「ただいま」
帰宅した古代の顔が嬉しそうにほころんでいる。
「おかえりなさい。今日は通院だったのでしょ?病院で何か良いことでもあったの?」
と、雪が問うのに
「凄い物が手に入ったんだ。まさか手に入るとは思わなかったよ。」
古代が少し興奮気味に嬉しそうに話す。
こんな風に古代が興奮気味に話すことなど、ここしばらく無かったことだ。
その身に巣食っている病の為に、いつも静かで穏やかだったからだ。
それを判っているだけに、雪も古代の話に興味を持った。
「まあ、何かしら?あなたがそんなに興奮するなんて」
古代が手に入れて喜ぶもの…。それは本当に限られた物。
物欲などほとんど無いに等しい古代だからだ。
その古代が喜ぶものと言えば…。雪にはおぼろげに想像ができた。
「何かの植物でも?」
「!よく判ったね、雪」
古代が目を丸くする。
フフフと雪が小さく笑う。
だってあなたのことですもの。とは口にはしない。
「種なんだ。」
「種?何の?」
古代が上着のポケットから、小さく丁寧にたたまれた紙包みを取り出し、広げる。
そこには小指の爪ほどの大きさの3粒の種があった。
「見た事があるような気もするけど…判らないわ。」
少しおどけたように、降参して雪が言う。
その様子に古代が微笑む。
「これはね、桜の種なんだ。」
「まあ、桜?」
雪が驚く。
まだ地上の木々は少なく、管理されたエリアにしか植樹されていない。
その種子も管理されており、一般人が植物の種を手に入れることは非常に困難だったからだ。
花々はそれでもまだ一般の手に渡るようになってはいたが。
「うん。桜の種。個人で保管していた方がいらっしゃって。
色々話しているうちに分けて下さったんだ。」
いつも細かな経緯は説明しない古代のこと。
桜の種についても詳細には触れることはないが、この嬉しそうな様子から、古代が相当熱心だったであろうことは想像に難くなかった。
それにしても。と、雪は思った。
「よく個人で桜の種を保存してらしたわね。保存状態も環境を整えなくちゃいけないと思うし。」
「僕も詳しくは尋ねなかったんだ。プライバシーにも関わりそうだしね。
でも植物のことに詳しくて、こと、桜についてはとても熱心な方なんだよ。
おっといけない。種を蒔くまでは冷蔵庫に入れておかなきゃいけないんだ。」
と、慌ててキッチンに向かう古代を雪は微笑んで見ていた。
それが秋の事だった。
冬、古代と雪は鉢に桜の種を蒔いた。
種の持ち主からのレクチャー通りに。
そして。
「雪!雪!」
古代が大きな声で雪を呼ぶ。
「どうしたの?」
「見てごらんよ」
キッチンからリビングに顔を出した雪に古代が手招きをする。
「ほら!」
嬉しそうに古代が指差すその先には、冬に桜の種を蒔いた鉢があった。
そして、その鉢には小さな緑の芽が芽吹いていた。
「芽が出たよ。スゴイや。
遊星爆弾で地表が汚染される前に採取されてから今までずっと眠っていたのに。
ずっと種のままだったけど、ちゃんと生きていたんだ。」
あまり感情をストレートに表さない古代が、心底から喜んでいる。
その姿に雪は嬉しさを感じていた。
ガミラスの遊星爆弾や太陽の核融合異常増進で失われた自然が、不安定ながらも蘇ってきていることに。
小さな命の力強い芽吹きを目の当たりにしたことに。
それを喜ぶ古代の姿を見ることができたことに。
「花が咲くまでどれくらいかかるのかしら?」
雪が尋ねるのに古代が答える。
「早くて5年ぐらい。もっとかかるかもしれない。
もっと成長したら、地面に植え替えてあげないとね。
花が咲くのが楽しみだなあ。」
古代の言葉が未来を語る。
病を得てから、塞ぎがちだった古代が数年後の未来を語った。
その言葉に雪の胸にはこみ上げるものがあった。
「ええ、あなたと一緒にこの桜の花を見たいわ。」
「僕もだよ。雪。
5年後になるか10年後になるか判らないけれど、一緒に見よう。」
小さな芽吹きは二人に確かに春の訪れを感じていた。
そして、二人の未来も共に。
*****************************************************************
あとがき。
完結篇後。オリジナル設定です。美雪ちゃんはいません。
植物の種子は科学局あたりで管理されていそうなのですけど、深い突っ込みは無しにして。
案外と人懐っこい古代くん。個人で桜の種子を保存していた人から分けてもらっちゃったよ。ってことで。
桜って、新しい始まりを連想すると共に、再生というイメージもあります。
ハイパー放射ミサイルの影響で病を得てしまった古代くん。
病がいつか癒えて、また立ち上がってくれることでしょう。
このお話は、震災後に自分の心の平衡感覚を取り戻そうとして書いたものです。
先にも書いたように、桜には再生というイメージを持っています。
被災地が復興し、日本がまた元気を取り戻せますように。と、願っています。
帰宅した古代の顔が嬉しそうにほころんでいる。
「おかえりなさい。今日は通院だったのでしょ?病院で何か良いことでもあったの?」
と、雪が問うのに
「凄い物が手に入ったんだ。まさか手に入るとは思わなかったよ。」
古代が少し興奮気味に嬉しそうに話す。
こんな風に古代が興奮気味に話すことなど、ここしばらく無かったことだ。
その身に巣食っている病の為に、いつも静かで穏やかだったからだ。
それを判っているだけに、雪も古代の話に興味を持った。
「まあ、何かしら?あなたがそんなに興奮するなんて」
古代が手に入れて喜ぶもの…。それは本当に限られた物。
物欲などほとんど無いに等しい古代だからだ。
その古代が喜ぶものと言えば…。雪にはおぼろげに想像ができた。
「何かの植物でも?」
「!よく判ったね、雪」
古代が目を丸くする。
フフフと雪が小さく笑う。
だってあなたのことですもの。とは口にはしない。
「種なんだ。」
「種?何の?」
古代が上着のポケットから、小さく丁寧にたたまれた紙包みを取り出し、広げる。
そこには小指の爪ほどの大きさの3粒の種があった。
「見た事があるような気もするけど…判らないわ。」
少しおどけたように、降参して雪が言う。
その様子に古代が微笑む。
「これはね、桜の種なんだ。」
「まあ、桜?」
雪が驚く。
まだ地上の木々は少なく、管理されたエリアにしか植樹されていない。
その種子も管理されており、一般人が植物の種を手に入れることは非常に困難だったからだ。
花々はそれでもまだ一般の手に渡るようになってはいたが。
「うん。桜の種。個人で保管していた方がいらっしゃって。
色々話しているうちに分けて下さったんだ。」
いつも細かな経緯は説明しない古代のこと。
桜の種についても詳細には触れることはないが、この嬉しそうな様子から、古代が相当熱心だったであろうことは想像に難くなかった。
それにしても。と、雪は思った。
「よく個人で桜の種を保存してらしたわね。保存状態も環境を整えなくちゃいけないと思うし。」
「僕も詳しくは尋ねなかったんだ。プライバシーにも関わりそうだしね。
でも植物のことに詳しくて、こと、桜についてはとても熱心な方なんだよ。
おっといけない。種を蒔くまでは冷蔵庫に入れておかなきゃいけないんだ。」
