日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(945)「パースの法則」は「変な命題」ではない。

2021-07-20 16:56:10 | 論理

(01)
5 原始的規則あるいは導出された規則を、既に証明されたどのような連式あるいは定理をでも用いて、証明せよ。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、80頁)
(a)├ P∨(P→Q)
(b)├(P→Q)∨(Q→R)
(c)├((P→Q)→P)→P
(02)
〔解答例〕
(a)
  (1)~P∨P    A(排中律
2 (2)~P      A
2 (3)~P∨Q    2∨I
2 (4) P→Q    3含意の定義
2 (5)P∨(P→Q) 4∨I
 6(6)P       A
 6(7)P∨(P→Q) 6∨I
  (8)P∨(P→Q) 12567∨E
(b)
1  (1)Q∨~Q        A(排中律
 2 (2)Q           A
 2 (3)~P∨Q        2∨I
 2 (4) P→Q        3含意の定義
 2 (5)(P→Q)∨(Q→R) 4∨I
  6(6)  ~Q        A
  6(7)  ~Q∨R      6∨I
  6(8)   Q→R      7含意の定義
  6(9)(P→Q)∨(Q→R) 8∨I
1  (ア)(P→Q)∨(Q→R) 12569∨E
(c)
1  (1)  (P→Q)→P   A
1  (2) ~(P→Q)∨P   1含意の定義
 3 (3) ~(P→Q)     A
 3 (4)~(~P∨Q)     3含意の定義
 3 (5)  P&~Q      4ド・モルガンの法則
 3 (6)  P         5&E
  7(7)        P   A
1  (8)        P   13677∨E
   (9)((P→Q)→P)→P 18CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
(a)├ P∨(P→Q)
(b)├(P→Q)∨(Q→R)
(c)├((P→Q)→P)→P
といふ「3つの連式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
(c)
1   (1)((P→ Q)→P)→P A
 2  (2) (P&~Q)∨P    A
  3 (3)  P&~Q       A
  3 (4)~(~P∨Q)      3ド・モルガンの法則
  3 (5)~(~P∨Q)∨P    4∨I
   6(6)        P    A
   6(7)~(~P∨Q)∨P    6∨I
 2  (8)~(~P∨Q)∨P    23567∨E
 2  (9)~(P→ Q)∨P    8含意の定義
 2  (ア) (P→ Q)→P    9含意の定義
12  (イ)           P 1アMPP
1   (ウ)((P&~Q)∨P)→P 2イCP
(d)
1   (1)((P&~Q)∨P)→P A
 2  (2) (P→ Q)→P    A
 2  (3)~(P→ Q)∨P    2含意の定義
  4 (4)~(P→ Q)      A
  4 (5)~(~P∨Q)      4含意の定義
  4 (6)  P&~Q       5ド・モルガンの法則
  4 (7) (P&~Q)∨P    6∨I
   8(8)        P    A
   8(9) (P&~Q)∨P    8∨I
 2  (ア) (P&~Q)∨P    34789∨E
12  (イ)          P  1アMPP
1   (ウ)((P→Q)→P)→P  2イCP
従って、
(04)により、
(05)
①   P∨(P→Q)
② (P→Q)∨(Q→R)
③((P→ Q)→P)→P
④((P&~Q)∨P)→P
といふ「4つの連式」は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③=④ である。
然るに、
(06)
パースの法則
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとしてパースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
従って、
(05)(06)により、
(07)
③((P→ Q)→P)→P
④((P&~Q)∨P)→P
に於いて、
③=④ であって、
③ は、「パースの法則」といふ、「変な命題」である。
従って、
(07)により、
(08)
P=日本人である。
Q=男性である。
として、
③((日本人であるならば、男性である)ならば、日本人である)ならば、日本人である。
④((日本人であって、男性でない)か、または、日本人である)ならば、日本人である。
に於いて、
③=④ であって、
③ は、「パースの法則」といふ、「変な命題」である。
然るに、
(09)
④((日本人であって、男性でない)か、または、日本人である)ならば、いづれにせよ、日本人である。
といふことは、「当然」である。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
③((P→ Q)→P)→P
④((P&~Q)∨P)→P
に於いて、
③ は、「パースの法則」といふ、「変な命題」であるとしても、
④ は、「普通の命題」であって、尚且つ、
④ は、③ に、「等しい」。
従って、
(05)(10)により、
(11)
③((P→ Q)→P)→P
④((P&~Q)∨P)→P
に於いて、
③=④ である。
といふことからすれば、「パースの法則」は、「普通の、恒真式(トートロジー)」である。



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
昨日我がエッセイ集にて (原左都子)
2021-07-21 20:06:12
以下の内容を取り上げました。
幾何学は数論の応用の位置づけとして行われていた。 例えば「線」は原始的なものが連なってできていて、「数」とは自然数に限った。
 天文学は数論の応用であり、これらはヨーロッパの学問へ取り入れられた。
特に大学のカリキュラムとして、Quadriam 自由大学科 lberal arts、手仕事を含むアーツ mechanical arts、分野が生じ。 ローマ時代にはTririam 論理学、文法、修辞学 が学問として確立された。
 ヨーロッパでは神学が一番高い地位にあったが、まず魂を自由にするなるピタゴラス派の考え方は、後世まで深く影響している。
私め原左都子が過去に学んだ自然科学(哲学を含みますが)とonomameusさんの論理学が重なる部分があると考察します。
返信する

コメントを投稿