新聞は、無所属の中村喜四郎議員の投票行動を、賛成から欠席に訂正するという記事を掲載した。それに基づいて、この記事も訂正しておく。欠席した理由は、集団的自衛権には賛成だが、憲法改正によって実現すべきであり、また国会審議は不十分で採決の段階ではないということだという。自民党内閣で閣僚を務めた議員であっても、無所属ならば自己の判断でこのぐらいのことはできるということである。(9.23)
『尾形修一の教員免許更新制反対日記』(2015年09月21日)
http://blog.goo.ne.jp/kurukuru2180/e/837672c8209288702fa22544c7517440
◆ 安保法案、国会議員の投票行動
20日付東京新聞の朝刊に「安保関連法の本会議投票行動」という全議員を網羅した一覧が出ている。忘れないように、それを紹介しておきたいと思う。もっとも、大政党の場合は、改めて書くまでもないとも言えるので、小党や無所属議員の確認ということになってしまう。ちょっと面倒だけど。
まず、衆議院(7.16)。もう忘れている人が多いと思うが、野党側は「審議打ち切り」に反対して採決に応じなかった。そのため、「賛成327、反対2」で衆議院を通過したのである。
「賛成」は、自民党(287人)、公明党(35人)に加え、次世代の党(2人=平沼赳夫、園田博之)、および小選挙区で当選した保守系無所属議員3人(小泉龍司、長崎幸太郎)が賛成した。(次世代の党というのは、衆議院ではもうすぐ消滅してしまいそうだが。)自民党の中で、2人、村上誠一郎、若狭勝は本会議を欠席している。
どちらも「体調不良」とされているが、村上議員などはかねてより法案を批判していた。また、保守系無所属の中村喜四郎も欠席した。(追記参照)
民主党(70人)と維新(40人)、共産党(21人)、社民党(2人)および無所属3人(浅尾慶一郎、野間健、上西小百合)は採決時に退席した。
退席ではなく、そもそも欠席したのは、先の自民2人に加え、民主党2人(松本剛明、鈴木克昌)、生活2人(小沢一郎、玉城デニー)と無所属1人(亀井静香)である。
本会議に出席して反対したのは、民主から出ている副議長・川端達夫と沖縄4区の「オール沖縄」仲里利信の2人。まあ、副議長では欠席も退席もできない。
続いて参議院だが、記憶に新しいように9月18日の深夜、日付も変わって19日に採決があった。特別委の採決そのものが「違法」であるという主張もあるだろうが、そうすると反対討論もなくあっという間に成立してしまう。やはり反対であるという討論は歴史に残すべきだと思うし、反対討論はいずれも賛成討論を圧倒していたとテレビを見ていて思った。だから、採決に応じた意味はあったと思う。
前に書いたように、参議院の採決では3野党(会派)は最終盤で賛成に回った。(参議院のホームページを見て、先の記事では「日本を元気にする会」の中に「行田邦子議員」を加えたが、行田議員は反対に投票している。参議院会派名は「日本を元気にする会・無所属会」で、投票行動一覧では田中茂議員と行田議員が無所属のところに出ている。田中議員は賛成したが、行田議員は反対したというわけである。先の記事に追加して訂正しておきたい。)
読売新聞は、この3党の行動を「ミニ政党が存在感」などと評価する記事を載せているが、僕は全く理解できない。確かに内閣提出の原案を修正するとするなら、これは重大な変更と言える。だから、修正できたとしたら、それは「ないよりまし」だから、賛成するという考えも一概に否定しない。でも、「付帯決議」と「閣議決定」だけだとしたら、「強行採決ではない」という「ヘリクツ」を与党に与えたことと釣り合わないと僕は思うのである。というか、法案作成技術の問題で、少しは譲れる「のりしろ」部分を作っておいて、最後に付帯決議かなんかで野党を引っ張り込んで、採決を正当化するという作戦が最初から出来ていたとしか僕には思えない。
賛成は148人。自民(114人)に、公明(20人)。それに次世代(5人、和田政宗、浜田和幸、江口克彦、中山恭子、中野正志)、日本を元気にする会(5人、松田公太、山田太郎、アントニオ猪木、井上義行、山口和之)、改革(1人、荒井広之)に加え、無所属3人(平野達男、松沢成文、田中茂)となっている。
一方、反対は、90人。民主(59人)、維新(11人)、共産(10人)、社民(3人)、生活(3人)および無所属(4人、行田邦子、水野賢一、糸数慶子、渡辺美知太郎)が反対した。(輿石東副議長は民主に含む。なお、議長は裁決に加わらないが、副議長は裁決に加わる。)
さらに、採決に退席が2人いて、いずれも「みんなの党」で当選して、解党後に「無所属クラブ」に所属していた、中西健治、薬師寺道代である。欠席は1人で、共産党の吉良佳子だけど、産休だということである。
ちょっと面倒だけど、記録という意味で。なお、「維新」は今回まとまって行動したが、それは恐らくは「解党」または「分党」を見越した行動で、円満に別れて「政党助成金」を受け取りたいということだろう。
もうすぐ大阪系の議員が離党して、「おおさか維新の会」なる国政政党を作る予定とされている。この新党は恐らく「安倍与党」となるのではないかと思う。
とりあえず、2016年の参議院選挙までは、大きな国政選挙はないだろう。覚えておけるだろうか、わが国民は…。
(追記)9.23付東京新聞は、無所属の中村喜四郎議員の投票行動を、賛成から欠席に訂正するという記事を掲載した。それに基づいて、この記事も訂正しておく。欠席した理由は、集団的自衛権には賛成だが、憲法改正によって実現すべきであり、また国会審議は不十分で採決の段階ではないということだという。自民党内閣で閣僚を務めた議員であっても、無所属ならば自己の判断でこのぐらいのことはできるということである。(9.23)
『尾形修一の教員免許更新制反対日記』(2015年09月21日)
http://blog.goo.ne.jp/kurukuru2180/e/837672c8209288702fa22544c7517440
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます