今日も地球は周ってる

管理人の趣味や日々のことを徒然に。宇宙戦艦ヤマト好きーが現在進行形。時々、六神合体ゴッドマーズ。ALの右オタも兼務

シン・ゴジラ

2016-08-19 04:36:27 | 映画
観てきました。
地元では上映してないので、少し足を延ばして初めての場所に。
ショッピングモールの中にあり、そのモールに行きたい店があるし。と、いうことで。

自転車でJR駅まで出て、3駅向こうまで。
田舎のJRだから、1駅の駅間が長いよ?(笑)
乗車時間12分w
到着駅前のバスターミナルから、バスで更に25分。

とりあえず、飲み物と菓子パンを1つ買って、チケットを発券しに行く。
発券したら動く気がなくなったので、そのまま劇場前で待つことに。
さすが日曜日、めっちゃ混んでるわ!

走り回る小学校中学年坊主、お前はとりあえずじとしてろ!!

のんびりまったりしてたら、あっという間に入場に。


  <中略>


物凄く良かった!!
面白かった!

久々に良い怪獣映画を見たわ(≧▽≦)

怪獣映画と言う括りが適切なのかはわからないけど、一応ゴジラだから怪獣映画だよね?

シン・ゴジラは、日本人と日本人以外の人とでは、全く別の映画を見ている気分になるかもしれない。
全く違う感想が出てくるかもしれない。そんな映画だった。
でも、それで良いのですよ。
シン・ゴジラは、観た人の心の中を映し出す映画。

だから感想のまとめを読んでいると色々と面白い。

ネタバレを読んで「そうそう!!」って(笑)

映画を一人で観に行く事は多いけど、シン・ゴジラは観終わった後に「ちくしょー!ガッツリ語りたいじゃないか!!」状態にw
だって全編に渡って色々散りばめられてて、それを見つけて答え合わせしてくなるんだもん!

今、脳内処理能力が落ちてるから、うまくかけません。

少しでも自分に「オタク」の気質があると思うなら、これは観るべきです。
将来映像やりたいと思う人も。アニメは特撮に興味が無くても観るべき。
だって、シン・ゴジラの手法は、単に怪獣映画や特撮と言うだけでなく、日本の過去の邦画の良い手法も取り入れてるから。
クリエーター目指すなら必見の映画。

ぜぇぜぇ。

緻密な計算によって作り上げられた世界と言うのは、本当に心地よい。

あと3回は観たいぞ(笑)

ATTACK on TITAN 進撃の巨人 ネタバレ満載

2015-08-22 09:29:56 | 映画
早く続きが見たいっ!
あと1か月も待てない!!

もう、ガンガンネタバレしてるから、まだ観てないからって読んじゃっても責任取りませんよ(笑)



下手にCGに走らなかった制作陣にまずは惜しみない賛辞を!
12人掛かりで動かした、50m級巨人の動きは特撮ならではって感じで良かったです。
謎の生物っぽい、不思議な動き。
動きのスピードや、次の挙動が読めない気持ち悪さ。
堪らんかったです!

そして、特殊メイクの通常の巨人達。
中の人は役者さんとエキストラさんなんだったかな?
あれもCGにしなくて正解。
生物っぽいスピードの鈍い動作がね、本当に良い感じ。
見ていて「アニメの巨人よりも気持ち悪くていいわ、コレw」って思いました。
CGで動かしたら、関節や筋肉、身体全体の動作が計算されたものになって、あの独特感が出せそうにないもの。

でね、エキストラさんもスゴイ!
あれだけの人数が居て、巨人が襲ってきてパニック状態の所の人の流れがちゃんと出来上がってるもの。
赤ちゃんを連れた母親が人の波の飲まれてて、エレンやミカサが助けようとして離れ離れになる所も、エキストラさんの動きがキッチリ決められててパニック状態ながらも、滑らかに画面の中を人が移動してる。
その中に取り残されるミカサと、人波に揉まれながら建物に入ってしまったエレン。
見ていて、監督や演出さんの指示スゲーって感心していました。
恐怖のあまり、しゃがみこんで泣き叫んでいた幼い女の子。あの子は役者さんなのかな?
とても表情が良かったなあ。ああいう1カットが一瞬挟み込まれる事で群集パニックの様子が引き締まるって言うか。
喰われる人達も臨場感溢れるっていうか、実際には見る事も無いシーンだろうに、「こうやって抵抗虚しく喰われるしかないんだ…」って言う虚無感。
熊や狼などの猛獣に人が喰われる時もこんな感じなのだろうか。とか考えたりして。
でも、獣は柔らかい腹から喰うだろうから意識があるまま喰われるよね。巨人は見境なしに適当に食い千切るから、これも気持ち悪いよね。
など、つらつらと考えたり。

