運命の12話「対決マーズとマーグ」で、ようやく2人は出会います。
ただ、マーグはズールの監視の目を誤魔化す為にタケルに攻撃をしかける。
タケルはいきなりの攻撃を食らい、土星(あれ?違ったっけ?)に不時着。
(ほとんど戦闘機に乗ったことの無いマーグに負けるって、どうよタケルw)
土星の地表で2人の超能力戦が始まります。
「俺の名はマーグ」
と、名乗った瞬間にマーグがタケルに衝撃波を放つ。
「?」
と、なった瞬間を狙われて直撃を受けるタケル。
態勢を立て直し
「貴様、何者だ!?」
と問うたタケルにマーグが答えます。
「お前は俺の弟。俺達は双子の兄弟だ!」
突然のマーグの言葉にタケルが愕然とします。
「俺に、兄が…」
マーグの言葉に警戒心を解いたタケルが思わず歩み寄ろうとしたその時、
(このシーンが良いんですよ、本当に放心状態でふらふらと歩み寄るんです)
再びマーグがタケルに衝撃波を放つ。
「マーズ、戦え!」
隙を狙われたタケルが応戦できず、苦痛に耐えながら問います
「兄弟だったら…何故!?」
「戦っている間だけ、生きていられる!」
その言葉に何かを感じ取り、ハッと気付いたタケルがマーグから逃れます。
タケルを狙っているようで、微妙に外しながら攻撃を続けるマーグ。
マーグの攻撃を上手くかわすタケル。
その間にもマーグは少しづつタケルに語りかけていきます。
「父の名はイデア。母はアイーダ」
マーグを監視しているギシン星人に気付いたタケルが、クラッシャー隊に連絡し、監視艇が爆破されます。
その爆発の光を見て、マーグが大きな溜息を一つつき、タケルに向き合います。
「父と母の記憶をお前に伝えたい」
マーグが手を差し出し、タケルも自然にその手を取ります。
そして、マーグからタケルに両親のこと2人の出生のことが伝えられます。
幸せに満ちていた一家。
しかし、ズールの一言でその幸せが一瞬にして崩れてしまう。
生まれながらにして、ズールの期待にそえるほどの超能力を持っていたマーズが、ズールの皇子として無理矢理に召し上げられる。
(TV版では"双子の一人を儂にくれぬか"とズールが言っていますが、外伝では"この子供(マーズ)は儂の期待にそえる"と、マーズに注目しています)
マーズを人質同然に奪われ、やむを得ず反陽子爆弾を作る父・イデア。
タケルは、初めて自分の出自を知り、そして自分がズールの子ではないことが判り、血を分けた肉親を目の前にして、ようやくマーグに兄弟として向き合うのです。
(このシーンの笑顔が、また良い!演出家もこの2人の出会いには物凄く思い入れがあったそうです)
17年間引き離されていた双子が再び出会い、地球で共にズールと戦おう。
そう誓ったのもつかの間、マーグがギシン星人に捕らわれてしまうのです。
ここからがねー、もう、製作陣はどれだけ鬼畜なのwって展開になります。
マーグは洗脳され、マーズを殺すべくタケルの前に立ちはだかります。
先日も書いたように、兄が洗脳されたことを知らないタケルは、マーグの変貌ぶりに動揺し、身も心もズタズタになってしまいます。
マーグが優秀なのは、タケルの超能力が衰えるとゴッドマーズの合体が維持できないことを突き止めたこと。
兄さん、さすがですねえ。伊達にズールの城で生き延びてきた訳じゃありませんな。
一方タケルは、兄に巡り合えた喜びも一瞬のうちに消え去り、再び奈落の底に突き落とされます。
血を分けた兄に出会い、肉親の情を知ってしまったが故に、タケルの孤独感は一層深い物になってしまうんですよ。
変貌したマーグに敗れた後、タケルは養母に詰め寄るんです。
「どうして俺を産んでくれなかったんだ!」
「俺が地球人だったら…マーグと兄弟でなかったら…」
ギシン星との戦いが始まってから、タケルが養母に対して初めて感情を露わにシーンでした。
当時は見ていてもふーんて感じで流していたのですが、大人になってから見るとものすんごい切なくて切なくて。
(本放映当時はタケルよりも年下のお子ちゃまでしたからね。この辺りの機微はまだそんなに理解できていなかったんですよ)
