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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

安倍晋三氏の家族葬や国葬問題が学校教育に及ぼした悪影響

2022年10月09日 | 暴走する都教委と闘う仲間たち

  《『紙の爆弾』NEWSレスQより》
 ◆ 安倍元首相葬儀・国葬
   学校弔旗掲揚は〝お上〟の言いなり 

 安倍晋三元首相の国葬では、本稿執筆中の9月22日の時点でNHKは、「沖縄県を除く全国の都道府県が半旗を掲揚する」(福岡県は検討中)と報じた。
 7月11・12日の家族葬等の際は、東京都総務局総務部の近藤豊久総務課長が都庁各局に対し、半旗掲揚について「特段の御配慮をお願いいたします」と記した〝事務連絡〟と称する文書を一斉メールしている。
 近藤氏に「『特段の~』は各現場の判断ができない強制力大の表現では」と質すと、「適切な表現だと思っている」と開き直った回答。
 さらに、この文書は東京都教育委員会が都立学校255校に一斉転送していた。
 結果、7月12日時点でかなり多くの都立高校長が校門や玄関付近等のポールに半旗を掲揚。「一政党の政治家への公権力による弔意強制は、教育基本法の政治的中立性違反では」と、疑問を抱く生徒や教職員、保護者が少なからずいる。

 文科省から出向した35歳の堀川拓郎氏が教育長を務める東京都日野市では、9月15日、教育委員会定例会で、市民有志提出の

①7月の家族葬等で市立小中に半旗掲揚を求めたか明らかにせよ
②〝国葬〟日に半旗掲揚・黙祷・校長講話を実施しない

 等を求める請願の審議があった。
 しかし、「憲法19~21条が『国家権力が侵してはならない』と規定している、個々人の思想・良心・信教・表現の自由に、弔意強制は違反する」という請願の眼目に、堀川氏や教育委員は意見を一切述べず、不採択にしてしまった。
 その際、審議時間の大半は、①は「市教委に国や都から通知が来ていないので学校に通知していない」、②に「岸田首相会見で『弔意表明は求めない』との見解が示されたので、対応を予定していない」(庶務課長)等、教委事務局の説明に費やされた。

 一方、滋賀県甲賀市の小学校教頭は「教育委員会から指示が来たため拒否する理由はないので、揚げた」と取材に答えている。
 反対の声が拡大した国葬問題は、児童・生徒たちにとって格好の主権者教育の教材と思われるが、学校現場では不掲揚・掲揚とも〝お上〟の言いなりで、自主性・主体性を欠く実態が明らかになった。
 文科省は17年3月に改訂した学習指導要領で「主体的・対話的で深い学びの実現」をキャッチフレーズにしているが、皮肉にも文科省に忠実な者が多いはずの校長・教頭らが〝主体的〟ではなく、〝深く〟考えない弔旗掲揚強行に走っていたのだ。

――安倍氏国葬で都立校・区市教委等に弔意表明強制通知を出さないよう、知事・教育長代理・武市敬副知事に申入れた4都議~都議会生活者ネットHPから――

 しかし、都議会では生活者ネット・岩永康代、グリーンな東京・漢人(かんど)明子、共産党・里吉ゆみ、立憲民主党・西沢圭太の4会派の都議が9月5日、

「国葬中止を国に求める」

「特に学校は政治的に中立でなければならず、教育委員会が学校に弔意表明を求めることは不当な介入に当たる」

「都立学校・区市町村教委等に半旗掲揚・黙祷等、弔意表明を求める通知を行なわず、国から弔意表明を要請されたとしても、実施しないこと」

等の申し入れ書を、小池百合子知事・浜佳葉子教育長に提出。

 漢人議員の地元の小金井市議会や岩永議員の選挙区の国立市議会は、本会議で「安倍晋三元首相の国葬を行わない」よう求める意見書を賛成多数で可決し、市議会議長名で岸田文雄首相らに送付している。
(永野厚男・教育ジャーナリスト)

月刊『紙の爆弾』(2022年11月号)


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