Peace!!のブログ

岐阜県富加町の古い家で、小さな店をしていました。暮らしや、ご飯について、政治について思うことなど。

甘夏ケーキとぐりとぐら

2007-04-14 22:09:44 | インポート
朝、外に出ると、みるみる雲が消えていって、びっくりするくらいの青空がのぞきました。
家の裏にある樫の木も、とても明るい緑の葉を誇らしげに広げています。

都会に住んでいると、田舎をのんきなところだと勘違いしてしまいがちです。実際は、TVで時々出てくるような、底抜けに明るくて天然ボケが冴えた老夫婦みたいなのは殆どいないし、生活ぶりも「ロハス」とは程遠い。
若い人がいない農家は、日々の仕事で手一杯です。畑はたいていがめちゃくちゃだし、誰かが倒れたりすると、もう収穫もままならない。みんな都会の人と同様、必死です。
私も長い東京暮らしで、故郷の記憶を、すっかりおとぎ話の世界のように改ざんしてしまってた節があります。ときどき、びっくりするくらいカルチャーショックを味わったりする。(生まれた場所なのに!)

でも、ここでしか感じられない美しい一瞬一瞬をからだでとらえる事ができると、ああ帰ってきてよかった。と思う。
私がこのタイミングで帰ってこれて、お店ができる事、この土地をいとおしいと感じられる事を、奇跡的にハッピーだと思う。まあ、「あーもー、うっとおしいー」という日もあるけれど。

昨日、甘夏を入れたスポンジケーキを焼いていて、「ぐりとぐら」(中川李枝子作、大村百合子画)を思い出したので物置から引っ張り出してきました。
もちろん物語が優れているせいでしょうが、こんな大人になっても、可笑しいくらい正確に内容を覚えているものです。我ながらびっくりしてしまう。子供の記憶はあなどれない。

ちいさな頃から食いしん坊で、この絵本を読むたびに「ぐりとぐらのカステラが食べたい!!」と願ったものでした。あったかそうで、きいろくて、とても柔らかそうで

        そうとも、かすてらづくりの  ぐりと ぐら
        けちじゃないよ  ぐりと ぐら
        ごちそうするから  まっていて 

どういうわけか、ここを読んでいるときにちょっと泣いてしまった。
ケーキの脇においてあるナイフとフォークは、7日に行ってきた「花市」で見つけたものです。
atelier drop around という雑貨屋さん?が出していたお店で一目ぼれした、古い機内食用のナイフ&フォーク。持ち手のところに"JAPAN AIR SYSTEM" って字が入っています。