グロいシーンなのに、全然グロいと感じてない自分の神経を疑いますよ(苦笑)

で。
肝心のエレン。
存在感無いのw
世捨て人っぽい癖に妙に熱くなったり。
ミカサを失った事がトラウマになっているっぽいけど、ヒアナに惹かれたり。
きっと、自分を包んでくれる人が欲しかったのかな?
ミカサを失った(と思いこんだ)時から。

志願すれば残された家族の生活を保障してくれる。
そういう理由で志願した兵たち。
この辺りが結構リアルよね。そして寄せ集めの有象無象な兵士っぽいところがいい。
壁の修復に行くと言う緊張感を強いられる行軍の中でも、愛し合う恋人とか。
あんな世界でも、人間は生きているんだな。と、人の本能の営みは失われない。
そういう所が人間臭くていい感じ。
そうか、これは人間が巨人と戦う話だから、人間皆が主人公なんだよね。
最終的に、その先鋒に立つのがエレンになるけれど。


唐突に現れるのが、シキシマとミカサ。
エレンがミカサに追い縋ろうとしても、ミカサはエレンに一瞥をくれただけで、シキシマと共に消える。
この後もいいのよねー。
シキシマがエレンを煽って、立体起動装置を使わせちゃうところとか。
これはリヴァイじゃなくてシキシマになって正解。
でも、シキシマも白いハンカチを持っててリヴァイの潔癖症を覗かせてる。
リヴァイ的立場だけど、リヴァイとは違うと言う演出。

エレンとミカサの二人きりのシーンは何とも言えない迫力。
生きていたミカサに声を掛けて、再会を喜びたいエレンに対して、巨人に喰われかけた時の腹の傷を見せるミカサ。
そして、何も言えなくなるエレン。
そこに現れたシキシマがミカサの肩を抱き寄せる。
BGMもBGも何もなく、ただ台詞だけが静かに流れる。
ここは前編でも3本の指に入る名シーンかも。
私はここのシーンが好きだなあ。うん。

ここまで本当に無力なエレン。
そんなエレンが愛しくなっちゃうのよね(苦笑)
こういう情けない、弱い主人公ってツボなのよ。
しかも演じてるのが春馬さんだもの。
私がこの映画を観ない筈がない。
そして褒めない筈が無いww

そう言えば、サシャとアルミンの2人がほのぼのとしてて、「残酷な世界」の中での癒しになってましたなあ。
原作では2人は別に何の関係もなく、同期として一緒に戦う戦友なだけですけど。
サシャの弓使いのエピソードもいいよね。
足りない分は自分で狩って、食べる。実にシンプルでストレート。
大飯ぐらいだから口減らしに兵士にされたけど、その弓が活かせる設定が良い。
名前を持つキャラの設定に、スキが無いのがいい。
農場を持ってて弟妹がたくさんいる力持ちで、斧使いが上手いとか。
塀の中の富裕層の坊ちゃんとか(何で志願したんだっけ?)
アルミンは頭が切れると言う、当初の設定がそのまま生かされてるし。
そんな中でエレンだけが、何も無いんだよね。
まるで、食べる為だけに兵士になったけど、自分には何の才も無い。
ただ生きてるだけ。
だから坊ちゃんに喧嘩を売られて買うくらいしか出来ない。
いいね、いいね、弱っちくて情けない主人公w

んで、唐突にラスト。
巨人に喰われそうになったアルミンを助け出したものの、自分が喰われてしまったエレン。
しかも、片腕だけ残して…(ここが皆が一番エグいって思ったのかな?)
巨人の胃袋の中の描写が原作と違ってたね。
ちゃんと喰った人間を消化してたもの。
原作では確か消化できないんじゃなかったっけ?排泄機能がないから。
で、融けかかってる死体を見て恐怖で叫ぶエレン。