と、慌ててキッチンに向かう古代を雪は微笑んで見ていた。
それが秋の事だった。
冬、古代と雪は鉢に桜の種を蒔いた。
種の持ち主からのレクチャー通りに。
そして。
「雪!雪!」
古代が大きな声で雪を呼ぶ。
「どうしたの?」
「見てごらんよ」
キッチンからリビングに顔を出した雪に古代が手招きをする。
「ほら!」
嬉しそうに古代が指差すその先には、冬に桜の種を蒔いた鉢があった。
そして、その鉢には小さな緑の芽が芽吹いていた。
「芽が出たよ。スゴイや。
遊星爆弾で地表が汚染される前に採取されてから今までずっと眠っていたのに。
ずっと種のままだったけど、ちゃんと生きていたんだ。」
あまり感情をストレートに表さない古代が、心底から喜んでいる。
その姿に雪は嬉しさを感じていた。
ガミラスの遊星爆弾や太陽の核融合異常増進で失われた自然が、不安定ながらも蘇ってきていることに。
小さな命の力強い芽吹きを目の当たりにしたことに。
それを喜ぶ古代の姿を見ることができたことに。
「花が咲くまでどれくらいかかるのかしら?」
雪が尋ねるのに古代が答える。
「早くて5年ぐらい。もっとかかるかもしれない。
もっと成長したら、地面に植え替えてあげないとね。
花が咲くのが楽しみだなあ。」
古代の言葉が未来を語る。
病を得てから、塞ぎがちだった古代が数年後の未来を語った。
その言葉に雪の胸にはこみ上げるものがあった。
「ええ、あなたと一緒にこの桜の花を見たいわ。」
「僕もだよ。雪。
5年後になるか10年後になるか判らないけれど、一緒に見よう。」
小さな芽吹きは二人に確かに春の訪れを感じていた。
そして、二人の未来も共に。
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あとがき。
完結篇後。オリジナル設定です。美雪ちゃんはいません。
植物の種子は科学局あたりで管理されていそうなのですけど、深い突っ込みは無しにして。
案外と人懐っこい古代くん。個人で桜の種子を保存していた人から分けてもらっちゃったよ。ってことで。
桜って、新しい始まりを連想すると共に、再生というイメージもあります。
ハイパー放射ミサイルの影響で病を得てしまった古代くん。
病がいつか癒えて、また立ち上がってくれることでしょう。
このお話は、震災後に自分の心の平衡感覚を取り戻そうとして書いたものです。
先にも書いたように、桜には再生というイメージを持っています。
被災地が復興し、日本がまた元気を取り戻せますように。と、願っています。
春はそこまできている。
風はまだ冷たかったが日差しは暖かだ。
ようやく小さな流れになった川のほとりを、二人が並んで歩く。
道端には幾本かの梅の木が、まだ小さな枝に花を咲かせている。
遊星爆弾と太陽の核融合異常増進で痛めつけられた地球の自然は、不安定ながらも、それでも逞しく美しく蘇りつつある。
「梅一輪 一輪ほどの暖かさ だな」
それまで黙って歩いていた古代がぽつりと口を開いた。
「そうね、梅の花が咲くごとに暖かくなっていく…やっとここまで地球の自然も回復してきたのね」
落ち着いた古代の声に対し、雪の声は少し明るかい。
古代は空を見上げる。
ピチパチと雲雀が鳴きながら青空を横切っていく。
「…守れたんだな、僕達。…地球を…」
空を見上げながら譫言のように古代が呟いた。
雪は黙って静かに頷いた。
「本当に今日は暖かいや。歩いていたら身体がポカポカしてきたよ」
伸びをしながら古代が言うのに
「あら羨ましいわ。私には少し肌寒い感じよ」
と、雪が返す。
ふと。古代の左手が雪の右手を取った。
「こんなに暖かい日なのに、手が冷たいじゃないか。」
雪の手を取る古代の手に力が入る。雪の手を温めるかのように。
「だって冷え性なんだもの。指先とかは冷えちゃって駄目なのよねえ」
諦め口調で雪がごちる。
言葉が途切れたまま、二人は手を繋いで川べりを歩いている。
ふと、雪が古代の手を解いた。
不思議そうな顔をする古代に雪が柔らかく微笑む。
「だって、あなたの手まで冷たくなってしまうもの」
古代も釣られて微笑む。
「僕の手なんてそんなぐらいじゃ冷たくならないさ」
その後、二人の手は繋がれなかったが、一層寄り添うように川べりを歩く姿が、早春の夕暮れの淡い光の中に溶け込んでいった。
************************************************************
ララブラブまでいかない、ほのぼので書いてみました。
この数日の陽気に釣られたような内容ですね。
こういう他愛もない、何でもないような日常のカケラが幸せなような気がします。
古代くんと雪の2人にも、そんなカケラがあるだろう。って。
タイトルが思いつかなくて。
どこかの豆腐料理屋さんになってしまいましたw
風はまだ冷たかったが日差しは暖かだ。
ようやく小さな流れになった川のほとりを、二人が並んで歩く。
道端には幾本かの梅の木が、まだ小さな枝に花を咲かせている。
遊星爆弾と太陽の核融合異常増進で痛めつけられた地球の自然は、不安定ながらも、それでも逞しく美しく蘇りつつある。
「梅一輪 一輪ほどの暖かさ だな」
それまで黙って歩いていた古代がぽつりと口を開いた。
「そうね、梅の花が咲くごとに暖かくなっていく…やっとここまで地球の自然も回復してきたのね」
落ち着いた古代の声に対し、雪の声は少し明るかい。
古代は空を見上げる。
ピチパチと雲雀が鳴きながら青空を横切っていく。
「…守れたんだな、僕達。…地球を…」
空を見上げながら譫言のように古代が呟いた。
雪は黙って静かに頷いた。
「本当に今日は暖かいや。歩いていたら身体がポカポカしてきたよ」
伸びをしながら古代が言うのに
「あら羨ましいわ。私には少し肌寒い感じよ」
と、雪が返す。
ふと。古代の左手が雪の右手を取った。
「こんなに暖かい日なのに、手が冷たいじゃないか。」
雪の手を取る古代の手に力が入る。雪の手を温めるかのように。
「だって冷え性なんだもの。指先とかは冷えちゃって駄目なのよねえ」
諦め口調で雪がごちる。
言葉が途切れたまま、二人は手を繋いで川べりを歩いている。
ふと、雪が古代の手を解いた。
不思議そうな顔をする古代に雪が柔らかく微笑む。
「だって、あなたの手まで冷たくなってしまうもの」
古代も釣られて微笑む。
「僕の手なんてそんなぐらいじゃ冷たくならないさ」
その後、二人の手は繋がれなかったが、一層寄り添うように川べりを歩く姿が、早春の夕暮れの淡い光の中に溶け込んでいった。
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ララブラブまでいかない、ほのぼので書いてみました。
この数日の陽気に釣られたような内容ですね。
こういう他愛もない、何でもないような日常のカケラが幸せなような気がします。
古代くんと雪の2人にも、そんなカケラがあるだろう。って。
タイトルが思いつかなくて。
どこかの豆腐料理屋さんになってしまいましたw
このたびご縁がありまして、ポトス様の
「地球連邦図書館 宇宙の果て分室」BOOKFAIR No.5
