日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(685)「全部否定」と「部分否定」。

2020-08-16 16:37:48 | 訓読

(01)
(ⅱ)
1(1) ∀x(Fx→~Gx) A
1(2)    Fa→~Ga  1UE
1(3)   ~Fa∨~Ga  2含意の定義
1(4)  ~(Fa& Ga) 3ド・モルガンの法則
1(5)∀x~(Fx& Gx) 4UI
1(6)~∃x(Fx& Gx) 5量化子の関係
(ⅲ)
1(1)~∃x(Fx& Gx) A
1(2)∀x~(Fx& Gx) 1量化子の関係
1(3)  ~(Fa& Ga) 1UE
1(4)   ~Fa∨~Ga  3ド・モルガンの法則
1(5)    Fa→~Ga  4ド・モルガンの法則
1(6) ∀x(Fx→~Gx) 5UI
従って、
(01)により、
(02)
②  ∀x(Fx→~Gx)≡すべてのxについて(xがFならば、xはGでない)。
③ ~∃x(Fx& Gx)≡(Fであって、Gであるx)は存在しない
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)により、
(03)
②  ∀x(馬x→~千理x)≡すべての馬は、千里ではない。
③ ~∃x(馬x& 千里x)≡千里の馬は存在しない
然るに、
(04)
① 千里馬常不有≡千里の馬は、常に有らず。
従って、
(03)(04)により、
(05)
①        千里馬常不有≡千里の馬は、常に有らず。
②   ∀x(馬x→~千理x)≡すべての馬は、千里ではない。
③ ~∃x(馬x& 千里x)≡千里の馬は存在しない
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
全部否定(All negative)
(06)
(ⅴ)
1 (1)~∀x(Fx→Gx) A
1 (2)∃x~(Fx→Gx) 1量化子の関係
 3(3)  ~(Fa→Ga) A
 3(4) ~(~Fa∨Ga) 3含意の定義
 3(5)   Fa&~Ga  4ド・モルガンの法則
 3(6)∃x(Fx&~Gx) 5EI
1 (7)∃x(Fx&~Gx) 136EE
(ⅵ)
1 (1)∃x(Fx&~Gx) A
 2(2)   Fa&~Ga  A
 2(3) ~(~Fa∨Ga) 2ド・モルガンの法則
 2(4)  ~(Fa→Ga) 3含意の定義
 2(5)∃x~(Fx→Gx) 4EI
1 (6)∃x~(Fx→Gx) 125EE
1 (7)~∀x(Fx→Gx) 6量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
⑤ ~∀x(Fx→  Gx)≡(すべてのxについて(xがFならば、xはGである))といふわけではない。
⑥  ∃x(Fx&~Gx)≡(Fであって、Gでないx)が存在する。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(07)により、
(08)
⑤ ~∀x(馬x→ 千里x)≡(すべての馬が、千里である)といふわけではない。
⑥  ∃x(馬x&~千里x)≡(千里ではない、馬)が存在する。
然るに、
(09)
④ 千里馬不常有≡千里の馬は、常には有らず。
従って、
(08)(09)により、
(10)
④          千里馬不常有≡千里の馬は、常に有らず。
⑤ ~∀x(馬x→ 千里x)≡(すべての馬が、千里である)といふわけではない。
⑥  ∃x(馬x&~千里x)≡(千里ではない、馬)が存在する。
に於いて、
④=⑤=⑥ である。
cf.
部分否定(Partially negative)
然るに、
(11)
① 千里馬常有≡千里の馬は、常に、有ら
④ 千里馬常有≡千里の馬は、常に有ら
といふ「漢文」は、「順番」に、
① 千里馬常有≡千里の馬は、有らること、なり。
④ 千里馬有≡千里の馬は、有ること、なら
といふ風にも、「読むこと」が出来る。
cf.
(原田種成、私の漢文講義、1995年、56頁)



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