日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(585)「STAP細胞は有ります!!」の「~は」について。

2020-04-13 11:54:20 | 「は」と「が」

(01)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 私理事長です。
理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1  (1)∀x( 理事長x→ 私x) A
1  (2)    理事長a→ 私a  1UE
 3 (3)         ~私a  A
  4(4)    理事長a      A
1 4(5)          私a  24MPP
134(6)      ~私a&私a  35&I
13 (7)   ~理事長a      46RAA
1  (8)   ~私a→~理事長a  37CP
1  (9)∀x(~私x→~理事長a) 8UI
1  (〃)すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長ではない。8UI
(ⅲ)
1  (1)∀x(~私x→~理事長a) A
1  (2)   ~私a→~理事長a  1UE
 3 (3)        理事長a  A
 3 (4)      ~~理事長a  3DN
13 (5)  ~~私a        24MTT
13 (6)    私a        5DN
1  (7)    理事長a→ 私a  46MTT
1  (8)∀x( 理事長x→ 私x) 7UI
1  (〃)すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。7UI
従って、
(03)により、
(04)
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① STAP細胞有ります。
② STAP細胞以外無い
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1 (1)~∃x(~STAP細胞x)  A
 2(2)    ~STAP細胞a   A
 2(3) ∃x(~STAP細胞x)  2EI
12(4)~∃x(~STAP細胞x)&
      ∃x(~STAP細胞x)  13&I
1 (5)   ~~STAP細胞a   24RAA
1 (6)     STAP細胞a   5DN
1 (7) ∀x( STAP細胞x)  6UI
1 (〃)すべてはSTAP細胞である。 6UI
(ⅲ)
1  (1) ∀x( STAP細胞x) A
 2 (2) ∃x(~STAP細胞x) A
1  (3)     STAP細胞a  1UE
  4(4)    ~STAP細胞a  A
1 4(5)     STAP細胞a&
          ~STAP細胞a  24&I
  4(6)~∀x( STAP細胞x) 15RAA
 2 (7)~∀x( STAP細胞x) 246EE  
12 (8) ∀x( STAP細胞x)&
      ~∀x( STAP細胞x) 17&I
1  (9)~∃x(~STAP細胞x) 28RAA
1  (〃)STAP細胞以外は存在しない。28RAA
従って、
(07)により、
(08)
② STAP細胞以外無い
すべてはSTAP細胞である。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
① STAP細胞有ります。
② STAP細胞以外無い
すべてはSTAP細胞である。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
① STAP細胞有ります。
② STAP細胞以外無い
すべてはSTAP細胞である。
といふ「命題」は、
③(今、顕微鏡を覗くと、)すべてはSTAP細胞である。
といふやうな「場合」にしか、「真(本当)」には、なり得ない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① STAP細胞有ります。
② STAP細胞以外無い
すべてはSTAP細胞である。
といふ「命題」は、
①(今といふ特定の時間に、顕微鏡の中といふ特定の場所に)STAP細胞が有ります。
②(今といふ特定の時間に、顕微鏡の中といふ特定の場所に)STAP細胞以外は無い。
③(今といふ特定の時間に、顕微鏡の中といふ特定の場所の)すべてはSTAP細胞である。
といふ「場合」にしか、(本当)」には、なり得ない
然るに、
(12)
2014年に、記者会見の場で、小保方さんが、
④ STAP細胞( )あります!!
と言ったのは、
④(時間場所特定せずに)STAP細胞( )あります!!
といふ「意味」である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
2014年の、記者会見の場で、小保方さんは、
① STAP細胞有ります!!
とは、「言ひ得ない」し、
⑤ STAP細胞有ります!!
とは、「言ひ得ない」。
(14)
⑤ STAP細胞有ります!!
と言ふならば、
⑤ STAP細胞の他に、何が有るのか
といふ風に「質問」されるであらうし、あの場面での小保方さんは、
⑤ STAP細胞以外については、何も語ってゐない。
従って、
(15)
(ⅰ)STAP細胞は有ります。
(ⅱ)STAP細胞が有ります。
(ⅲ)STAP細胞も有ります。
といふ「3択」に於いて、
(ⅱ)と(ⅲ)を「選択」することは、有り得ない
従って、
(01)~(15)により、
(16)
2014年の、記者会見の場での、小保方さんは、必然的に、
④ STAP細胞有ります!!
と、言ふことになる。