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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「日の丸・君が代」のある卒業式は「障害児」を排除する

2012年12月29日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ※ZAZAの一員である佐藤訓子さんから、職場状況の報告が届きました。ご覧ください。
  【職場状況の報告】
 ◇ 子どもが主人公の卒業式に「日の丸・君が代」はいらない!
   ~「君が代」不起立処分撤回!


 12月19日職員会議があり、来春の卒業式について議論になった。まず、昨年までと違ったことは、実施原案に「日の丸・君が代」が明記されていたことだった。原案は卒業式検討委員会での意見を踏まえたもので「日の丸・君が代」について異論は出なかったとの報告があった。「日の丸・君が代」実施は検討委員会の意思だというのだ。
 職員会議で、原案に反対する立場から何点かの意見を出した。
 昨年度の卒業式の直前に支援学級在籍の保護者から当日の式の厳粛な雰囲気を壊しては申し訳ないから欠席させたいという申し出があった。そのことから私は、「日の丸・君が代」のある卒業式は「障害児」を排除するのだと発言した。
 この発言に対して「日の丸・君が代」と「障害児」教育と結びつかないという意見が出された。
 学習指導要領では特別活動の学校行事の内容として卒業式での「日の丸・君が代」実施が書かれている。卒業式に天皇制のシンボルを持ち込むことによって「厳粛かつ清新な」儀式的行事としている。
 厳粛さは大きな声を出したり、動き回ったりする子どもたちを認めない。そういう子どもは式場外に出さなくてはならないという意識を保護者にまで強要しているのだ。
 豊中市では全国でも先進的に「障害児」教育に取り組んできた。「障害児」教育基本方針が作成され、地域で「ともに学び、ともに育つ」ことをその基本方針に掲げてきた。
 1979年の養護学校義務化は、子どもたちを能力によって差別・選別し、「障害児」を地域から排除し「養護学校」に隔離するものだった。政府・文部省(当時)の義務化に対して豊中市教組は学校現場で義務化反対にとりくんできた。「障害」があることを理由に子どもたちを分けない、差別しないということを組合方針の基本にしてきたのである。
 小学校最後の授業である「卒業式」に、「障害」を理由にして、6年間をともに過ごしてきた子どもたちを差別・分断し学習権を奪い、子どもの人権を侵害するものだ
 校外学習・学習発表会・運動会などすべての子どもたちが参加できるように創意工夫している。「卒業式」も同じようにするべきではないか。
 「日の丸・君が代」は「障害児」を排除するものになっていることを考えなくてはならない。
 ● 子どもたちへの「日の丸・君が代」刷り込み反対!

 職員会議では、校長を含め「子どもが主人公である」「教育公務員として法・条例に従う」という意見が出された。
 かつて「日の丸」を掲げた旧日本軍・皇軍は天皇の軍隊として朝鮮・中国・アジア・太平洋地域の国々を侵略し植民地とした。アジア・太平洋の人々に「君が代」を歌わせ、皇居に向かって礼拝することを強制し、「天皇の臣民」となることを誓わせたことは歴史的事実である。
 天皇のために命を捧げよと教えてきたのは学校教育であり教師であった。かつての侵略戦争の歴史をふまえるなら「日の丸・君が代」攻撃が強まっている現在、教育公務員の責任として「日の丸・君が代」に反対しなければならない
 私は解放教育にかかわるなかで、天皇制は身分差別の元凶であることを学んだ。「君が代」はその天皇を賛美する歌である。信教上の理由から起立・斉唱しない子どもたちもいる。
 いじめにあった経験から「君が代」不起立することでまたいじめられるのではないかと悩む高校生もいるのだ。子どもの人権を守るのは教員としての責任である。
 職員会議では、「日の丸・君が代」を実施した上で個々に配慮・対応すればよいとの意見が出された。しかし、これでは子どもたちの意志は尊重されず、学校と教員の権限による強行実施だけがまかり通っているのではないか。
 授業では子どもに、侵略されたアジアの国々の人の中には今も「君が代」に反対している人もいると教え、自分で判断して選択せよと語っているにもかかわらず、教員は公務員だから法に従って起立するというのは二枚舌であり、自己保身でしかない。
 今春の卒業式で「君が代」不起立で戒告処分を受け、ともに大阪府人事委員会に対して処分撤回の申し立てを闘っている教育労働者の言葉を紹介する。
 戦前・戦中の教師は、『少国民の錬成』と称して、「天皇のために死ぬ」忠君愛国の教育を誠心誠意行った。
 そして、教え子を「皇軍兵士」として侵略戦争の戦場に送り出し、また、遠く離れた満州の荒野に送り出した。
 「ひたすら忠実に国の命令に従うことを至上」(山中恒『戦争教育の裏窓』)としてきた戦前・戦中の教師は、その「教育」の結果、未来ある子ども達を多数死なせてきてしまった。
 これは、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」という教育勅語の天皇制教育を率先して行った教師の犯罪と言える。

 戦争と天皇制に反対する立場から教育労働者として学校現場で「日の丸・君が代」に反対する闘いをつくっていこう!
 「君が代」は千代に八千代にもめつづけよう!
2012年12月21日(2学期の最終日に職場で配布したビラより)

 ◆ 全国集会のお知らせ ◆
 戦争と「日の丸・君が代」に反対する労働者連絡会・豊中・北摂と教育労働者全国交流会・関西の共催で、3月2日(土)午後 エルおおさかで、「君が代」処分撤回、不起立の拡大にむけた全国集会を開催します。
 よびかけビラができましたら、再度詳細をお知らせします。

『グループZAZA』(2012-12-27)
http://blog.goo.ne.jp/zaza0924/e/0049cec600ddbd179bf0b746886bc2fc
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