日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(589) 「日本語基礎講座 三上文法入門、65・66頁」

2020-04-17 17:56:14 | 三上文法

(01)
(ⅰ)
1  (1) P→ Q A
 2 (2) P    A
  3(3)   ~Q A
12 (4)    Q 12MPP
123(5) ~Q&Q 34&I
1 3(6)~P    25RAA
1  (7)~Q→~P 36CP
(ⅱ)
1  (1)~Q→~P A
 2 (2)    P A
  3(3)~Q    A
1 3(4)   ~P 13MPP
123(5) P&~P 24&I
12 (6)~~Q   35RAA
12 (7) Q    6DN
1  (8) P→ Q 27CP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→ Q
② ~Q→~P
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(02)により、
(03)
①  Q→ P
② ~P→~Q
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
①( P→ Q)&( Q→ P)
②(~Q→~P)&( Q→ P)
③( P→ Q)&(~P→~Q)
④(~Q→~P)&(~P→~Q)
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(04)
(05)
①( 私→ 幹)&( 幹→ 私)
②(~幹→~私)&( 幹→ 私)
③( 私→ 幹)&(~私→~幹)
④(~幹→~私)&(~私→~幹)
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(05)により、
(06)
①( 私ならば 幹事)&( 幹事ならば 私)
②(~幹事ならば~私)&( 幹事ならば 私)
③( 私ならば 幹事)&(~私ならば~幹事)
④(~幹事ならば~私)&(~私ならば~幹事)
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(06)により、
(07)
「番号」を変へると、
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
無題化というのは、「Ⅹは」の「は」を消すことですから、センテンスの形のままでもできないことはありませんが、センテンスの形では、本当に無題になりきらない場合も起こります。たとえば。
 私は、幹事です。
 私が、幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の箇所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当には無題化していないわけです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座 三上文法入門、2003年、65・66頁)
然るに、
(07)(08)により、
(09)
 私は、幹事です。
 私、幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近い。といふことは、
① 私、幹事です。
といふ「日本語の意味」が、
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
といふ「日本語の意味」に、近いといふことであって、尚且つ、
②=③ である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
山崎先生は、
①  私が、幹事です。
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
に於いて、
①=②=③ ではないにしても、
①≒②≒③ である。
と、言ってゐる。
然るに、
(11)
②「私」は
②「私以外にはゐない。」
従って、
(12)
②「幹事は私です。」
と言ふのあれば、必然的に、
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(13)
③(その場に於いて、)私以外にも幹事がゐる
にも拘らず、
① 私幹事です。
と、言ふことは、有り得ない
従って、
(08)~(13)により、
(14)
実際には、
①  私、幹事です。
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
に於いて、
①≒②≒③ ではなく、
①=②=③ である。
従って、
(08)(14)により、
(15)
ただ単に、
①  私、幹事です。
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことを、「確認」すれば、良いだけなのであって、
 私が、幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の箇所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当には無題化していないわけです。
といふ風に、言はなければならない「必要」などは、無いはずである。
(16)
① 象は、鼻が長い。
② 鼻が長い象。
③ 象の長い鼻。
④ 象の鼻が長いコト。
に於いて、
① 象は は、「題」である。
② 象が は、「題」ではない
③ 象の は、「題」ではない
④ 象の は、「題」ではない
従って、
(16)により、
(17)
① 象は、鼻が長い。
に対して、
② 鼻が長い象。
③ 象の長い鼻。
④ 象の鼻が長いコト。
は、「無題」なので、「無題化」である。
として、「そうのやうに、言った」ところで、
「何か、良いことが有るのか。」といふ風に、私は、言ひたい。


(588)「鼻は象が長い」の「否定」の「述語論理」。

2020-04-17 15:28:44 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
― 以前にも、書いたものの、―
(ⅰ)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  A
 3    (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3    (5)                  ~象b&鼻ab→~長a   3&E
  6   (6)                           長a   A
  6   (7)                         ~~長a   6DN
 36   (8)                ~(~象b&鼻ab)      57MTT
 36   (9)                  象b∨~鼻ab       8ド・モルガンの法則
   ア  (ア)                  象b            A
   ア  (イ)                ~~象a            アDN
   ア  (ウ)                ~~象a∨~鼻ab       イ∨I
    エ (エ)                     ~鼻ab       A
    エ (オ)                ~~象b∨~鼻ab       エ∨I
 36   (カ)                ~~象b∨~鼻ab       9アウエオ∨E