ここからが良かったねー。
巨人の口から何かの手がニューっと出てきて、まるで卵から孵化するかのように、エレンゲリオンwが出て来る。
出てきた時はその身体が燃えるように赤くなってて、顔は見えない。
身体からシューシューと音がする。
そして、むくりと顔が上がると…耳まで裂けた口に歯が並び、今までの巨人とは明らかに違う黒髪の巨人の登場。
人間には見向きもせず、巨人だけを狙って襲い掛かる…。
人類が初めて見た、巨人を襲う黒髪の巨人。

力尽きた黒髪の巨人のうなじから出てきたのは…。

ここで「早く後編を見せろーーーーーー!!」って心の中で叫びましたよw
あと1か月、待ち遠し過ぎます!

黒髪巨人のうなじから出てきた粘液まみれのエレンが、いかにも「巨人の身体と一体化したました」感があってツボってました。

そして、ハンジさんがハンジさん過ぎて素晴らしかった!
原作でもハンジさんが一番好きなキャラだったからww
石原さとみさん、緒方恵美さんと連絡を取って、ハンジ像を作り上げていったそうですね。
最初、「え?この人がハンジさん?」て思いましたけど、いやあ、女優さんて凄い。
本当にハンジさんそのものでしたもの。あのマッドぷりとか。
後編でエレンに対してあのマッドぷりが出て来るのかと思うと、激しくwktkです(笑)

後編はどこの劇場でみようかなあ?
足を延ばして4DXでもいいかな?

「ノア 約束の舟」←ほんのちょっとだけGMを絡めてみたりw

2014-06-22 16:13:43 | 映画
タイトルを見て、

「HACHI 約束の犬」

そっくりだ。と、吹き出しかけました(苦笑)
何故、日本語タイトルにする時に余分な言葉を入れたがるのでしょう。
「グラヴィティ・ゼロ」を観た後には「ゼロ」って要らないじゃんて思いました。
あのラストを観れば「ゼロ」が不要と多くの人が思うでしょうに。

ま、それは置いておいて。

以下、映画のネタばれになるので、未見の人でネタばれがお嫌な方は回れ右をなさって下さいね。
改行のあと、映画の感想です。









































基本的には聖書の創世記に忠実な内容です。
但し、創世記に記されている事があまりに言葉が少ないため、現代的にどう解釈して聖書の隙間を埋めるのか。
と、いった感じになります。

その聖書の解釈はやはりキリスト教徒で無いと出てこない発想だなあ。と、言うのが第一印象。
仏教・神道中心の日本人には理解が及ばない部分もあるかと思います。

襲われた村で、ただ独り生き残っていた幼い少女・イラ。
彼女を助け、家族同様に育てるノア一家。
聖書にはイラの事は何一つ書かれていないんですよね。
イラは幼い時の傷が元で、子が産めない身体になってしまいました。
それでも、ノア一家と共に時を過ごして成長し、ノアの長子・セムの妻となります。

セムとイラの姿を目にしたハムは「僕の妻は?」と言いますが、ノアは良い返事をしません。
そのうちに神の啓示により、ノアは方舟を作り始めます。
ハムは言う事を聞いてくれない父に背き町に行き、一人の少女と出会います。
その彼女を連れて方舟に戻ろうとした時、神が相応しくない人間としたカインの子孫や町の人々が方舟を奪おうとやってきます。
そして、ハムと一緒の少女は罠に足を挟まれ、ハムと共に行く事が出来なくなってしまいました。

この時のノアが、とても神に選ばれた人とは思えないぐらいおっかなくて。
罠に捕らえられた少女を心配するハムを鬼畜の形相で方舟に連れ戻します。
人を守る物として下界に居て、姿を変えられた天使達はノア達や方舟を守る為に戦います。
ここの描写がいかにもハリウッドでねえ(笑)
やはり、こういう絵を入れずにはいられないわけねー。
とか思ったり。
姿を変えられた天使が、襲い来る人々に倒され、元の姿になって天に昇っていくシーンは美しかった♪

