横浜田舎物語

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53年ぶりの声

2024-03-07 | ともだち
昨年の11月、喪中はがきが届いたころです。
何通か来ましたが、そのうちの1通に大変驚きました。

もう50年以上会ってなかった静岡の友人から、ご主人が亡くなられたと

一時、高齢の親が次々に亡くなって、その報告が、その後はやはり高齢になった兄弟の訃報が続き
次はつれあいの訃報・・
年齢とともにそれは仕方ないことだけど、今回のご主人はまだ70代
まだまだお元気だとばかり思っていたからショックでしたね。

彼女とはお互いの結婚式に出席するほどの仲だったのですが、私は故郷を離れて東京に転居
彼女のほうはご主人の転勤でやはり遠くに行ってしまったので
なかなか会う機会がないまま、なんと53年が過ぎてしまったのです。

もちろんその間年賀状のやり取りはしていたから、お互いの生存確認はできていたのですが

彼女、Mちゃんは学年が一つ下、結婚したのは私より1か月ほど後でしたけど
20歳か、21歳になったばかり?
美人さんでした。

ご主人とは結婚式の時会っただけですが、よく覚えています。

なんと、その結婚式で、私が世紀の大失態をやらかしてしまったから

この一件はいつかブログで告白しようと思っていましたが
今回、まさかのタイミングで・・故人へ改めてのお詫びを込めて恥をさらします。

それは1970年11月吉日、Mちゃんの結婚式当日のことです。

前月結婚式を挙げたばかりの私でしたが、彼女の結婚式のために実家に行き
翌日、沼津市内での式に出席しました。

親族の方々や大勢の友人の参加で和気あいあいの結婚式は終了

新婚の二人はそのまま新婚旅行に出発です。

行先は覚えていませんが、新幹線に乗るために沼津から三島に移動しました。

新郎の実家は浜松なので、親族の方々も同じ列車に乗って(新郎新婦はグリーン車ですが)
帰路に就くと言ってました。

私も一旦静岡の実家に行くことになっていたので、それではお見送りをしたら
別車両に乗り込みましょうと待機しました。

その時、なぜか新婦は私と一緒にいた(理由は覚えていない)
新郎はなにをしていたのか、近くにはいなかったような

当時の新婚旅行出発といったら、新郎は友人たちから祝福の胴上げ
そして大きな声でバンザーイ!が定番でした。

いつやるのかなと思っているうちに、新幹線がホームに入ってきました。

あらあら、早く乗らないと発車してしまう

そこで新婦と私はグリーン車に乗り込んだ、新郎も直にやってくるだろうと

万歳も胴上げもなしね、といったかどうか忘れたけど、とにかく列車が出てしまうと困ると
先に乗り込んでしまった。

座席番号を照らし合わせて確認もしたし、ところが発車ベルが鳴っても新郎が現れない
何してるのかしら??

勘のいい方ならもうお判りでしょう。

新郎は・・まだホームにいたのです
それも親族や友人に囲まれて・・心なしかきょろきょろしている?
探していたのでしょうね。当然です。

しかし・・非情にも列車は動き出してしまった。
新婦と付き添いの私だけを乗せて・・・

「キャー!」といったかどうかですが、すぐに乗務員に連絡、事情を話し
三島駅に通報してもらいました。

次の停車駅、静岡駅で(まだ富士には停まりませんでした)降りて待ちます。と

次の列車が来るまでの女子二人の心中をお察しください。

私はただただひたすら申し訳ない気持ちでいっぱいだし
彼女は・・新婚早々とんでもないことをやってしまった。
これからハネムーンに向かうというのに・・

静岡駅に二人で乗る予定だった、皆さんからお見送りを受ける予定だった列車が到着しました。

新郎がドアの向こう側に立っています。

大勢の見送り人や、一緒に乗る予定の親族になんといって乗ってきたのでしょう。
三島から静岡への間、一人きりで何を思っていたのでしょう。

本当に申し訳ないことをしました。

私はひたすらお詫びを・・それしかないのです

その後の話は・・詳しいことは聞いてないけど、心の広い方だったのでしょう。
無事ハネムーンから戻ったと聞いたときは本当にほっとしました。

しかしながら、一生に一度のハネムーン出発時、どんなに詫びたって
その時は帰ってきません。

長い人生、それはそれは、はた迷惑だったり、情けなかったり、数多くの失敗をしてきましたが
この時の比ではない。

自分の事ならいざ知らず、幸せな二人の門出に泥を塗ったようなものです。

毎年交わしてきた年賀状には、ご多分に漏れず<今年こそ会いましょうね>と
その繰り返しでとうとう53年が過ぎてしまいました。

そして、今頃になってようやく長い手紙と一緒に、ご主人の仏前にと心ばかりの品物を送りました。

数日して電話がありました。

懐かしい声・・「今度帰省するとき連絡してね、もう一人の友人Fちゃんにも連絡するから」って

こんなに長い間ご無沙汰してしまったのにうれしかった。

電話ではとても話しきれないって、それはそうでしょう
いろいろあったよね、私も同じ、じっくり聞くからね。

もう少し暖かくなったら・・どんなになったかな?お互い様だもの
でもMちゃんはきっと今でも美人さんなんだろうな

もう一度お詫びをして、ゆっくり話したい、その日が楽しみです。


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