Xmas & NewYear petit特集に、拙作"X'mas present
"を寄せさせて戴きました。
この特集ではサイトオーナー・ポトス様が精緻な筆で紡ぐ真田技師長のお話と、独自のヤマト世界を展開していらっしゃる綾乃様のお話を読むことができます。
より深くヤマト世界を楽しみたい方は是非どうぞ。
(オリジナル設定などもおありですので、苦手な方はご注意下さい)
そして、これを機会にポトス様のサイト・ブログとリンクさせて戴きました。
幣ブログ左側のブックマーク欄に入り口がありますので、そちらからお入り下さいませ。
初めて他のヤマトサイト様の企画に参加させて戴いて、私のヤマト世界も一歩外へ広がりました。
湾内で航行していた小さな船が外海に出たような、そんな気持ちです。
せっかく広がったヤマトの世界。
大切に繋いでいきたいと思います。
「地球連邦図書館 宇宙の果て分室」BOOKFAIR No.5
Xmas & NewYear petit特集に、拙作"X'mas present
"を寄せさせて戴きました。
この特集ではサイトオーナー・ポトス様が精緻な筆で紡ぐ真田技師長のお話と、独自のヤマト世界を展開していらっしゃる綾乃様のお話を読むことができます。
より深くヤマト世界を楽しみたい方は是非どうぞ。
(オリジナル設定などもおありですので、苦手な方はご注意下さい)
そして、これを機会にポトス様のサイト・ブログとリンクさせて戴きました。
幣ブログ左側のブックマーク欄に入り口がありますので、そちらからお入り下さいませ。
初めて他のヤマトサイト様の企画に参加させて戴いて、私のヤマト世界も一歩外へ広がりました。
湾内で航行していた小さな船が外海に出たような、そんな気持ちです。
せっかく広がったヤマトの世界。
大切に繋いでいきたいと思います。
"碧(あおい)と翠(みどり)にね、サンタさんへのお願いは何にするの?って聞いてみたの"
週に1度許可された、家族との交信。
10分に満たない時間だが、とても大切で幸せな時間だ。
しかし、乗組員に都合の良い時間を回しているため、僕が交信できるのは地球・日本エリアの深夜が多い。
そんな時間まで子供たちが起きていられる筈もなく…。
この1ヶ月は子供たちの顔を見ることすらできず、雪と2人だけの時間となっていた。
それでも、夫婦の会話は自然と子供の話へと移っていく。
「もうそんな季節か…」
長期の航海に出て1ケ月。
季節感に乏しい艦内にいては忘れてしまいそうだったが、あとひと月ほどでクリスマスだ。
僕はクリスマスの頃にはまだ星の海にいて地球には戻っていない。
「そういや、碧が宇宙の図鑑を欲しがっていたよなあ
翠は…犬を飼いたいって言ってたっけ」
今回の航海に出る前に、息子におねだりされていたものを思い出す。
ヤマトの初航海以降、地球における宇宙の情報は驚くべきスピードで変わっている。
本屋や図書館で多くを占めるディンギル戦以前の図鑑では内容が古いのだと碧が言っていた。
だから、最新の図鑑が欲しいのだと。
アクエリアス以降、地球に木々や草花がよみがえり、生活に潤いや余裕がでてくると、家族の一員としてペットを求める人も増えてきた。
僕たちの家族が住む家も、広いとは言えないが家族が住むには充分の広さがあり、子供が遊ぶのに丁度良い庭もある。
宇宙よりも身近な生き物が気になる娘は、犬をお迎えしたいとよく話していた。
"うふふ。ちゃんと覚えていたのね。さすがはお父さんね"
雪がクスリと笑う。
ただでさえ家にいる時間が少ない僕だから、子供たちの希望要望ぐらいは覚えていかないと。
僕がそう言うと雪の笑顔が一層柔らかいものになった。
"でもね、子供たちのクリスマスのおねだりは、実は……"
"碧!翠!!お父さんからの通信よ!早くいらっしゃい!"
モニタの向こう側で雪が子供たちを呼ぶ声が響き、TVの前に座っていた二人が、バタバタと通信機の前に駆け込んでくる。
""お父さんお父さん!!
サンタさんがお父さんに会わせてくれたんだ!!
やっぱりサンタさんはいるんだよ!""
はちきれんばかりの笑顔の子供たちの後ろで雪が微笑んでいる。
傍にいて触れることは出来ないけど、僕の大切な家族の笑顔。
今日と言う日にその大切な笑顔に会えたことは、僕にとっても何よりのクリスマスプレゼントだ。
「父さんは大晦日に地球に着く。だから、今度のお正月は一緒に過ごそう」
子供たちの笑顔が弾けた。
あと1週間で長かった航海も終わる。
****************************************************************************
素材 クリスマス素材サンタ館さま
※あとがき※
ある年のクリスマスに因んだ古代一家のスナップです。
いつも一緒に居られなくて、お父さんに会いたいってサンタさんにお願いしちゃうほどの子供たち。
お父さんはそんな子供たちの願いを叶えたくて、クリスマスイブだけは他の乗組員を押しのけて通信時間を早めちゃったのでした(笑)
わがままな艦長さんです(苦笑)
そんな艦長の姿に、鬼艦長の姿しかしらない訓練生はビックリ!古参の乗組員はニンマリ。
うち設定の古代くんと雪の子供は、「お父さん」「お母さん」と古代くんと雪を呼びます。
古代くん自身がそう呼んでいたしね。その方がらしいかなって。
週に1度許可された、家族との交信。
10分に満たない時間だが、とても大切で幸せな時間だ。
しかし、乗組員に都合の良い時間を回しているため、僕が交信できるのは地球・日本エリアの深夜が多い。
そんな時間まで子供たちが起きていられる筈もなく…。
この1ヶ月は子供たちの顔を見ることすらできず、雪と2人だけの時間となっていた。
それでも、夫婦の会話は自然と子供の話へと移っていく。
「もうそんな季節か…」
長期の航海に出て1ケ月。
季節感に乏しい艦内にいては忘れてしまいそうだったが、あとひと月ほどでクリスマスだ。
僕はクリスマスの頃にはまだ星の海にいて地球には戻っていない。
「そういや、碧が宇宙の図鑑を欲しがっていたよなあ
翠は…犬を飼いたいって言ってたっけ」
今回の航海に出る前に、息子におねだりされていたものを思い出す。
ヤマトの初航海以降、地球における宇宙の情報は驚くべきスピードで変わっている。
本屋や図書館で多くを占めるディンギル戦以前の図鑑では内容が古いのだと碧が言っていた。
だから、最新の図鑑が欲しいのだと。
アクエリアス以降、地球に木々や草花がよみがえり、生活に潤いや余裕がでてくると、家族の一員としてペットを求める人も増えてきた。
僕たちの家族が住む家も、広いとは言えないが家族が住むには充分の広さがあり、子供が遊ぶのに丁度良い庭もある。
宇宙よりも身近な生き物が気になる娘は、犬をお迎えしたいとよく話していた。
"うふふ。ちゃんと覚えていたのね。さすがはお父さんね"
雪がクスリと笑う。
ただでさえ家にいる時間が少ない僕だから、子供たちの希望要望ぐらいは覚えていかないと。
僕がそう言うと雪の笑顔が一層柔らかいものになった。
"でもね、子供たちのクリスマスのおねだりは、実は……"
"碧!翠!!お父さんからの通信よ!早くいらっしゃい!"