そして、雨が降り出し地から水が湧き出し、森の遥か向こうから大きな水の塊りがやってきます。
(このシーン、3.11で生中継された津波のシーンを思い出して、ちょっと怖かったです)

そして、地に残った全ての人々が水に飲みこまれてしまいます。

方舟の中で、イラが妊娠した事が判ります。勿論、セムの子供です。
セムが彼女の傷跡に口づけした時に、傷跡が治ったのだったかな?
そして、お腹の子に祝福を貰おうとセム、ノアの妻と共にノアの所に行きます。が。
イラの妊娠を知ったノアは烈しく怒ります。
「お腹の子が男の子であったら生かす。だが、女の子であったらただちに死なせる」と。
それから、セムとイラとノアの妻はセムとイラが方舟から逃げ出せるように筏を作り、食糧を摘みます。
そして、月満ちてもうすぐ産まれると言う頃に、セムとイラが筏で方舟を離れようとすると…
ノアが火矢で筏を燃やしてしまいます。

末の子ヤフェトが放ったカラスは足が綺麗なまま戻り、まだ何処にも地面が無い事を知らせます。
その後に放った鳩がオリーブの若葉を咥え戻ってきた時。
方舟は岩山にぶつかり止まる。←これがトルコと旧ソ連国境にある、アララト山です。

その頃、イラは出産していました。
産まれたのは女の子。その子を胸に抱いて泣くイラ。
そうするともう一人の子が。
産まれたのは双子の女の子でした。
双子の女の子を殺そうとするノアに、イラは「せめてこの子たちが泣きやむまで待って」と子守唄を歌います。
それは、かつて、ノアがイラに歌って聞かせた子守唄。
イラが抱く双子はいつしか泣きやみ静かに眠ります。
ノアは、静かに眠る赤子を見て、殺す事を止め、その額にキスします。

この時、イラの双子の抱き方がね、アイーダママがマーグとマーズを抱いている時と同じ抱き方だったの!!
片手に一人づつ抱きかかえてる状態。
私的には、ここが一番の萌えどころでございました←をいww
そうか、西洋的には双子と言うのはこうやって抱くのね。と。
しかもノアの方舟で描写されているのと同じ抱き方ってのは、
マーグとマーズの双子の神聖さと言うか、神格性を表現してるわけなのね…。
30年以上前のアニメなのに、細かい所の拘りがいちいち凄い!
このシーンを見られただけで、この映画を見て良かったと思った私ですw←をい

旧約聖書では、最初からセム、ハム、ヤフェトの3人に妻がいるのですが、
映画では妻をもったのはセムだけでした。
そしてハムは家族から離れ一人旅立ちます。

ノアが祭壇を作り、神に祈りを捧げると、空には虹の輪が何度も現れては消えます。
これによって、これから産まれてくる人間には神による祝福があたえられたことに。


しかし、神が人類の未来を祝福し、二度と大洪水のような事で滅ぼす事は無いと創世記に記されているのに、
終末論が無くならないのはどうしてなのでしょうねえ(苦笑)
そういう人は、神の祝福を受けられなかったのか、背いた人なのでしょうか?(苦笑)

聖書のノアと随分人格が違うノアでしたが、これはこれで良かったと思います。
だって、聖書そのままを描くのではなく、聖書を再解釈して作られた映画なのですから。

成長後のイラを演じたのはエマ・ワトソンでしたが、すっかりハリポタのハーマイオニーのイメージが払拭されてて、
ステキな女優さんになっていましたねえ。
最後のスタッフロールまで、エマワトソンだなんて気がつきませんでしたものwww←タダでさえ芸能人音痴

ポンペイにするかノアにするか迷ってノアにしましたが、ノアを観て良かったです。
でも、ポンペイも見たいのも事実w
SFも好きだけど、こういう神話や古代のお話しの映画も面白いですもん。

ゼロ・グラビティ

2014-01-07 14:45:44 | 映画
観てきました。
3D IMAXで。
さすがに迫力ありました。
音も立体的に聞こえるので、ごく自然な感じ。
このシステム、良いですね♪
但し、あまり音のデカい物だと、私の身体が持ちませんがww

