観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

色の変化

2013-11-21 20:30:16 | 13.11
3年 佐々木将隆
 11月となりいよいよ秋本番と思っていたが、あまり寒くならないことに若干の違和感を感じるが、そのことにとくに意識することなく毎日を過ごしていた。
 そんなある日友達が「色かわらねぇな...」とつぶやいた。
私は主語が汲み取れず「一体何のことをいっているんだ」と疑問に思いつつ、友達と同じ位置である並木道に視線をもっていく。そこにあったのは葉が緑色のままのイチョウの木であった。意識して昔の記憶をたどってみると、イチョウは10月以降あたりには黄色く色づいているものだったような気がする。それについて友達に諭されないと気づかなかった自分に「自分は自然に関してこんなにも無関心だったのか...」少し残念に思った。
 せっかく野生動物学研究室に入ったのに、自然にあまり意識を向けていなかった自分に気がついた。
 そんなことを考えて数日を過ごし、急激な冷え込みを感じるような日が続くようになった。ふと、友達が言った言葉を思い出し並木道を見てみると黄色く色づき始めるイチョウがあった。
「色が変わってきたぞ」
 私は少し得意気になって友達に言った。友達は「本当だ。きれいに色づき始めてるな」と笑って言い返した。
 こんな風に自然に関して話しながら歩くこと自体最近では減ってしまったように感じる。思い返すと、小さいころ実家のおばあちゃんと一緒にこんな感じで散歩したことがある。今度実家にもどったときはそういった自然の変化というものを気にしつつ誰かと散歩をしたいと思った。


麻布大学のイチョウ並木 2013.12.11 高槻撮影


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