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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

郵政 幻の10万人社員化

2010年11月26日 | 格差社会
 ◇ 郵政 幻の10万人社員化
 合格者わずか8438人 受験対象21万人の夢砕く


 「郵政10万人正社員化」のかけ声で08年から始められた非正規社員(期間雇用社員)の正社員登用試験の結果が日本郵政グループから11月10日発表された。
 それによると、受験対象20万8000人のうち受験資格有りとされた6万2000人、受験したのが3万3279人、1次試験合格が1万3464人、2次試験合格者は8438人(合格率は25%)だった。再試験の道があるとはいえ、「10万人正社員化」の正体がみえた。
 10万人正社員化が8400人余に終わった背景には、さまざまな課題がある。
 日本郵政が抱える20万人を超える非正規社員半数を正社員化するというにはシステム設計があまりにもずさんだ。経営陣にそのつもりがあったとは思えない展開だ。
 まず受験資格が、一定の勤務条件を満たすことが条件で、それで6万2000人に絞られる。
 1次審査が新卒者の一般職採用試験と同様なもので、現場で長く働いている職員にはハードルは高いものになっていた。
 さらに2次試験は面接で、会社施策への積極的参加と管理者、会社に対する忠誠心を植え付けることを目的としたとみられる、と言われている。
 会社施策というのは、契約社員の場合は、年間54個のイベント小包の販売目標が設定されている。さらに今は年賀販売が毎日のミーティングで一人ひとりに求められている。
 イベント小包というのはこどもの日、母の日、父の日、頒布会、お中元、敬老の日、スイーツ秋号、グルメシリーズ、クリスマス、お歳暮などほとんどが*ポスタルサービスセンター(支社幹部の天下り組織)を経由して販売される小包で、職場の実態は90%が”自爆”で処理されていると言われている。
 試験内容は、1次は、適性試験と作文「正社員で仕事をする上で、大切だと思うこと」で、2次の面接では以下のようなことが聞かれたという。
 (作文のコピーを見て)正社員になったら、他の正社員を、どのように指導できると思いますか/非正規社員と正社員とで、求められるものの違いは何ですか/今まで、一番苦労したことは何ですか/日々の業務で、私は、これが誰にも負けないということは何ですか/営業において、大切だと思うことは/年賀のノルマは、何枚?現時点で何枚の予約を入れてますか/最終的には、何枚ぐらい、いきそうですか/かもメール・カタログゆうパックは、どうでしたか。どのように営業しますか/上司と、あなたの提案が対立したとき、どうしますか、など約30分ぐらい行われたという。
 今回の正社員化問題は非正規社員に対して一縷の希望を与えたが、管理者の評価調書(推薦)がないと採用されない、並行して新規採用がされているなど多くの問題を抱えている。希望者全員の正社員登用を郵政ユニオンは求めている。
『週刊新社会』(2010/11/23)

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