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a diary vol.7 ウエチ マサシ

2010年04月14日 | 水曜(2010年3~4月):ウエチ マサシさん
「手仕事」とは制作の過程全てを
人間の手で行ない、作り手の人間性や技術の粋を
形にする仕事の事です



沖縄には沢山の織りの産地があり各産地で技法はさまざまですが、
そのどれもが手織り(手仕事)で制作されています


写真.1

機を織る際に必要な道具として、
機織り機と経糸(たていと)に緯糸(よこいと)を織り込む
「杼」と呼ばれる道具があります「杼」は「ひ」と読みます
シュッとんとんっ、という機織り独特のリズムその、シュッを司る道具です

写真.2


うちのユニットで琉球笛を担当する→「ナカノユメ」さん
実は機織りの仕事をしているのですが
そんなナカノさんが先日関西に帰省した際に
京都にある「長谷川杼製作所」 に訪れたそうです
店主の長谷川淳一さんは国選定保存技術「杼製作」保持者。
(国選定保存技術、これがなければ国宝指定の技術は途絶える)、ということ。


写真.3


そこでもまた、「杼」制作の過程に加え
長谷川さんが「杼」を組み立てる以前の
細かな部品の一つ一つに至るまで全て
沢山の手仕事が繋がって、制作されていました



写真.4


清水焼の糸口屋、竹細工の駒屋、金物の金口屋の3つの部品を使い、
本体を作る杼製作所が杼に仕立ててゆきます
ところが今は、3軒とも職人の高年齢化と共に後継者不在のまま、
次々とやめてしまったとのことでした



写真.5


そして、「長谷川杼製作所」もまた
後継者がいないとのこと
「杼は20年乾かした木でないと作れんからね、
今からやっても20年後にしか出来上がらんのやからね」
制作する上で、木が最も適した状態である年数だそうです
「道具は使い手の使いやすいようにつくるもの」という
使い手の側に立ち、杼製作に向き合う長谷川さんの信念を感じます


「作り手がいるからこそ、使い手がいきる」
「使い手がいるからこそ、作り手がいきる






この関係がいくつも連鎖して
本物の「手仕事」は完成されるのです
「手仕事」
の現場、現在社会が忘れがちな仕事の意義や、
人と人、人とモノとの関係が、
今尚くっきりとそこにありました

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