(01)
「ソクラテスは人間である」という一つの文は、
(xはソクラテスである)(xは人間である)
という、もっとも基本的な主語―述語からなる二つの文の特定の組み合わせと考えることができる。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、118頁)
従って、
(01)により、
(02)
① ソクラテスx&人間x
② ソクラテスは、人間である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① 森山x&~犯人x
② 森山は、 犯人ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
③ m≠x&犯人x
④ mはxではなく、xは犯人である。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(05)
④ mはxではなく、xは犯人である。
⑤ mは、犯人ではない。
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
③ m≠x&犯人x
④ mは、 犯人ではない。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(07)
第一に、 固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m、n、・・・・・
第二に、任意の名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
a、b、c、・・・・・
第三に、 個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
x、y、z、・・・・・
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、176頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
m(固有名詞)=森山
とするならば、
③ m≠x&犯人x
④ 森山は、犯人ではない。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(03)(08)により、
(09)
m(固有名詞)=森山
とするならば、
① 森山x&~犯人x
② 森山は、 犯人ではない。
③ m≠x& 犯人x
④ 森山は、 犯人ではない。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 森山は、 犯人ではない。
といふ「日本語」には、
② 森山x&~犯人x
③ m≠x& 犯人x
といふ、「2通り」の「述語論理式」が、「対応」する。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1 (1) ∀x(犯人x→m=x∨n=x) A
1 (2) 犯人a→m=a∨n=a 1UE
3 (3) 犯人a A
13 (4) m=a∨n=a 23MPP
5 (5) m≠a&n≠a A
6 (6) m=a A
5 (7) m≠a 5&E
56 (8) m=a&m≠a 67&I
6 (9) ~(m≠a&n≠a) 58RAA
ア (ア) n=a A
5 (イ) n≠a 5&E
5 ア (ウ) n=a&n=a アイ&I
ア (エ) ~(m≠a&n≠a) 5ウRAA
13 (オ) ~(m≠a&n≠a) 469アエ∨E
カ (カ) m≠a A
キ (キ) n≠a A
カキ (ク) (m≠a&n≠a) カキ&I
13 カキ (ケ) ~(m≠a&n≠a)&
(m≠a&n≠a) オク&I
13 カ (コ) ~(n≠a) キケRAA
13 カ (サ) n=a コDN
13 (シ) m≠a→n=a カサCP
1 (ス) 犯人a→(m≠a→n=a) 3シCP
セ(セ) m≠a&犯人a A
セ(ソ) 犯人a セ&E
1 セ(タ) m≠a→n=a スソMPP
セ(チ) m≠a セ&E
1 セ(ツ) n=a タチMPP
1 セ(テ) n=a&犯人a ソツ&I
1 (ト) m≠a&犯人a→n=a&犯人a セテCP
1 (ナ)∀x(m≠x&犯人x→n=x&犯人x) トUI
(ⅱ)
1 (1)∀x(m≠x&犯人x→n=x&犯人x) A
1 (2) m≠a&犯人a→n=a&犯人a 1UE
3 (3) m≠a A
4 (4) 犯人a A
34 (5) m≠a&犯人a 34&I
134 (6) n=a&犯人a 25MPP
134 (7) n=a 6&E
1 4 (8) m≠a→n=a 37CP
1 4 (9) m=a∨n=a 8含意の定義
1 (ア) 犯人a→m=a∨n=a 49CP
1 (イ)∀x(犯人x→m=x∨n=x) アUI
従って、
(11)により、
(12)
① ∀x(犯人x→m=x∨n=x)
② ∀x(m≠x&犯人x→n=x&犯人x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)(12)により、
(13)
m(固有名詞)=森山
n(固有名詞)=中野
とするならば、
① ∀x(犯人x→森山=x∨中野=x)
② ∀x(森山≠x&犯人x→中野=x&犯人x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(13)により、
(14)
① すべてのxについて(犯人がxであるならば、森山がxであるか、中野がxである)。
② すべてのxについて(森山がxでなくて、xが犯人であるならば、中野がxであって、xは犯人である)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(14)により、
(15)
① 犯人は、森山か、中野である。従って、
② 森山が、犯人でないならば、中野が犯人である。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
最新の画像[もっと見る]
- (219)「雜説・韓愈」の述語論理(Ⅱ):「返り点」に注意。 6年前
- (148)足りないのは「和文力」。 6年前
- (145)「雑説、韓愈」に於ける「連言の否定」(Ⅴ) 6年前
- (142)「雑説、韓愈」に於ける「連言の否定」(Ⅱ)。 6年前
- (141)「雑説、韓愈」と「連言の否定」。 6年前
- (139)『括弧』と『返り点』。 6年前
- (137)「君子不以其所以養人者害人」等の「不」について。 6年前
- (135)「以十五城(副詞句)」の位置について。 6年前
- (130)「白話文(北京語)」の、有り得ない「返り点」について。 6年前
- (130)「白話文(北京語)」の、有り得ない「返り点」について。 6年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます