国際学どうでしょう

私が気にしている情報のメモ

胡氏と議論すべき要望リスト

2006-04-25 00:03:57 | 時事問題
米中会談が行われる前に書かれた記事ですが、「エコノミスト」誌は米中会談に対して、人権問題で押せと米国に呼びかけています。確かにその通りです。(下の訳では略されていますが)人権問題が、中国人のためでもあるというのもよく理解できます。

しかしこのような主張では、中国政府は、人権という名目で、中国で体制の転覆をもくろむもの(「和平演変」)と警戒するだけかもとも思います。じゃあ、どうすればいいのかと言われても、私には妙案があるわけではないので、とりあえず自分の考えをまとめるために、メモしておきます。例によって部分訳、しかも大意です。

=====
エコノミスト
2006年4月22日
胡氏と議論すべき要望リスト(部分訳)
アメリカは、中国に対して人権について圧力をかけることにひるむべきではない。

要望書には、ひとつの大きな課題だけである。中国は、世界人権宣言を守るべきである。…現在中国はそれを守っていない。確かに、多くの点で、中国の生活は非常に自由になっている。以前よりも国家は、私生活や経済活動に介入することが少なくなっている。かつてほど言論や出版は、統制を受けなくなっている。しかし中国は、ひどい権威主義的国家のままであり、共産党に対する組織的反対は許されない。メディアコントロールも、長年にわたり緩やかとなったが、今や胡氏の元できつくなっている。(反対党派ではなく、個人に対する)自由投票の実験も、地域的なものにとどまっている。裁判制度も茶番であり、被疑者は数ヶ月あるいは数年起訴なしに拘束されることもある。控訴審で判決を覆されるのは、訴追されたものの0.5%以下である。国連によれば、拘禁されているときに棒や電気警棒で殴打されることがはびこっている。人権団体は、17年前の天安門事件の平和的デモにかかわったために、まだ少なくとも50人が獄中にいると言う。とある役人は、毎年1万人ほどが処刑されていると、2004年に述べた。中国が最後に獲得をしたチベットや新疆では、抑圧は漢民族地域よりもはるかにひどい。これらすべては、上海の外灘のナイトクラブと同様に、中国の一部なのである。

中国の人権を推進する余地が、アメリカにはほとんどないと言われる。2000年に、アメリカは、中国に対して毎年、最恵国待遇を再検討するための条件を打ち止めにしたが、そのときもっとも効果的なテコを放棄したのだ。翌年、北京の2008年五輪の提案が成功したとき、もう一つのテコも失われた。さらに、アメリカのグアンタナモやアブ・グレイブでのアメリカのやり過ぎは、アメリカから人権を説く道義的権威を取り去った。

二つの議論ははき違えだ。アメリカは、まだ中国に対してちょっと上だ。胡氏は、尊敬を求めている。彼は、上げ潮の中国が、世界の平等で尊敬されるメンバーであることを大いに望んでいる。西側は、中国に対して好意を持っているが、中国が人権をまじめに受け取らない限り、完全に受け入れられないことを明らかにすることができる。グアンタナモやアブ・グレイブに関しては、修正をするべき恐るべき非アメリカ的逸脱である。しかし、グアンタナモやアブ・グレイブのために、合衆国が、あらゆる国における自由や威厳について語ることを妨げられるとすれば、それは再び人権を侵害する誤りである。
======



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 胡主席の発言を妨害した女性... | トップ | 高い原油価格に関するメモ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時事問題」カテゴリの最新記事