観終わって最初に思ったのは、邦題の「ゼロ」いらんやんか。ってこと。
「グラビティ」だけでいいじゃん。て。

確かに映画の舞台は宇宙だから無重力だけど、だけど、この邦題だと、映画の最後が台無しなんですよね。

あと、突っ込みどころも多くて、笑えてしまった個所も多々(笑)
内容はシリアスなんだけど、私が突っ込みたいだけです。
私が笑いたいだけです。

よくこの内容で90分も撮れたなあ。
ってのが、正直な感想。

でも、面白かったです。
突っ込みどころ含めて面白かった。
決して悪い作品ではありません。
SFに興味のある方。
特にヤマトのファンの方にはお勧めしたい感じ。

ただ、誰しもが楽しめるかどうかは…(苦笑)

そして、可能な限り3D IMAXでの鑑賞をお勧めします。

「永遠の…」

2014-01-03 23:50:15 | 映画
そこには「0」が入っていた。

読み仮名は振られていない。

「ゼロ」
「レイ」

物語が物語なだけに「レイ」は無いよね。
「ゼロ」だよね。
TVなどでも「ゼロ」って言われているし。

でも、どうして「ゼロ」や「零」と書かなくて「0」なのかな。



そう言えば、テニスでの得点のカウントでは
「0」は「ラブ」と言う。
その「ラブ」は「Love」


じゃあ、この映画のタイトルは「永遠の愛」

その「愛」は特定の誰かに向けられたものだけでなく、その周りの人や、
未来の人に向けられたもの。
そして、今から始まるから「0」


何て深いタイトルだったのだろう。
って、気が付きました。
百田先生、あなたは素晴らしいです。

「永遠の0」

「永遠の0」観てきました

2013-12-27 09:35:09 | 映画
昨日、「永遠の0」を観てきました。
11:00の回でしたが、300人入る箱には、20人強のお客さん。
後部座席に集中しておいででした(苦笑)

若いカップルもいらっしゃいましたが、大半は50代以上とお見受けいたしました。

この映画、物凄く泣けたんです。
色々な人の思い、その思いに触れて何10年も忘れずに生きて人達。
知らず知らずに錯綜する人生。

簡単に言葉にすることが出来ません。
上映中、声を上げて泣きそうになるのを堪えるのに必死でした。
アニメファン的に言えば
「さらば宇宙戦艦ヤマト」を観た時に匹敵する想いです。
描き方は正反対ですが。

この映画は監督、キャスト、観た人のインタビューだけでは判らない程の素晴らしいメッセージを秘めています。
どうか、若い方も御年を召した方も、或いは小学生のお子さんを連れてご覧になって下さい。
言葉じゃなく、心で感じて下さい。

あの時代を必死に生きた、そして、未来を我々に託してくれた人の想いを。

「おじいちゃんの里帰り」

2013-12-18 11:03:14 | 映画
「おじいちゃんの里帰り」を観に行ってきました。
大きな劇場でなく、駅裏の路地の小さな単館劇場です。
今まで行った中で、間違いなく一番小さな劇場。
友人が
「試写会みたい(笑)」
って笑っていました。
私が行った事ある試写会は4000人クラスの大きな会場だったので(苦笑)


予想していた内容と随分違っていました。
と、言うか、自分がドイツとトルコの関係の深さに気付いていなかったこと、
「トルコ人」と言っても一枚岩ではない事、
などを痛切に感じさせられました。


ガスト・アルバイター。
ドイツが迎え入れた、外国人労働者の事。
ガストはドイツ語で「客」と言う意味。
それでも、ガスト・アルバイターの彼らとその家族は、
(西)ドイツ市民と同じ教育を受け、医療や福祉を受けることができた。
国籍関係なく。
それは、ガスト・アルバイターがドイツの経済・工業にとって非常に有益な存在であったから。
そして、トルコで生まれ、ドイツで育った子供達は次第にドイツの生活に溶け込んでいく。
ドイツで生まれ、ドイツで育った子も、ドイツでトルコ人として違和感なく成長していく。

が、彼らの子供世代(三世代目)は事情が違った。
自分達はドイツ人だと思っていても、周囲はトルコ人だと言う。
自分のアイデンティティが何処にあるのかが判らない。
ドイツ語を母語として育った孫娘は、英国人と恋に落ちる。
祖父母や両親が第二の故郷と思ったドイツでは無い国の人間と。

