日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(672)「(だけ)が」=「が」、「the(only)」=「the」。

2020-07-01 16:03:20 | 「は」と「が」

(01)
1     (1)∃x∃y{Sx&Py&Txy&∀z(Tzy→x=z)} A
 2    (2)  ∃y{Sa&Py&Tay&∀z(Tzy→a=z)} A
  3   (3)     Sa&Pb&Tab&∀z(Tzb→a=z)  A
  3   (4)               ∀z(Tzb→a=z)  3&E
  3   (5)                  Tcb→a=c   1UE
   6  (6)  ∃z(Az&~Sz)                A
    7 (7)     Ac&~Sc                 A
  3   (8)     Sa                     3&E
    7 (9)        ~Sc                 8&E
     ア(ア)          a=c               A
    7ア(イ)        ~Sa                 9ア=E
  3 7ア(ウ)     Sa&~Sa                 8イ&I
  3 7 (エ)          a≠c               アウRAA
  3 7 (オ)                 ~Tcb       5エMTT
  3   (カ)     Ac                     7&E
  3   (キ)        Pb                  3&E
  3   (ク)     Ac&Pb                  カキ&I
  3 7 (ケ)     Ac&Pb&~Tcb             オク&I
  3 7 (コ)  ∃y(Ac&Py&~Tcy)            ケEI
  36  (サ)  ∃y(Ac&Py&~Tcy)            67コEE
  36  (シ)∃z∃y(Az&Py&~Tzy)            サEI
 2 6  (ス)∃z∃y(Az&Py&~Tzy)            23シEE
1  6  (セ)∃z∃y(Az&Py&~Tzy)            12スEE
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∃x∃y{Sx&Py&Txy&∀z(Tzy→x=z)}。然るに、
(ⅱ)  ∃z(Az&~Sz)。従って、
(ⅲ)∃z∃y(Az&Py&~Tzy)。
といふ「三段論法」、すなはち、
(ⅰ)あるxとあるyについて{xはソクラテスであって、yはプラトンであって、すべてのzについて、zがyを教へたのであれば、xとzは「同一」である}。然るに、
(ⅱ)あるzについて(zはアリストテレスであって、ソクラテスではない)。故に、
(ⅲ)あるzとあるyについて(zはアリストテレスであって、yはプラトンであって、zはyを教へなかった)。
といふ「三段論法」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)Socrates is the only philosopher who taught Plato.
(ⅱ)Aristotle is not Socrates. therefore,
(ⅲ)Aristotle did not teach Plato.
といふ「三段論法」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I most admire.
(1)―(3)の文は単純な主語・述語の文である。特定の対象が(ソクラテス、パリ、勇気)がある性質(哲学者であること、都市であること、徳であること)をもつ、と言われるのである。従って、(1)―(3)における「である」のことを、述語の作用する「である」('is' of predication)とよぶ。この「である」の用法は(4)―(6)における「である」と比較対照される必要がある。ここでは、その意味はむしろ、「同じ対象である」(「対象:という語をある広い、中立的な意味に用いて)である。この「である」をわれわれは同一性の「である」('is' of identity)として区別する。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、205頁)
然るに、
(05)
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
に於いて、
(4)「ソクラテス」と「ソクラテスはプラトンを教えた哲学者」が「同一」である。
といふことは、
(4)「ソクラテスだけが、プラトンを教えた哲学者である。」
といふことに、他ならない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①「Socrates is the philosopher who taught Plato.」といふ「英語」は、実質的には、
②「Socrates is the only philosopher who taught Plato.」といふ「意味」である。
従って、
(06)により、
(07)
「英語の話者」は、
① Socrates is the philosopher who taught Plato.
といふ「英語」を、
② Socrates is the only philosopher who taught Plato.
といふ「意味」で、用ひてゐる。
然るに、
(08)
② Socrates is the only philosopher who taught Plato.
② ソクラテスだけがプラトンを教えた哲学者である。
に対して、
② Socrates is a only philosopher who taught Plato.
② ソクラテスだけプラトンを教えた哲学者である。
といふ、少なくとも、「日本語」は無いし、「英語」も、無いはずである。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① Socrates is the philosopher who taught Plato.
① ソクラテスプラトンを教えた哲学者である。
といふ「英語」と「日本語」が、それぞれ、
② Socrates is the only philosopher who taught Plato.
② ソクラテスだけがプラトンを教えた哲学者である。
といふ「意味」であるとしても、「不思議」ではない。
従って、
(09)により、
(10)
② Socrates is the only philosopher who taught Plato.
② ソクラテスだけがプラトンを教えた哲学者である。
に於いて、
② only
② だけ
を「省略」した形が、
① Socrates is the philosopher who taught Plato.
① ソクラテスプラトンを教えた哲学者である。
であるとしても、「不思議」ではない。



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