 36   (キ)                 ~象b→~鼻ab       カ含意の定義
 3    (ク)             長a→(~象b→~鼻ab)      6キCP
     ケ(ケ)             長a& ~象b            A
     ケ(コ)             長a                 ケ&E
 3   ケ(サ)                 ~象b→~鼻ab       クコMPP
     ケ(シ)                 ~象b            ケ&E
 3   ケ(ス)                     ~鼻ab       サシMPP
 3    (セ)              長a&~象b→~鼻ab       ケスCP
 3    (ソ)     (鼻ab&象b→長a)&(長a&~象b→~鼻ab)  4セ&I
 3    (タ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} ソEI
1     (チ)  ∃y{(鼻ay&象b→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} 23タEE
1     (ツ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)} チUI
(ⅱ)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象b→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b→長a)&(長a&~象b→~鼻ab)  A
 3    (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3    (5)                  長a&~象b→~鼻ab   3&E
  6   (6)                          鼻ab   A
  6   (7)                        ~~鼻ab   6DN
 36   (8)                ~(長a&~象b)       57MTT
 36   (9)                 ~長a∨ 象b        8ド・モルガンの法則
 36   (ア)                  象a∨~長a        9交換法則
   イ  (イ)                  象a            A
   イ  (ウ)                ~~象a            イDN
   イ  (エ)                ~~象a∨~長a        ウ∨I
    オ (オ)                     ~長a        A
    オ (カ)                ~~象a∨~長a        オ∨I
 36   (キ)                ~~象a∨~長a        アイエオカ∨E
 36   (ク)                 ~象a→~長a        キ含意の定義
 3    (ケ)               鼻ab→(~象a→~長a)    6クCP
     コ(コ)              ~象b&鼻ab           A
     コ(サ)                  鼻ab           コ&E
 3   コ(シ)                    ~象a→~長a     ケサMPP
     コ(ス)              ~象b               コ&E
 3   コ(セ)                        ~長a     シスMPP
 3    (ソ)                  ~象b&鼻ab→~長a   コセCP
 3    (タ)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  4ソ&I
 3    (チ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} タEI
1     (ツ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 23チEE
1     (テ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} ツUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xが長くて、yが象でないならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふことは、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない
といふ「意味」である。
(04)
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)}⇔
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xが長くて、yが象でないならば、xはyの鼻ではない。
といふことは、
② 鼻は象は長く、象以外の動物で、ある部分が長いならば、鼻以外の、例へば、耳が長い。
② 鼻は象は長く、象以外の動物で、ある部分が長いならば、鼻以外の、例へば、顔が長い。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
{象、兎、馬}を、{変域(ドメイン)}とすると、
① 鼻は象長く、
② 耳は兎長く、
③ 顔は馬長い。
といふ「日本語」は、「正しい」。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は、象は長く、象以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなくて、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
― 以前には書かなかったものの、―
(ⅰ)
1    (1)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} A
1    (2)∃x~∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} 1量化子の関係
1    (3)∃x∀y~{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} 2量化子の関係
 4   (4)  ∀y~{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} A
 4   (5)    ~{(鼻ab&象b→長a)& (~象b&鼻ab→~長a)} 4UE
 4   (6)     ~(鼻ab&象b→長a)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  5ド・モルガンの法則
 4   (7)      (鼻ab&象b→長a)→~(~象b&鼻ab→~長a)  6含意の定義
  8  (8)      (鼻ab&象b→長a)                 A
