どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

かしこいお医者のやせぐすり・・タンガニーカ

2018年07月24日 | 昔話(アフリカ)

        子どもに聞かせる世界の民話/矢崎源九郎・編/実業之日本社/1964年


 歩くのもやっという女の人が、どうしてもやせたいと医者のところへ。

 医者は一度は高いお金をとって女の人を帰します。二度目にはもっとらしく、七日の命と宣告します。

 女の人は死ぬことばかり考え、なんにものどが通らず、夜も眠れません。
 医者からは七日の命といわれましたが、八日、九日すぎても死にません。

 女の人は、十五目に医者の所にいって、高い金ををとってだましたのねと文句をいいます。
 ところが医者は落ち着いて、女の人に「いまふとっていますか、やせていますか」と聞き返します。
 女の人は「死ぬのがおそろしくて、食べものも、のどがとおらなかったからやせましたとも!」と答えます。
 医者は「おそろしいと思う気持ちが、やせぐすりだったのですよ」


 思わず笑ってしまいました。この手の笑い話は、何度聞いても楽しいものと、一度聞いたらもういいと思うパターンの二つに分かれそうですが・・・。

 タンガニーカの昔話というので、どこかと思ったらタンザニアの昔話。
 タンザニアはタンガニーカとザンジバルが合併し成立した連邦国家ですが、タンガニーカはそのうちの大陸部をさすといいます。タンガニーカにはタンガニーカ湖やビクトリア湖があり、海岸部は平野、内陸部は高原、北東部及び南西部は高山地帯となっており、北東部にはキリマンジャロ山がそびえるとありました。