ろばのとしょかん/ジャネット・ウインター 福本友美子・訳/集英社/2011年初版
副題に「コロンビアでほんとうにあったおはなし」とあります。
ルイスさんは、小学校で子どもを教えたことがあり、読書の大切さを知っていました。ルイスさんがすむちかくの村には、ほとんど本がなく、2000年から2頭のロバに本を積み、いくつかの村にはこびはじめたそうです。
最初は70冊ばかりではじめた本も、寄付してもらった本も含めると5千冊をこえているようです。
しかし、本を運ぶといっても、一山二山こえる感じで、おいはぎにあったエピソードも描かれています。
ルイスさんは、子どもたちが本をえらぶまえにお話もします。
山間に点在する家で、ろうそくやランプのあかりのしたで、子どもたちが借りた本をよむ場面も描かれていて、本と向かい合う子どもの顔がうかんできます。
パキスタンで女子教育の権利を訴え、史上最年少の17歳でノーベル平和賞を受けるマララさんが、授賞式を前にオスロで記者会見し「私たちが求めているのは特別なものではなく、本とペンだけだ」と述べ、全ての子どもが教育を受けられるよう世界に呼び掛けたという記事と重なります。