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河野太郎氏「議長の怒り」を読んで

2006-12-02 18:13:02 | 時事問題
11月30日、河野洋平衆議院議長が「最近、本会議中に新聞を読んだり携帯電話を操作したりする議員が目立つ」と苦言を呈したという。(「議場で新聞、携帯やめて 衆院議長が各党に苦言」,http://www.asahi.com/politics/update/1130/012.html)議場に緊張感が欠けているせいであろうかと思われる。

しかし河野洋平氏の長男・河野太郎議員はそうは考えない。次のように本会議が形骸化されていることが問題である旨主張している。

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今の衆議院本会議なんてどこかの独裁政権下の国会とまるで同じで、発言はお互いに原稿を読み上げるだけ、発言者はあらかじめ決まっていて、手を挙げたって絶対に指名されることはない。全ての発言者が黙々と原稿を読み上げるのだ。

しかも、自民党の場合、よっぽどのことがない限り、本会議での発言はできない。僕は去年、当選九年目にして初めて本会議で5分の質問をやった。僕の同期でまだ本会議で発言していない議員も少なくない。

しかも本会議での発言の多くは質問であり、あるいはただ言いっぱなしで論戦にならない討論(つまり各党がアリバイを議事録に残すためにやるもの)なのだ。
「議長の怒り」/ごまめの歯ぎしり
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河野太郎氏の「ごまめの歯ぎしり」は、ときどき面白いことが書かれているので、ほぼすべて読んでいる。しかし、ここまで面白いのは滅多にない。第一に、元自民党総裁であり衆院議長である父親のメンツを丸つぶしにしているからである。

太郎氏は「本会議が民主国家の国権の最高機関の本会議らしいきちんと議論が行われ、投票が記録されるもの、つまり本来あるべき本会議にするのが、衆議院議長としての仕事なのだ。それをやらずに表面的に怒っていても、ほとんど意味はない。」と言い切る。

第二に、さらにビックリするようなことが書かれている。河野洋平氏の太郎氏に対する暴力的しつけである。河野洋平氏というと自民党の中のリベラルであり、寛容でありすぎることはあっても、暴力とは無縁と私が思いこんでいたからである。

「河野洋平という人には昔、よく殴られた。寿司屋で小皿に醤油を残したといっては家に帰ってから殴られ、海苔をばりばり食っただけで寒い海で海苔を作っている人のことを考えろとぶん殴られた。」

ここで書かれていることが本当とすれば、河野洋平氏のしつけはめちゃくちゃと判断せざるを得ない。さらにそのしつけの悲しい結末も告白されている。

「寿司屋で小皿に醤油を残すなと殴られた子どもがどんな大人になるかといえば、小皿の醤油が早くなくなるように、どんなネタでもかならずシャリのほうを醤油につける大人になるだけなのだ。」

河野洋平氏のしつけにだけにかかわる問題としてではなく、子どもを持つ親として私もこの文章を読んで反省するべきことは多いと考えた。
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