どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

貧乏人が福の神をみつけたこと・・クロアチア

2017年01月29日 | 昔話(ヨーロッパ)

   新装世界の民話16 アルバニア・クロアチア/小澤俊夫・編/ぎょうせい/1978年初版

 「アリババと40人の盗賊」にアリババがもちかえった金貨を数えるため、裕福な兄のところから枡をかりてくるところがあります。この枡には油が塗ってあって、そこに金貨が張り付いていて、アリババが大金を得たことを知った兄が、盗賊が宝物をかくしてあった洞窟にでかけていきます。

 「貧乏人が福の神をみつけたこと」には、同じようなシチュエーションがでてきます。

 へんな福の神のおかげで、金貨を手に入れた男。女房が男の兄のところにはかりを借りに行きます。

 二度目にはかりを借りに行ったとき、兄ははかりにハツミツを塗り付けます。はかりがかえってきたとき、はかりに一枚の金貨がくっついています。

 弟が大金を得たことを知った兄は、二人で大金を手に入れたところにでかけますが・・・・。

 両者とも金貨を数えるというのは、奥さんの方。そしてでてくるのは兄弟です。

 タイトルから日本版の「貧乏神」のような展開かと思ったら、へんな?生き物が福の神で、弟は何の苦労せず、お爺さんのところにいって、なんと目の前から金貨をいただいてきます。

 このお爺さんの正体はまったくわかりません。とにかく鷹揚な人ですが、二人がやってきたときは、あまりに欲張りだったので金貨をすべて取り上げてしまいます。