 48  (9)                  ~(~象b&鼻ab→~長a)  48MPP
 48  (ア)               ~{~(~象b&鼻ab)∨~長a}  9含意の定義
 48  (イ)                  (~象b&鼻ab)& 長a   アド・モルガンの法則
 48  (ウ)                  (~象b&鼻ab&長a)    イ結合法則
 4   (エ)      (鼻ab&象b→長a)→(~象b&鼻ab&長a)    8ウCP
 4   (オ)     ~(鼻ab&象b→長a)∨(~象b&鼻ab&長a)    エ含意の定義
   カ (カ)     ~(鼻ab&象b→長a)                 A
   カ (キ)   ~{~(鼻ab&象b)∨長a)                カ含意の定義
   カ (ク)      (鼻ab&象b)&~長a                キ、ド・モルガンの法則
   カ (ケ)      (鼻ab&象b&~長a)                ク結合法則
   カ (コ)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   ケ∨I
    サ(サ)                   (~象b&鼻ab&長a)   A
    サ(シ)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   サ∨I
 4   (ス)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   オカコサシ∨E
 4   (セ)   ∀y{(鼻ay&象y&~長y)∨(~象y&鼻ay&長a)}  スUI
 4   (ソ) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  セEI
1    (タ) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  34ソEE
(ⅱ)
1    (1) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  A
 2   (2)   ∀y{(鼻ay&象y&~長y)∨(~象y&鼻ay&長a)}  A
 2   (3)      (鼻ab&象b&~長b)∨(~象b&鼻ab&長a)   2UE
  4  (4)      (鼻ab&象b&~長b)                A
  4  (5)      (鼻ab&象b)&~長b                4結合法則
  4  (6)   ~~{(鼻ab&象b)&~長b}               5DN
  4  (7)   ~{~(鼻ab&象b)∨ 長b}               6ド・モルガンの法則
  4  (8)     ~(鼻ab&象b→長b)                 7含意の定義
  4  (9)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  8∨I
   ア (ア)                   (~象b&鼻ab &長a)  A
   ア (イ)                   (~象b&鼻ab)&長a   ア結合法則
   ア (ウ)                ~~{(~象b&鼻ab)&長a}  イDN
   ア (エ)                ~{~(象b&鼻ab)∨~長a}  ウ、ド・モルガンの法則
   ア (カ)                  ~(象b&鼻ab →~長a)  エ、含意の定義
   ア (キ)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  カ∨I
 2   (ク)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  349アキ∨E
 2   (ケ)    ~{(鼻ab&象b→長a)& (~象b&鼻ab→~長a)} ク、ド・モルガンの法則
 2   (コ)  ∀y~{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} ケUI
 2   (サ)  ~∃y{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} コ量化子の関係
 2   (シ)∃x~∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} サUI
 2   (ス)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} シ量化子の関係
1    (セ)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻ay→~長x)} 12スEE
従って、
(07)により、
(08)
① ~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
②   ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長x)∨(~象y&鼻xy&長x)}
に於いて、すなはち、
①「すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。」といふわけではない。
②「あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなく、xはyの鼻であり、xは長い。」
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
②「あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなくて、xはyの鼻であり、xは長い)。」
といふことは、
②(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い、象ではない動物がゐる)。
といふことである。
然るに、
(10)
①  鼻は、象長い。
②(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い象ではない動物がゐる)。
に於いて、
① と ② は「矛盾」する。
従って、
(10)により、
(11)
①  鼻は、象長い。
②(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い象ではない動物がゐる)。
に於いて、
① の「否定」は、② であって、
② の「否定」は、① である。
従って、
(06)(11)により、
(12)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は、象は長く、象以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立し、
② 鼻は象長い。といふわけでない。⇔
② 鼻は、象は長く、象以外は長くないといふわけではない。⇔
② ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長x)∨(~象y&鼻xy&長x)}⇔
② あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなくて、xはyの鼻であり、xは長い)。
といふ「等式」が、成立する。