モニタの向こう側で雪が子供たちを呼ぶ声が響き、TVの前に座っていた二人が、バタバタと通信機の前に駆け込んでくる。
""お父さんお父さん!!
サンタさんがお父さんに会わせてくれたんだ!!
やっぱりサンタさんはいるんだよ!""
はちきれんばかりの笑顔の子供たちの後ろで雪が微笑んでいる。
傍にいて触れることは出来ないけど、僕の大切な家族の笑顔。
今日と言う日にその大切な笑顔に会えたことは、僕にとっても何よりのクリスマスプレゼントだ。
「父さんは大晦日に地球に着く。だから、今度のお正月は一緒に過ごそう」
子供たちの笑顔が弾けた。
あと1週間で長かった航海も終わる。
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素材 クリスマス素材サンタ館さま
※あとがき※
ある年のクリスマスに因んだ古代一家のスナップです。
いつも一緒に居られなくて、お父さんに会いたいってサンタさんにお願いしちゃうほどの子供たち。
お父さんはそんな子供たちの願いを叶えたくて、クリスマスイブだけは他の乗組員を押しのけて通信時間を早めちゃったのでした(笑)
わがままな艦長さんです(苦笑)
そんな艦長の姿に、鬼艦長の姿しかしらない訓練生はビックリ!古参の乗組員はニンマリ。
うち設定の古代くんと雪の子供は、「お父さん」「お母さん」と古代くんと雪を呼びます。
古代くん自身がそう呼んでいたしね。その方がらしいかなって。
Usquebaughの2をアップしようとしたら、
「俺の出番は無いのか!」
と暴れた人が若干名w出ていらしたので、1と2の間を加筆中です(汗)
そのような状況ですので、続きは今しばらくお待ちくださいませ。
すみません。
執筆(と言うほどでもないけど)途中で掲載すると、こういうことが起きるのね。
と、身をもって推敲の大切さを痛感しております。
同時にリアルタイムでお話が変わっていく楽しさもあるっちゃあります♪
Usquebaughはのんびりしたお話になると思いますので、掲載ものんびりいきたいと思います。
着地点をキレイに決められるように、お話をまとめねば。
あ。
Usquebaughとは「ウスケボー」と読みます。
ゲール語を語源とする言葉だそうです。
日本語に直訳すると「ウィスキー」になっちゃいますが、
このお話タイトルはウィスキーじゃなくて、ゲール語での本来の意味を謳っています。
ゲール語ってドメルの部下になったゲールさんの言語じゃありませんよ~
「俺の出番は無いのか!」
と暴れた人が若干名w出ていらしたので、1と2の間を加筆中です(汗)
そのような状況ですので、続きは今しばらくお待ちくださいませ。
すみません。
執筆(と言うほどでもないけど)途中で掲載すると、こういうことが起きるのね。
と、身をもって推敲の大切さを痛感しております。
同時にリアルタイムでお話が変わっていく楽しさもあるっちゃあります♪
Usquebaughはのんびりしたお話になると思いますので、掲載ものんびりいきたいと思います。
着地点をキレイに決められるように、お話をまとめねば。
あ。
Usquebaughとは「ウスケボー」と読みます。
ゲール語を語源とする言葉だそうです。
日本語に直訳すると「ウィスキー」になっちゃいますが、
このお話タイトルはウィスキーじゃなくて、ゲール語での本来の意味を謳っています。
ゲール語ってドメルの部下になったゲールさんの言語じゃありませんよ~
久しぶりにヤマトのお話を掲載します。
復活篇がないヤマト世界の、完結編後のお話です。
オリジナルキャラ(古代くんとユキの子供)も出ます。
2010/02/21掲載の「tricolore」以前のお話。
まだ3話目の途中までしか書き上がって無いうえに、何話まで続くのか不明という…
そんなつたないお話ではありますが、よろしければお付き合いくださいませ。
***************************************************
ヤマトを呑みこんだアクエリアスの海が遠ざかる。
それでも、冬月に収容されたヤマトの乗組員達は敬礼を解こうとはしなかった。
静かに身じろぎもせず。
「冬月、大気圏へ突入」
冬月艦長の水谷の声が展望室のヤマト乗組員達の耳にも届いたその時、
「古代くんっ!!」
「古代!」
ユキと真田の叫びが同時に上がった。
ハッとした皆が声の方を振り向いた時、真田の腕の中に蒼白な顔をした進が崩れ落ちていた。
額に脂汗を滲ませ両手は胸を鷲掴みにしている。
すでに意識は無く、痙攣するように小さく弱々しい呼吸をするだけだった。
「イカン!」
側にいた佐渡が慌てて進に駆け寄る。
進を抱きとめた真田が、静かに進の身体を床に横たえる。
佐渡はテキパキと進の診察を始めた。
「南部!水谷艦長に連絡、至急医務班を呼べ!ストレッチャーもだ!」
「ユキ!ぼさっと突っ立っとらんで手伝わんかい!」
真田が南部に指示を出し、佐渡も急なことで呆然としているユキを怒鳴るように呼びつける。
にわかに冬月の展望室は騒然となった。
「先生…」
処置を施され、静かな寝息を立てている進を見ながら、真田が佐渡に声をかけた。
「古代は、やはり…」
「ああ。宇宙放射線病だ。本当なら冥王星会戦の後、下艦させて治療せなアカンかったんじゃ。じゃが…」
佐渡は器具を片付けながら、真田の顔も見ずに答えた。
その肩が小さく震えている。
医師として進にしっかりとした治療を受けさせたかった。だが、状況がそれを許さなかったのだ。
進が戦列を離れることが戦況に大きな影響を与えるに違いない。
佐渡は軍医として判断せざるを得なかった。
『古代、お前の身体はお前が思っているよりも良くはないぞ。
今も左肩の傷のせいで貧血気味じゃ。
ハイパー放射ミサイルでやられた造血機能がまだ回復しておらん。』
佐渡は向かいに座っている進の顔を見ず、カルテに視線を落としたまま話している。
『次に大きな怪我をしたら、それこそ取り返しがつかんことになるぞ。
そうなったら、お前さんの命はワシにも保証ができん』
進の視線を避けていた佐渡が、ようやく進と目を合わせた。
『…それに…』
佐渡が何かを言い澱んだ時、
『佐渡先生、僕は大丈夫です。』
進が小さな、しかしきっぱりとした声で言った。
『僕は大丈夫です。ゼロで出ることができなくても、戦闘指揮はできます。
だから…だから、傷病者として送還しないで下さい。』
そういう進の瞳は、哀願や懇願の色を帯びているわけでなく、静かで穏やかな光を湛えている。
現在の戦況、自分の身体のこと、それら全てを理解した上で自分にできることが何なのかを冷静に判断しての進の言葉だった。
佐渡はそんな穏やかな進の表情に一瞬戸惑った。
以前ならば必死の様相で「僕は戦えます!」と訴えていた進だった。
『(艦長職を経験したからこその落ち着きぶりなのか?
