日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(685)「なので(├ )」と「ならば(→)」の「論理的な意味」。

2020-07-18 15:46:28 | 論理

(01)
「訴状」のやうなモノを書いてゐたため、
「しばらくの間、ブログを書かない日」が続いてゐました。
(02)
「・・・・・といふ仮定が与えられるならば、・・・・・と正しく結論することができる」といふ煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)、
 ├
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、16頁)
従って、
(02)により、
(03)
① P&Q├ P
といふ「連式(Sequent)」は、
① PであってQなので、Pである。
といふ風に、「読むこと」ができる。
然るに、
(04)
② P&Q→ P
といふ「恒真式(トートロジー)」は、
② PであってQならば、Pである。
といふ風に、「読む」。
然るに、
③(~P∨P)∨~Q
といふ「恒真式(トートロジー)」は、
③(Pでないか、Pである)かQでない。
といふ風に、「読む」。
(05)
(ⅱ)
1  (1)   P&Q→ P A
1  (2) ~(P&Q)∨P 1含意の定義
 3 (3) ~(P&Q)   A
 3 (4) ~P∨~Q    3ド・モルガンの法則
 3 (5) ~P∨~Q∨ P 4∨I
  6(6)        P A
  6(7) ~P∨~Q∨ P 6∨I
1  (8) ~P∨~Q∨ P 23567∨E
1  (9) ~P∨P∨ ~Q 8交換法則
1  (ア)(~P∨P)∨~Q 9結合法則
(ⅲ)
1  (1)(~P∨P)∨~Q A
1  (2) ~P∨P ∨~Q 1結合法則
1  (3) ~P∨~Q∨ P 2交換法則
1  (4)(~P∨~Q)∨P 3結合法則
 5 (5)(~P∨~Q)   A
 5 (6)~(P&Q)    5ド・モルガンの法則
 5 (7)~(P&Q)∨ P 6∨I
  8(8)        P A
  8(9)~(P&Q)∨ P 8∨I
1  (ア)~(P&Q)∨ P 15789∨E
1  (イ)  P&Q→ P  ア含意の定義
従って、
(03(04)(05)により、
(06)
②    P&Q→P
③(~P∨P)∨~Q
に於いて、すなはち、
②  PであってQならば、Pである。
③(Pでないか、Pである)かQでない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(07)
① P&Q├ P
PであってなのでPである
といふのであれば、
Pである。と言ってゐて、
③(~P∨P)∨~Q
③(Pでないか、Pである)かQでない。
といふのであれば、
Pである。とは言ってゐない
従って、
(07)により、
(08)
① P&Q├ P
① PであってQなので、Pである。
③(~P∨P)∨~Q
③(Pでないか、Pである)かQでない。
に於いて、「日本語」の「意味」としては、
①=③ ではない
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① P&Q├ P
① PであってQなので、Pである。
② P&Q→ P
② PであってQならば、Pである。
に於いて、「日本語」の「意味」としては、
①=② ではない
然るに、
(10)
(ⅰ)P&Q├ Q
1(1)P&Q   A
1(2)P     1&E
(ⅱ)├ P&Q→P
1(1)P&Q   A
1(2)P     1&E
 (3)P&Q→P 12CP
従って、
(10)により、
(11)
① P&Q├ P
② P&Q→ P
① PであってQなので、Pである。
② PであってQならば、Pである。
に於いて、
① であるならば、そのときに限って、② であり、
② であるならば、そのときに限って、① である。
従って、
(11)により、
(12)
① P&Q├ P
② P&Q→ P
① PであってQなので、Pである。
② PであってQならば、Pである。
に於いて、「論理的」には、
①=② である
従って、
(09)(12)により、
(13)
① P&Q├ P
① PであってQなので、Pである。
② P&Q→ P
② PであってQならば、Pである。
に於いて、「日本語」の「意味」としては、
①=② ではない
にもかかわらず、「論理的」には、
①=② である
といふ、「ヲカシナ事態」が、生じることになる。
cf.
 ただし、
 ① P&Q├ P
 ② P&Q→ P
 に於いて、
 ① は、「連式」であって、
 ② は、「論理式」なので、論理式」同士を、比較してゐるわけではない
然るに、
(14)
① 熱があって喉が痛いので、 病院へ行く。 
と言へるためには、
② 熱があって喉が痛いならば、病院へ行く。
といふ風に、言へなければ、ならないし
② 熱があって喉が痛いならば、病院へ行く。
と言っていたのに
① 熱があって喉が痛いけれど、病院へは行かない
のであれば、「嘘つき」である。
従って、
(14)により、
(15)
① 熱があって喉が痛いので、 病院へ行く。
② 熱があって喉が痛いならば、病院へ行く。
に於いて、「論理的」には、
①=② である
然るに、
(16)
① 熱があって喉が痛いので、 病院へ行く。
② 熱があって喉が痛いならば、病院へ行く。
に於いて、「日本語」の「意味」としては、もちろん、
①=② ではない
従って、
(13)~(16)により、
(17)
① P&Q├ P
① PであってQなので、Pである。
② P&Q→ P
② PであってQならば、Pである。
に於いて、「日本語」の「意味」としては、
①=② ではない
にもかかわらず、「論理的」には、
①=② である
といふ、「ヲカシナ事態」が、生じることになる。ものの、
① 熱があって喉が痛いので、 病院へ行く。
② 熱があって喉が痛いならば、病院へ行く。
といふ「例文」が有る以上、必ずしも、「ヲカシナ事態」ではない
といふ、ことになる。



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