いくら自分は地球人だと言っていても、本当の地球人にはなれない。地球をどれだけ愛していても、自分の身体に流れているのは地球人の血ではなく、ギシン星人の血である。
タケルはそれがどうしても許せなかったのでしょう。
育ての両親に敬語を使って話していたタケルが、初めて養母に感情をぶつけた。
タケルはそれが八つ当たりだと判っていても、それでも養母を責めることしかできなかった。
養母・静子も自分を責めるタケルにかける言葉もなく、ただただタケルを見つめるしかなく。
この時のタケルには、実の子同然に育ててくれた静子でさえ、いや、そういう静子だからこそ実の親子で無いという事実が鋭い刃物のように胸に刺さっているように感じていたのでしょう。
母星だけでなく、ただ一人の肉親すら敵として戦わなくてはいけないタケル。
ギシン星に戻り地球を爆破するか、殺されてしまえば楽になれると判っていても、生まれた星の事を何も知らず、母星の人間に殺されようとしているタケルにとっては、自分を育ててくれた地球を守ることだけが生きる意味になっていたのでしょう。
…書いててすっごいヘビーな気持ちになってきましたよorz
ストーリー構成のF川先生、本当にあなたは鬼畜ですねえw
原作の「マーズ」よりヘビーですよ。
でも、これが当時の乙女たちのハートを鷲掴みにしたんですよね。
(私もその中の一人なわけですが)
制作陣の意中に見事なまでにハマってしまったんですが。
以前、どこかのエントリーで書いたんですが、私はアニメ作品としてはGMよりもヤマトが好きなんです。
でも、キャラクターは、古代くんよりもタケルの方が好きなんです。(をっと、言っちまったぜ)
その理由が、先日から書いているように、主人公の描写の掘り下げ方の違いなんだと思います。
そもそもヤマトは群像劇であって、主人公は古代進となっていますが、古代くんは"ヤマト"の象徴みたいな存在として描かれていて、彼個人を深く掘り下げるような描写はタケルほど多くないんです。
対してタケルはね…タケルしか出てないじゃんwみたいな状態ですし、台詞も"明神タケル"というキャラクターのイメージがぶれないように、脚本家と演出家の方達が細かいところまで詰めてたそうなんです。
(特に演出のI沢氏の仕事っぷりが素晴らしかったですね)
気分がヘビーになったので話しを逸らしてみましたw
でもねー、この先が更にヘビーですもんね。タケルにとっては(爆)
自分の為に命がけで記憶を伝えてくれた兄。
その兄とタケルが戦える筈もなくて。
ゴッドマーズの手の中にマーグの宇宙艇を捉えた時、「俺には出来ない」と、マーグを逃がしてしまったりもします。
地球人側にしてみたら、「兄だからって手加減すんなよ」って状態が幾度か続きます。
そして、ゴッドマーズ最大の山場(?)の19話。南極での2人の対峙。
クレバスに落ち、気を失ったマーグを前にしたタケルがぐっと拳を握りしめます。
「地球に害を及ぼす以上、やむを得ない。…殺す」
兄を殺せば自分は本当に天涯孤独の身の上になってしまう。
しかし、兄を生かしておく限り自分の身と地球に害が及び続ける。
すごい決断ですよね。
普通の生活を送っていた17歳の少年が、いきなり地球の運命を背負わされて、その挙句にたった一人の肉親と地球とどちらを取るかを迫られるんですから。
しかも、「倒す」じゃなくて「殺す」ですもん。それも双子の兄を。
(ここで「ヤマトよ永遠に」で、サーシャごと敵母星を撃たなければならない古代くんが重なるんですよね…)
ここで運命の悪戯か、マーグが意識を取り戻すと同時に記憶も取り戻すんです。
今にもマーグを殺さんと厳しかったタケルの表情が、一気に弟の表情へと変貌します。
優しい兄が戻ってきた嬉しさでいっぱいのタケル。
「もう絶対に離さない」
これで兄と一緒に居られる。地球で共に過ごすことが出来る。今度こそ17年という時間を埋めることが出来る。
タケルがそう喜んだのも束の間、マーズとロゼの戦いを止めようとマーグが間に入り、その命を散らしてしまうのです。
「もう誰にも渡さない。兄さんは俺のものだ。地球のものだ!」
これが乙女を腐に走らせた最大の名セリフです(爆)