それとも、何もかも判っているからこそなのか?)』
佐渡は進の静かな瞳を見つめ返した。
まだ20代半ばの若者だというのに、その年齢にそぐわない程の落ち着いた深い色の瞳。
一瞬、佐渡の目が滲む。が、次の瞬間に佐渡は進に言った。
『よし。怪我しようが何しようがワシが何とでもしてやる。
お前の思う通りにしろ、古代』
『先生!ありがとうございます!!』
「真田君も知っとるじゃろうが、古代は子供の頃にも宇宙放射線病を患っておった」
「ええ、守から聞いていました。でも、それは完全寛解しているしイスカンダルにも行ったではありませんか」
佐渡の話を真田は訝しんだ。
進の兄・守は、進のことを「被曝の為に宇宙放射線病を患っていたが1年で寛解し、その後も何の問題も無い」と言っていた筈だ。
だからこそ、イスカンダルへの航海時に戦闘班長として乗り組むこともできた。
「確かに子供の頃のは完全寛解はしておった。
じゃがな、この前の被曝をきっかけに再発してしまったんじゃよ。」
佐渡の言葉に真田は言葉を飲んだ。
銀河系中心部の調査の帰路に受けたあのミサイル攻撃で、宇宙服の着用が間に合わなかった進は仮死状態に陥っていた。
辛うじてヤマトが帰還した後、進は大手術を受けてその命を取り留めた。
その手術こそ、ハイパー放射ミサイルで発病した宇宙放射線病の手術だと真田は思っていたのだ。
寛解後10年以上経っての再発とは思いもよらないことだった。
「じゃあ、あの手術は…」
「あれは蘇生がメインでな。
古代は確かに被曝していたが、冒された細胞が少なかったので宇宙放射線病は問題ないだろうとワシらは安心していたんじゃが…
宇宙放射線病だけで言えば、子供の時の方がよほど酷かったんじゃよ。」
話しながら後片付けを終えた佐渡は、古代のベッド横にドカッと座り杯を煽った。
重い沈黙が佐渡と真田を包む。
宇宙放射線病のことは、医師の佐渡だけでなく真田もおおよその知識は持っていた。
だからこそ、完全寛解から10数年を経た今の再発の意味も。
「じゃあ、これから古代は…」
真田がようやくと言った感じで重い口を開いた。
「…治療にはしばらくかかる。
完全寛解を目指すのなら尚のことじゃ。1年やそこらじゃ済まんだろうて。
それに今はココもかなり参っておるから余計に大変じゃ」
そう言って佐渡は自分の胸を指さした。
この戦いで、進は心のバランスを崩しかけていた。
ガルマン・ガミラスの帰路、水没するディンギル星で乗組員を失い、ハイパー放射ミサイルで大勢の乗組員が犠牲になった。
進の目の前で父親に撃たれて幼い命を散らしたディンギルの少年。
そして、ヤマトの両輪とも言われた島大介を亡くし、軍の上官として尊敬し父とも慕った沖田をも。
真田も佐渡も判っていた。進の心が優しすぎることを。
仲間の死に耐え、ヤマトの戦闘班長として艦長として敵と戦ってきたのは、ただ、地球を守りたかったから。
それだけだった。
『たくさんの命を奪うのは、手を血で汚すのは俺だけでいい。』
いつだったか、進が真田にそう呟いたことがあった。
二人で酒を酌み交わした時だったろうか。
ガミラス、白色彗星、暗黒星団帝国…地球を守ることは相手の星を滅ぼすことに他ならなかった。
いったいどれだけの人を宇宙に葬ったのか。
戦うごとに、進はその重さに押し潰されそうになっていった。
「…若すぎたんじゃよ。仕方が無かったこととは言え…」
杯の中身を飲み干した佐渡が呟く。
その言葉に真田は奥歯を噛み締めた。
まだ20代半ばの青年が背負った物の重さを今更ながら思い知らされた。
「長官には、暫く……そうさのお、宇宙放射線病が落ち着くまでは古代を休職させるように連絡したぞ。
無論、長官にも異存はないとのことじゃ。ユキも介護休暇をとらせてもらえるそうだしのう。
戦いも何もないところでゆっくり休ませてやろう」
「ええ、古代の…傷が…癒えるまで休ませてやりましょう」
地球に戻った進は再度大きな手術を受け、その後はユキと二人で自然が回復しつつある小さな町で静かに療養に専念し始めた。
そして、ヤマトのクルーとの音信が途絶えた。
復活篇がないヤマト世界の、完結編後のお話です。
オリジナルキャラ(古代くんとユキの子供)も出ます。
2010/02/21掲載の「tricolore」以前のお話。
まだ3話目の途中までしか書き上がって無いうえに、何話まで続くのか不明という…
そんなつたないお話ではありますが、よろしければお付き合いくださいませ。
***************************************************
ヤマトを呑みこんだアクエリアスの海が遠ざかる。
それでも、冬月に収容されたヤマトの乗組員達は敬礼を解こうとはしなかった。
静かに身じろぎもせず。
「冬月、大気圏へ突入」
冬月艦長の水谷の声が展望室のヤマト乗組員達の耳にも届いたその時、
「古代くんっ!!」
「古代!」
ユキと真田の叫びが同時に上がった。
ハッとした皆が声の方を振り向いた時、真田の腕の中に蒼白な顔をした進が崩れ落ちていた。
額に脂汗を滲ませ両手は胸を鷲掴みにしている。
すでに意識は無く、痙攣するように小さく弱々しい呼吸をするだけだった。
「イカン!」
側にいた佐渡が慌てて進に駆け寄る。
進を抱きとめた真田が、静かに進の身体を床に横たえる。
佐渡はテキパキと進の診察を始めた。
「南部!水谷艦長に連絡、至急医務班を呼べ!ストレッチャーもだ!」
「ユキ!ぼさっと突っ立っとらんで手伝わんかい!」
真田が南部に指示を出し、佐渡も急なことで呆然としているユキを怒鳴るように呼びつける。
にわかに冬月の展望室は騒然となった。
「先生…」
処置を施され、静かな寝息を立てている進を見ながら、真田が佐渡に声をかけた。
「古代は、やはり…」
「ああ。宇宙放射線病だ。本当なら冥王星会戦の後、下艦させて治療せなアカンかったんじゃ。じゃが…」
佐渡は器具を片付けながら、真田の顔も見ずに答えた。
その肩が小さく震えている。
医師として進にしっかりとした治療を受けさせたかった。だが、状況がそれを許さなかったのだ。
進が戦列を離れることが戦況に大きな影響を与えるに違いない。
佐渡は軍医として判断せざるを得なかった。
『古代、お前の身体はお前が思っているよりも良くはないぞ。
今も左肩の傷のせいで貧血気味じゃ。
ハイパー放射ミサイルでやられた造血機能がまだ回復しておらん。』
佐渡は向かいに座っている進の顔を見ず、カルテに視線を落としたまま話している。
『次に大きな怪我をしたら、それこそ取り返しがつかんことになるぞ。
そうなったら、お前さんの命はワシにも保証ができん』
進の視線を避けていた佐渡が、ようやく進と目を合わせた。
『…それに…』
佐渡が何かを言い澱んだ時、
『佐渡先生、僕は大丈夫です。』
進が小さな、しかしきっぱりとした声で言った。
『僕は大丈夫です。ゼロで出ることができなくても、戦闘指揮はできます。
だから…だから、傷病者として送還しないで下さい。』
そういう進の瞳は、哀願や懇願の色を帯びているわけでなく、静かで穏やかな光を湛えている。
現在の戦況、自分の身体のこと、それら全てを理解した上で自分にできることが何なのかを冷静に判断しての進の言葉だった。
佐渡はそんな穏やかな進の表情に一瞬戸惑った。
以前ならば必死の様相で「僕は戦えます!」と訴えていた進だった。
『(艦長職を経験したからこその落ち着きぶりなのか?
