どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

なけない ちっちゃいかえる

2013年06月19日 | 絵本(日本)
なけない ちっちゃい かえる  

    なけない ちっちゃいかえる/エクトル・シェラ・作 やまうちかずあき・絵/すずき出版/2004年初版

 

 おたまじゃくしからかえったばかりのかえる。ちっちゃいかえるは元気にあそぶが、まだなけない。

 みんなと同じように「ケロケロ」なきたいが「ケ・ケ・ケ」としかなけない。あひるにであってあいさつをしようとするが、考えすぎてなにもいえない。

 おんどりや牛、ぶた、ひつじにあって、みんなちがうなきかたをするので、自分のなきごえは「ケケケ」でいいときがつく。みんなの前で大きな声で「ケケケ」、ほかの動物の前でも元気よく泣くと動物たちは拍手。

 デフォルメされたかえるや動物の姿がかわいらしい絵本。大人が子どもたちに対して、何かのきっかけで自信をもてるヒントを与えることができるといいなと思わせる。

 出典に訳がないのは、コロンビア出身の作者が日本語で書いたもの。「完璧でなくてもOK」「自分らしさOK」というメッセージが伝わってくる。このメッセージは大人にも言えること。