この台詞はプロデューサー(実は漫画ヲタ)が、狙って言わせたんですよ(激爆)
はいはい、そのプロデューサーの思うツボにハマりましたよ、私達はwww
そしてタケルはたった一人の肉親を失ってしまう。目の前で。
兄の死によって、タケルはギシン星に対して未練も何も無くなってしまいます。
(実の両親はとうに殺されていますし)
マーグを失った後、タケルとクラッシャー隊はギシン星に向かいます。
一応、和平の為に向かうのですが、ズールに対してそういう話が通じる訳もなく、ギシン星でズールと直接対決する事態になります。
(この過程で、マーグを死なせてしまったロゼと、タケルは和解し、ロゼは地球側に付きます)
ズールの強大な超能力に圧倒され、劣勢となったタケルは亡き実父の残したメッセージを聞き、命を投げうってズールと共に自爆する途を選ぶのですが。
その時のタケルのモノローグがね
「マーグ、もうすぐお前の居るところに行くぞ」
なのですよ。
もう、どれだけお兄ちゃん子なのタケル。
と言うか、マーグと記憶を共有した後に無理矢理マーグと引き離されたタケルは、クラッシャー隊の仲間や養母・静子でも埋められない寂しさ、孤独感、虚無感を内に抱えていたんですね。
結局、実父のメッセージの通り奇跡が起こり、ガイヤーの反陽子爆弾のエネルギーがズールに流れ込み、ズールは消滅。ゴッドマーズとタケルは無事に生き残ったのです。
そのせいで、タケルは「兄さん」と、すぐマーグに頼ってしまう、超絶ブラコン主人公になってしまったんですけどね(爆)
その後のマルメロ星編でも、地球とマルメロ星の板挟みになり、再度地球から追放されたり、銀河に一人ぼっち状態になったりするんですよねw
挙句、静子ママから「あなたは超能力者。他の人(地球人)とは違います」とまで言われてしまうし。
「俺は地球には居られない人間なんだ」
って、地球を飛び出してしまうんですよね…。壮大な家出だw
紆余曲折を経て、マルメロ星の事件も片付くのですが、そこでまたタケルが迷うんです。
「俺は地球に戻らない方がいいんじゃないか」
と。地球に災厄を招いているのは自分じゃないかと。(まあ、その通りなんですけどねw)
地球編でそれこそ命を削ってまで地球を守る為に戦ったタケルですが、復活したズールを倒した後、仲間達に一言も言わずにゴッドマーズで地球を離れてしまいます。
宇宙の生きとし生けるものの絆となる為に。
仲間には何も言わずとも判って貰えると思っていたのか、どうかは定かではありませんがw
F川氏の脚本では、一旦仲間たちと言葉を交わし、六神ロボを操るペンダントと六神ロボをナミダ(と言う少年がいるのですよ)に託して、地球を離れる。と、いうことになっていたそうです。
しかし、演出のI沢氏が放映されたように、仲間たちに別れも告げずに宇宙へ行ってしまうという話にしました。
物語の締めくくりとしては、I沢氏の演出の方が良かったと思っています。
マーズは地球という枠の中では生きにくかったのだと。
そして、もう明神タケルとして生きていくことは彼にとって難しい事になってしまったのだと。
宇宙へ旅立ったマーズの後をロゼが追い、2人は共に歩んで行きます。
明神タケルではなく、マーズを愛したロゼの存在によって、タケルはようやく孤独から解放されたんではなないのでしょうか。
だから私はタケロゼに抵抗が無いんだろうなあ。
(カミングアウトしますが、実は古代くんとユキというカップルは苦手なのです(苦笑)その理由はまたいずれ)
ぎゃー!超長文になってしまった(滝汗)
しかもなんかまとまり無いし(冷汗)
ここまで読んで下さった皆さま、皆さまのその強固な意志に深く感謝いたします。
でも、GMに(てか、タケルに)対する思いを吐き出せて、とてもスッキリしました。
やっぱりタケルが好きだよー!
では最後に、昨日の線画に色をつけたものを。
背景などの書き込みは苦手なので、いつも真っ白ですw
小さい画像をポチると、大きな画像が開きますので、背後に充分ご注意くださいw

ん?あれ?これって描きかけのだったかな?
ま、いっかw