それとも、何もかも判っているからこそなのか?)』
佐渡は進の静かな瞳を見つめ返した。
まだ20代半ばの若者だというのに、その年齢にそぐわない程の落ち着いた深い色の瞳。
一瞬、佐渡の目が滲む。が、次の瞬間に佐渡は進に言った。
『よし。怪我しようが何しようがワシが何とでもしてやる。
お前の思う通りにしろ、古代』
『先生!ありがとうございます!!』
「真田君も知っとるじゃろうが、古代は子供の頃にも宇宙放射線病を患っておった」
「ええ、守から聞いていました。でも、それは完全寛解しているしイスカンダルにも行ったではありませんか」
佐渡の話を真田は訝しんだ。
進の兄・守は、進のことを「被曝の為に宇宙放射線病を患っていたが1年で寛解し、その後も何の問題も無い」と言っていた筈だ。
だからこそ、イスカンダルへの航海時に戦闘班長として乗り組むこともできた。
「確かに子供の頃のは完全寛解はしておった。
じゃがな、この前の被曝をきっかけに再発してしまったんじゃよ。」
佐渡の言葉に真田は言葉を飲んだ。
銀河系中心部の調査の帰路に受けたあのミサイル攻撃で、宇宙服の着用が間に合わなかった進は仮死状態に陥っていた。
辛うじてヤマトが帰還した後、進は大手術を受けてその命を取り留めた。
その手術こそ、ハイパー放射ミサイルで発病した宇宙放射線病の手術だと真田は思っていたのだ。
寛解後10年以上経っての再発とは思いもよらないことだった。
「じゃあ、あの手術は…」
「あれは蘇生がメインでな。
古代は確かに被曝していたが、冒された細胞が少なかったので宇宙放射線病は問題ないだろうとワシらは安心していたんじゃが…
宇宙放射線病だけで言えば、子供の時の方がよほど酷かったんじゃよ。」
話しながら後片付けを終えた佐渡は、古代のベッド横にドカッと座り杯を煽った。
重い沈黙が佐渡と真田を包む。
宇宙放射線病のことは、医師の佐渡だけでなく真田もおおよその知識は持っていた。
だからこそ、完全寛解から10数年を経た今の再発の意味も。
「じゃあ、これから古代は…」
真田がようやくと言った感じで重い口を開いた。
「…治療にはしばらくかかる。
完全寛解を目指すのなら尚のことじゃ。1年やそこらじゃ済まんだろうて。
それに今はココもかなり参っておるから余計に大変じゃ」
そう言って佐渡は自分の胸を指さした。
この戦いで、進は心のバランスを崩しかけていた。
ガルマン・ガミラスの帰路、水没するディンギル星で乗組員を失い、ハイパー放射ミサイルで大勢の乗組員が犠牲になった。
進の目の前で父親に撃たれて幼い命を散らしたディンギルの少年。
そして、ヤマトの両輪とも言われた島大介を亡くし、軍の上官として尊敬し父とも慕った沖田をも。
真田も佐渡も判っていた。進の心が優しすぎることを。
仲間の死に耐え、ヤマトの戦闘班長として艦長として敵と戦ってきたのは、ただ、地球を守りたかったから。
それだけだった。
『たくさんの命を奪うのは、手を血で汚すのは俺だけでいい。』
いつだったか、進が真田にそう呟いたことがあった。
二人で酒を酌み交わした時だったろうか。
ガミラス、白色彗星、暗黒星団帝国…地球を守ることは相手の星を滅ぼすことに他ならなかった。
いったいどれだけの人を宇宙に葬ったのか。
戦うごとに、進はその重さに押し潰されそうになっていった。
「…若すぎたんじゃよ。仕方が無かったこととは言え…」
杯の中身を飲み干した佐渡が呟く。
その言葉に真田は奥歯を噛み締めた。
まだ20代半ばの青年が背負った物の重さを今更ながら思い知らされた。
「長官には、暫く……そうさのお、宇宙放射線病が落ち着くまでは古代を休職させるように連絡したぞ。
無論、長官にも異存はないとのことじゃ。ユキも介護休暇をとらせてもらえるそうだしのう。
戦いも何もないところでゆっくり休ませてやろう」
「ええ、古代の…傷が…癒えるまで休ませてやりましょう」
地球に戻った進は再度大きな手術を受け、その後はユキと二人で自然が回復しつつある小さな町で静かに療養に専念し始めた。
そして、ヤマトのクルーとの音信が途絶えた。
サイトに掲載していなかったのですが、こっそり書き貯めておいたSSを掲載します。
先日来、古代兄弟萌えが留まるところを知らず状態ですので、その勢いでww
勢いでUPしますので、タイトルは仮です。そのうち変わるかもしれません。
雪の目で見た古代兄弟の再会です。
*********************************************************************************
「兄さん!!」
「進じゃないかっ!!」
隣にいた古代くんが部屋の中へ駆け込む。
え?スターシアさんが仰っていた地球の人って、古代くんのお兄さん?
私はちょっと混乱してしまった。
部屋の中でベッドに横たわっていた人は大きく手を広げ、そして、古代くんを抱きしめた。
「生きていたんだね、兄さん、兄さん!!」
お兄さんに抱きついたまま、古代くんは声を上げて泣いている。
こんな古代くん、初めて見るわ。
だって、ヤマトの中では戦闘班長として、艦長代理としていつも自分を律していたもの。
泣いている古代くんを見るのは初めて。
タイタンでゆきかぜを見つけた時、あの時は肩を落としていたけど、でも、泣いてはいなかった。
多分、泣くことができなかった…。
その辛かった思い、寂しさを募らせていた気持ちを、今、お兄さんにぶつけているのね。
古代くんはお兄さんの腕の中でしゃくりあげている。
いつもは大きく見える古代くんの背中が、今は何だか小さくて頼りなげに見えてしまう。
今だけ、古代くんはヤマトの古代じゃないのね。
お兄さんの小さな弟なのね。
お兄さんの大きな手が、抱きしめたままの古代くんの髪を何度も撫でている。
とても優しく、ゆっくりと。
どれほどお兄さんが古代くんのことを愛おしく、大切に思っているか、私にまで伝わってくるほど。
良かったわね、古代君。死んでいたと思っていたお兄さんとこうやって会えたんですもの。
こんなに古代くんが嬉しそうで。本当に良かった…。
古代くんの髪を撫でていたお兄さんの手が止まり、古代くんの頬に手を添えて古代くんの顔を自分の方に向けた。
お兄さんの手が古代くんの頬を…涙を拭った。
「進…偉かったな。よく、ここまで来たな…」
震えるお兄さんの声は、独りで遠くまで来た小さな弟を誉めているようだった。
古代くんはお兄さんの言葉に何度も頷く。
何か言おうとしているけど、言葉が出てこないみたいで、古代くんは頷くばかりだった。
このまま2人をそっとしておいてあげよう、そう思った時、スターシアさんが突然身を翻して部屋の前から立ち去った。
何か思いつめた表情をしている?
