日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(884)「森山が犯人でないならば、中野が犯人である。」の「述語論理」。

2021-05-11 13:06:19 | 論理

(01)
「ソクラテスは人間である」という一つの文は、
(xはソクラテスである)(xは人間である)
という、もっとも基本的な主語―述語からなる二つの文の特定の組み合わせと考えることができる。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、118頁)
従って、
(01)により、
(02)
① ソクラテスx&人間x
② ソクラテスは、人間である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① 森山x&~犯人x
② 森山は、 犯人ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
③ m≠x&犯人x
④ mはxではなく、xは犯人である。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(05)
④ mはxではなく、xは犯人である。
⑤ mは、犯人ではない。
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
③ m≠x&犯人x
④ mは、 犯人ではない。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(07)
第一に、 固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
 m、n、・・・・・
第二に、任意の名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
 a、b、c、・・・・・
第三に、 個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
 x、y、z、・・・・・
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、176頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
m(固有名詞)=森山
とするならば、
③ m≠x&犯人x
④ 森山は、犯人ではない。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(03)(08)により、
(09)
m(固有名詞)=森山
とするならば、
① 森山x&~犯人x
② 森山は、 犯人ではない。
③ m≠x& 犯人x
④ 森山は、 犯人ではない。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 森山は、 犯人ではない。
といふ「日本語」には、
② 森山x&~犯人x
③ m≠x& 犯人x
といふ、「2通り」の「述語論理式」が、「対応」する。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1       (1) ∀x(犯人x→m=x∨n=x)    A
1       (2)    犯人a→m=a∨n=a     1UE
 3      (3)    犯人a             A
13      (4)        m=a∨n=a     23MPP
  5     (5)        m≠a&n≠a     A
   6    (6)        m=a         A
  5     (7)        m≠a         5&E
  56    (8)        m=a&m≠a     67&I
   6    (9)      ~(m≠a&n≠a)    58RAA
    ア   (ア)            n=a     A
  5     (イ)            n≠a     5&E
  5 ア   (ウ)        n=a&n=a     アイ&I
    ア   (エ)      ~(m≠a&n≠a)    5ウRAA
13      (オ)      ~(m≠a&n≠a)    469アエ∨E
     カ  (カ)        m≠a         A
      キ (キ)            n≠a     A
     カキ (ク)       (m≠a&n≠a)    カキ&I
13   カキ (ケ)      ~(m≠a&n≠a)&
                  (m≠a&n≠a)    オク&I
13   カ  (コ)          ~(n≠a)    キケRAA
13   カ  (サ)            n=a     コDN
13      (シ)        m≠a→n=a     カサCP
1       (ス)   犯人a→(m≠a→n=a)    3シCP
       セ(セ)   m≠a&犯人a          A
       セ(ソ)       犯人a          セ&E
1      セ(タ)        m≠a→n=a     スソMPP
       セ(チ)   m≠a              セ&E
1      セ(ツ)           n=a      タチMPP
1      セ(テ)           n=a&犯人a  ソツ&I
1       (ト)   m≠a&犯人a→n=a&犯人a  セテCP
1       (ナ)∀x(m≠x&犯人x→n=x&犯人x) トUI
(ⅱ)
1       (1)∀x(m≠x&犯人x→n=x&犯人x) A
1       (2)   m≠a&犯人a→n=a&犯人a  1UE
 3      (3)   m≠a              A
  4     (4)       犯人a          A
 34     (5)   m≠a&犯人a          34&I
134     (6)           n=a&犯人a  25MPP
134     (7)           n=a      6&E
1 4     (8)       m≠a→n=a      37CP
1 4     (9)       m=a∨n=a      8含意の定義
1       (ア)   犯人a→m=a∨n=a      49CP
1       (イ)∀x(犯人x→m=x∨n=x)     アUI
従って、
(11)により、
(12)
① ∀x(犯人x→m=x∨n=x)
② ∀x(m≠x&犯人x→n=x&犯人x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)(12)により、
(13)
m(固有名詞)=森山
n(固有名詞)=中野
とするならば、
① ∀x(犯人x→森山=x∨中野=x)
② ∀x(森山≠x&犯人x→中野=x&犯人x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(13)により、
(14)
① すべてのxについて(犯人がxであるならば、森山がxであるか、中野がxである)。
② すべてのxについて(森山がxでなくて、xが犯人であるならば、中野がxであって、xは犯人である)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(14)により、
(15)
① 犯人は、森山か、中野である。従って、
② 森山が、犯人でないならば、中野犯人である。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当」である。



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