2013年7月7日(日)、いわて生協水沢店(奥州市水沢区佐倉河)に行ったので、近くを散策しました。この周辺には田んぼなどが未だ沢山残っています。200~300mほど離れた農家と思われる民家の庭に植えられているヒメシャジン(姫沙参)が、ツリガネニンジンに似た青紫色の花を沢山咲かせていました。
ヒメシャジン(姫沙参) キキョウ科 ツリガネニンジン属 Adenophora nikoensis
「沙参(しゃじん)」はツリガネニンジン類のこと。亜高山~高山の礫地などにに生える多年草。高さは20~60㎝ほどだが、草丈、葉の形や大きさは変化が多く、普通互生するが、対生するものや輪生するものもある。(葉は互生し、披針形で長さ3~7㎝。縁には鋸歯があって先は尖り、基部はくさび形となる。)根茎は長くやや太い。茎は無毛で直立し、普通数本が株立ちとなり、群生することが多い。
7~9月、花は茎の先端に1個だけのものもあるが、10個ぐらいを総状花序につけるものが多い。花冠は鐘形で先が5裂し、長さ1.5~2.5㎝ほどあり、やや下向きに咲き、普通青紫色で美しい。萼片は線形で先は鋭く尖り、縁には歯状の細かい鋸歯がある。5個の雄しべと1個の雌しべがあり、花柱は花冠とほぼ同じか、やや外へ突き出る。
同じような環境に生えるヒメヤジンの変種・ミヤマシャジン(深山沙参)var.stenophyllaは萼片が披針形で縁に鋸歯が無い点、花柱が花冠から突き出ることなどで区別できる。母種のヒメシャジンと分布域がほとんど同じで、場所によっては両方が混生していることもある。分布:本州(中部地方以北)。
[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑2・夏の花」&同「山渓カラー名鑑・日本の野草」より]