私もスターシアさんに引かれるように、兄弟の前から離れた。
スターシアさんと私は、別の部屋で2人きりで話しをした。
守さんに対するスターシアさんの切ない想いが私の胸を締め付けた。
なんて静かで、なんて激しい。なんて気高い。
言葉が途切れた時、部屋の入り口に人の気配がした。
「雪、待たせてすまない。ヤマトに帰ろう。
ゆきかぜの生存者を沖田艦長に報告しなきゃいけない。」
泣き腫らした顔はそっぽを向いて、それでも口調だけはいつも通りの古代くんが立っていた。
お兄さんに抱きついて泣いていたのを私に見られちゃったから恥ずかしいんだ、きっと。
ふふふ。本当にちっちゃな男の子みたいね。
私は古代くんに駆け寄ってハンカチを手渡した。
だって、まだ涙の痕だらけなんですもの。
え?っていう顔をする古代くん。
自分がどんな顔をしているのか全然判ってないのね。
「おめめが真っ赤なウサギさん、そのままヤマトに帰ったらワニさん達に苛められちゃいますよ♪」
「え?あ?うそ!? 俺、目、赤い?」
ほら、気付いてなかったんだ。
私は大きく首を縦に振る。
ホントは目が赤いだけじゃなくて、顔もちょっと腫れてるんだけど。
「このままヤマトに帰って、第一艦橋の連中に見られたら何を言われるか判んねーな。
雪、もう少し時間をおいてから帰ろう。」
と、溜息をついた古代くん、涙の痕を拭ったハンカチを私に返すと、背筋を伸ばしてスターシアさんに近づいた。
「スターシアさん、兄さんを…いえ、私達地球人の仲間を救助して戴いて本当にありがとうございました。
ヤマト艦長代理として心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」
古代くんがスターシアさんに深々と頭を下げた。
私も慌てて古代くんに倣って頭を下げる。
古代くんは本当に長い時間頭を下げていた。
地球人としての感謝の気持ちは勿論、守さんの弟としての気持ちも込められていたに違いない。
スターシアさんは小さく微笑むと、古代くんの肩にそっと手を置いた。
それから私達は、気持ちの良いテラスで休ませてもらった。
スターシアさんは何か用事があるとかですぐに席を外したので、古代くんとしばらく2人きりで。
守さんのこと、古代くんの子供の頃のこと、古代くんは私にポツリポツリと話をしてくれた。
その話からも古代くんがどれほど守さんを慕っているか、守さんがどれほど古代くんを可愛がっていたかが窺える。
兄弟と言っても10歳も年齢が違うと、親子のようだとも思った。
そんな兄弟の姿が、一人っ子の私にはちょっと羨ましくもあったけど。
ようやく古代くん(の顔)が落ち着いたところで、私達はヤマトに戻った。
沖田艦長も涙を流さんばかりに喜んでいらっしゃった。
守さんが撤退する沖田艦長の盾になっていなかったら、沖田艦長の艦も沈んでいたかもしれなかったらしい。
万が一そんなことになっていたら、地球は今頃……。
古代くんの手を握り締めた沖田艦長の手は、いつまでも古代くんの手を包み込んでいた。
明日、守さんがヤマトへ…沖田艦長に挨拶にいらっしゃる。
きっとヤマト中がお祭り騒ぎになるのでしょうね。
なにせ、泣き虫(笑)艦長代理とそのお兄さんの奇跡的な再会だったんですもの。
2日後、ヤマトは地球に向けてイスカンダルを発つ。
コスモクリーナーと、私達の希望を載せて。
*********************************************************************************
古代兄弟の再会を目にしたのが雪とスターシャだけですので、客観的に見るにはどちらかの目を借りるしかなくて…
で、雪の目を借りてみました。
このシーン、とても好きです。
TV版もPS版も大好きです。
守兄さんが大きく両手を開いたところに飛び込む古代くん。
その姿に、見ているこちらも胸が熱くなったものです。
ヤマトの戦闘班長・艦長代理としての古代くんと、弟の古代くんのギャップがまた良いのですけども。
うん。弟な主人公というのは美味しいですね( ̄▽ ̄)
先日来、古代兄弟萌えが留まるところを知らず状態ですので、その勢いでww
勢いでUPしますので、タイトルは仮です。そのうち変わるかもしれません。
雪の目で見た古代兄弟の再会です。
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「兄さん!!」
「進じゃないかっ!!」
隣にいた古代くんが部屋の中へ駆け込む。
え?スターシアさんが仰っていた地球の人って、古代くんのお兄さん?
私はちょっと混乱してしまった。
部屋の中でベッドに横たわっていた人は大きく手を広げ、そして、古代くんを抱きしめた。
「生きていたんだね、兄さん、兄さん!!」
お兄さんに抱きついたまま、古代くんは声を上げて泣いている。
こんな古代くん、初めて見るわ。
だって、ヤマトの中では戦闘班長として、艦長代理としていつも自分を律していたもの。
泣いている古代くんを見るのは初めて。
タイタンでゆきかぜを見つけた時、あの時は肩を落としていたけど、でも、泣いてはいなかった。
多分、泣くことができなかった…。
その辛かった思い、寂しさを募らせていた気持ちを、今、お兄さんにぶつけているのね。
古代くんはお兄さんの腕の中でしゃくりあげている。
いつもは大きく見える古代くんの背中が、今は何だか小さくて頼りなげに見えてしまう。
今だけ、古代くんはヤマトの古代じゃないのね。
お兄さんの小さな弟なのね。
お兄さんの大きな手が、抱きしめたままの古代くんの髪を何度も撫でている。
とても優しく、ゆっくりと。
どれほどお兄さんが古代くんのことを愛おしく、大切に思っているか、私にまで伝わってくるほど。
良かったわね、古代君。死んでいたと思っていたお兄さんとこうやって会えたんですもの。
こんなに古代くんが嬉しそうで。本当に良かった…。
古代くんの髪を撫でていたお兄さんの手が止まり、古代くんの頬に手を添えて古代くんの顔を自分の方に向けた。
お兄さんの手が古代くんの頬を…涙を拭った。
「進…偉かったな。よく、ここまで来たな…」
震えるお兄さんの声は、独りで遠くまで来た小さな弟を誉めているようだった。
古代くんはお兄さんの言葉に何度も頷く。
何か言おうとしているけど、言葉が出てこないみたいで、古代くんは頷くばかりだった。
このまま2人をそっとしておいてあげよう、そう思った時、スターシアさんが突然身を翻して部屋の前から立ち去った。
何か思いつめた表情をしている?
