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「クローズアップ現代」「就職氷河期世代 夢はつかめるか」を見た感想

2007-10-07 10:12:52 | 時事問題
ビデオに録っていたNHK「クローズアップ現代」「就職氷河期世代 夢はつかめるか」(10月4日放送)を見て、驚いた。

大連で、時給30元の日本語による電話オペレーターの仕事を、中国人ではなく、日本人が行っている。一部の会社は数百人単位で日本人を受け入れているというのだ。本来これは日本語を修得した中国人向けの仕事である。だが中国人がよりよい仕事に移っていった結果、穴があいたのである。

なぜ日本人がこのような仕事を1年契約で行うかというと、これには無料の中国語レッスンが付属しているからである。中国語を習得して正社員への道を切り開こうという呼び掛けに、20代後半から30代前半の就職氷河期世代の人物が受けて立ったのである。

全般的に、大変良心的な番組であると考えた。

なぜならば、第一に就職氷河期世代に対する暖かい眼差しがあるからである。番組では、彼らが好き好んでフリーターをしているのではないこと、バブル崩壊のしわ寄せを一手に押しつけられていることを指摘し、彼らの仕事に対する取り組みのまじめさを評価していたからである。

第二に、日本語で日本人相手の電話オペレターの仕事を9時~5時まで行い、その後一年間中国語のレッスンを受けても、その程度の中国語では何の役にも立たないのではないかという疑念に、答えている点だ。番組では、中国語の経験のない30代女性が、半年後にHSK(漢語水準考試)の初級に不合格であった旨を伝えていた。これでは何にもならない。

第三に、中国語経験のある人も、やはり日本語で日本人相手の電話オペレターの仕事をしていたのでは、あまり評価されないのではないかということである。中国語学科の大卒の20代後半の男性は、中国で活躍している日本企業への就職をめざしたが、面接を受けた「パソナ」の人から、はっきりそのことを指摘された。20代後半であれば、中国語だけでは評価されず、中国でのビジネス経験が必要とされる旨伝えられていたのだ。

さらに番組では、最後にコメンテーターから、フリーターを見下さない中小やベンチャー企業が存在する。職種を問わずにそのような企業に2から3年間正社員として勤務して職歴をつけるようにという大変堅実なアドバイスがなされていた。

もちろんこの番組に実名を曝して出演した二人の若者に対しては、その意欲が高く評価されて、番組を見ていたどこかの企業からオファーが来るかもしれない。
コメント (1)
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