そんな中で、家族の首長である「おじいちゃん」がトルコに帰る事を決める。
帰る。と、言ってもちょっとした里帰り。
おじいちゃんとおばあちゃんは、ドイツのパスポートを持っているのだから。



「移民」
一言で言うと物凄く薄っぺらで簡単な言葉。
でも、外国からやって来る彼らは、最初から移民先の文化に溶け込むつもりや、言葉が話せるつもりで来るわけではない。
彼らが育った文化や言葉を背負ってやってくるのだ。
1960年代のドイツは、そういった事も全て容認し、受容して「移民」としてのトルコ人を受け入れた。
イタリアやスペインと言った、南欧ならまだしも欧州として受け入れられ易いのと違い、
宗教も肌の色も、瞳の色も、文化も全く違う彼らを。

移住してきてすぐに直面するのが「トイレ」問題。
これは、当時のトルコの一般家庭のトイレがどのようであったかを知らないと理解出来ない事だと思う。
トルコの古い家のトイレは、日本の和式トイレに似ている。それも、水洗でなく…所謂、ボットン…。
洋式トイレを目の当たりにした若き祖母は「ドイツ人の病気が移る!」と、たわしで念入りにトイレを掃除し始めます。
そして、トイレを我慢できない息子。
一見、コメディのようだけど、トイレという些細な違いですら、文化的には大きく違う問題になってしまう。
それを面白おかしく描いている。

宗教についても同じ。
ドイツに行く前に、息子は「ドイツ人の宗教は、神の肉を食べ、血を飲むのだ」と、友人に言われ、夢に見るほど怯えます。
これは当たらずとも遠からじで、日曜礼拝の際、聖餐を戴きます。
これはキリストの肉と血を分かち合うことで、キリストの苦難を偲ぶこととされています。
実際には一口ほどのパンや薄いビスケット、そして赤ワインですが。
ドイツの家に着いたばかり、台所の棚のカーテンを開けたら、磔刑にされたキリストの像があり、息子は腰を抜かしてしまいます。
これも、宗教の内情を知らないと笑えないのかもしれません。

おじいちゃんとおばあちゃんが、晴れてドイツのパスポートを受け取る際の映像も効果的でした。
「これから、豚肉を食べますか?」
と、誓約書を書かされるのです。
書いた途端に、棚から出てくる豚肉料理。(アイスバインのようにも見受けられました)
これはイスラム教を信仰するトルコ人にとっては、最大の難関でしょう(苦笑)
結局は、おじいちゃんが見た夢だったのですけど。

と、映画のあちらこちらにトルコとドイツの宗教、民俗、文化の違いがちりばめられていて、
それらを知った上で見ると、非常に奥の深い物語を感じることが出来ると思います。
知らなくても、温かい家族の映画を楽しめると思います。

そして「おじいちゃんの里帰り」には、そんな意味もあったのか…。
とハッとさせられる場面。

ユーモラスに、丁寧に、描かれているけど、とても社会派な映画だと思いました。
トルコが好きな人は、是非、見て欲しいと思います。

そして、日本政府が今、何故、安い労働力として移民を受け入れようとしているのか、
それが薄っすらと解るような作品でもあります。
(でも、今の日本は1960年代のドイツではありませんから、今、安い労働力として移民を受け入れるのは非常に困難だと思います。そして、ドイツのように上手くいくことも無いと思います)

「おじいちゃんの里帰り」
とても良い作品でした。
予告の「ある精肉店のはなし」も見たくなりました。
タイミングが合えば、「おじいちゃん…」を観に行った友人と観に行くことにします。

映画は娯楽でもあるけれど、同時にドキュメンタリーでもあるのだな。
久々に、そう感じました。

メモ2

2013-01-25 21:03:55 | 映画
「東ベルリンから来た女」 http://eiga.com/movie/77551/
なんで東京でしか上映されないんだろう(T_T)
せめて大阪に来てくれれば…。

本日放送の「アテルイ伝」
兄弟の話が、タケルとマーグに思えてしまった…。
ますますGMにダブる(T_T)