私もスターシアさんに引かれるように、兄弟の前から離れた。
スターシアさんと私は、別の部屋で2人きりで話しをした。
守さんに対するスターシアさんの切ない想いが私の胸を締め付けた。
なんて静かで、なんて激しい。なんて気高い。
言葉が途切れた時、部屋の入り口に人の気配がした。
「雪、待たせてすまない。ヤマトに帰ろう。
ゆきかぜの生存者を沖田艦長に報告しなきゃいけない。」
泣き腫らした顔はそっぽを向いて、それでも口調だけはいつも通りの古代くんが立っていた。
お兄さんに抱きついて泣いていたのを私に見られちゃったから恥ずかしいんだ、きっと。
ふふふ。本当にちっちゃな男の子みたいね。
私は古代くんに駆け寄ってハンカチを手渡した。
だって、まだ涙の痕だらけなんですもの。
え?っていう顔をする古代くん。
自分がどんな顔をしているのか全然判ってないのね。
「おめめが真っ赤なウサギさん、そのままヤマトに帰ったらワニさん達に苛められちゃいますよ♪」
「え?あ?うそ!? 俺、目、赤い?」
ほら、気付いてなかったんだ。
私は大きく首を縦に振る。
ホントは目が赤いだけじゃなくて、顔もちょっと腫れてるんだけど。
「このままヤマトに帰って、第一艦橋の連中に見られたら何を言われるか判んねーな。
雪、もう少し時間をおいてから帰ろう。」
と、溜息をついた古代くん、涙の痕を拭ったハンカチを私に返すと、背筋を伸ばしてスターシアさんに近づいた。
「スターシアさん、兄さんを…いえ、私達地球人の仲間を救助して戴いて本当にありがとうございました。
ヤマト艦長代理として心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」
古代くんがスターシアさんに深々と頭を下げた。
私も慌てて古代くんに倣って頭を下げる。
古代くんは本当に長い時間頭を下げていた。
地球人としての感謝の気持ちは勿論、守さんの弟としての気持ちも込められていたに違いない。
スターシアさんは小さく微笑むと、古代くんの肩にそっと手を置いた。
それから私達は、気持ちの良いテラスで休ませてもらった。
スターシアさんは何か用事があるとかですぐに席を外したので、古代くんとしばらく2人きりで。
守さんのこと、古代くんの子供の頃のこと、古代くんは私にポツリポツリと話をしてくれた。
その話からも古代くんがどれほど守さんを慕っているか、守さんがどれほど古代くんを可愛がっていたかが窺える。
兄弟と言っても10歳も年齢が違うと、親子のようだとも思った。
そんな兄弟の姿が、一人っ子の私にはちょっと羨ましくもあったけど。
ようやく古代くん(の顔)が落ち着いたところで、私達はヤマトに戻った。
沖田艦長も涙を流さんばかりに喜んでいらっしゃった。
守さんが撤退する沖田艦長の盾になっていなかったら、沖田艦長の艦も沈んでいたかもしれなかったらしい。
万が一そんなことになっていたら、地球は今頃……。
古代くんの手を握り締めた沖田艦長の手は、いつまでも古代くんの手を包み込んでいた。
明日、守さんがヤマトへ…沖田艦長に挨拶にいらっしゃる。
きっとヤマト中がお祭り騒ぎになるのでしょうね。
なにせ、泣き虫(笑)艦長代理とそのお兄さんの奇跡的な再会だったんですもの。
2日後、ヤマトは地球に向けてイスカンダルを発つ。
コスモクリーナーと、私達の希望を載せて。
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古代兄弟の再会を目にしたのが雪とスターシャだけですので、客観的に見るにはどちらかの目を借りるしかなくて…
で、雪の目を借りてみました。
このシーン、とても好きです。
TV版もPS版も大好きです。
守兄さんが大きく両手を開いたところに飛び込む古代くん。
その姿に、見ているこちらも胸が熱くなったものです。
ヤマトの戦闘班長・艦長代理としての古代くんと、弟の古代くんのギャップがまた良いのですけども。
うん。弟な主人公というのは美味しいですね( ̄▽ ̄)
雪、知ってたかい?
地球の色はたった三つの色で出来てるんだよ。
空と海の碧-あお-
大地の翠-みどり-
そして、雪や雨を降らせる雲の白
気がついたかい、雪?
僕の家族は皆、地球の色の名前を持っているんだ。
だから、僕は絶対に君達の許に、地球に還って来る。還って来るよ。
*************************************************************
tricolore…tri-colore-イタリア語で「三色」と言う意味です。
フランス国旗の「トリコロール」も同じ意味ですね。
日本語で「三色」とタイトルをつけても、なんだか間抜けな感じがしたので、外国語を借りて雰囲気を出してみました。
今回、サイトで背景に使っていた画像を添付してみました。
面影だけでも残そうかと思いまして。
写真はA県T市稲武町で撮ったものです。
田んぼを渡る風の音しかしないような、素敵な場所でした。
久しく行っていないので、いつかまた行きたいですね。
-サイト初出 2007.07.04- 以下、サイト掲載時のコメントです。(青字は今回付与しました)
私のオリジナル設定では、進と雪には子供がいます。←復活篇ができる前のことなので、復活篇の無い世界という設定です。
兄:碧(あおい)
妹:翠(みどり)
完結編後の進と雪のことを考えていたら、2人の子供の名前が唐突に浮かんできました。
年齢などの詳細まではまだ決め込んでいません。これからお話を考えていく内に自然に決まってくることかと思います。
まだ、そんな感じの生まれたての設定です。
進と雪が夫婦な訳なですから、当然らぶらぶな出来事もあったのでしょうが、私が恋愛に関してヘタレ過ぎな為甘いお話は書けませんので、期待しないで下さいませ(苦笑)
地球の色はたった三つの色で出来てるんだよ。
空と海の碧-あお-
大地の翠-みどり-
そして、雪や雨を降らせる雲の白
気がついたかい、雪?
僕の家族は皆、地球の色の名前を持っているんだ。
だから、僕は絶対に君達の許に、地球に還って来る。還って来るよ。
*************************************************************
tricolore…tri-colore-イタリア語で「三色」と言う意味です。
フランス国旗の「トリコロール」も同じ意味ですね。
日本語で「三色」とタイトルをつけても、なんだか間抜けな感じがしたので、外国語を借りて雰囲気を出してみました。
今回、サイトで背景に使っていた画像を添付してみました。
面影だけでも残そうかと思いまして。
写真はA県T市稲武町で撮ったものです。
田んぼを渡る風の音しかしないような、素敵な場所でした。
久しく行っていないので、いつかまた行きたいですね。
-サイト初出 2007.07.04- 以下、サイト掲載時のコメントです。(青字は今回付与しました)
私のオリジナル設定では、進と雪には子供がいます。←復活篇ができる前のことなので、復活篇の無い世界という設定です。
兄:碧(あおい)
妹:翠(みどり)
完結編後の進と雪のことを考えていたら、2人の子供の名前が唐突に浮かんできました。
年齢などの詳細まではまだ決め込んでいません。これからお話を考えていく内に自然に決まってくることかと思います。
まだ、そんな感じの生まれたての設定です。
進と雪が夫婦な訳なですから、当然らぶらぶな出来事もあったのでしょうが、私が恋愛に関してヘタレ過ぎな為甘いお話は書けませんので、期待しないで下さいませ(苦笑)